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◆【くにのあとさき】東京特派員・湯浅博 友愛外交とは驚いた



 (産経 2009/5/20)


 「友愛外交」だと聞いて暗い気分になった。民主党の鳩山由紀夫新代表が祖父、鳩山一郎元首相のキャッチコピー「友愛」を外交に結びつけた。友愛は人道主義だから一郎氏のように国内向けなら結構だ。NHKの大河ドラマ『天地人』の直江兼続に倣って「愛」を語るのもいい。

 しかし、国益のために牙を研ぐ外交の世界ではそうはいかない。核を振り回し、空母をつくることを豪語する「腹黒外交」相手に、「友愛外交」では太刀打ちできない。失敗して迷惑するのは、党員でなく国民になるから厄介なのだ。

 なにしろ、大陸の中国は「十八史略」や「韓非子」なみに権力政治の手管を駆使する国である。いにしえより陸続きに蛮族がいて、力くらべの末に、いまの中華人民共和国ができている。中原に鹿を追うリアルな計算を優先し、ハナから相手を信用しない。

 ロシア? こちらは戦後のモロトフ外相の口癖ではないが「万物は流転する」。約束事も平気で反故(ほご)にする伝統の国だ。古くは日ソ中立条約を一方的に破棄して満州に攻め入ったし、北方領土の返還も素知らぬ顔である。政治の「流転」を知るはずのモロトフですら、フルシチョフ首相に粛清されてしまった。

 友愛外交で独裁者と安易に「腹を割って話す」のもどうか。オバマ米大統領も似たようなことをいったが彼は自在に変節する。イランや北朝鮮の独裁者とも無条件で会うといいながら、「米国の安全に有益なら」とすぐ修正した。

 あちらは世界最強の超大国であり、あの「核廃絶」提案が実現しても、通常兵器も最強だから圧倒的な地位は変わらない。どこか計算され、ただ友愛を唱えるのとはわけが違う。もっとも、鳩山さんにもある種の変節はある。

 自民党の中川昭一政調会長(当時)が3年前、核保有について「議論はあっていい」と語ると、「議論自体も許されない」とやった。だが、その7年前に、彼が正反対のことをいっていたことをご記憶か。西村真悟元防衛政務次官の核武装発言に関して、「議論すらいけないという発想はいかがか。本質論をえぐる議論をしていきたい」と述べていた。

 鳩山さんの発言にもウラがあるけれど、それは国内政局という狭い世界の「誠心誠意のウソ」(三木武吉)とはいえないか。ご説の通り、防衛の本質をえぐる議論をしていただきたい。

 ところが、15日の公開討論会では憲法改正を「大上段に構えている余裕があるのか、ないのか」だし、集団的自衛権も「すべてができないというべきでもないし、すべてやっていいという話でもない」という。曖昧模糊(あいまいもこ)というべきか、同盟関係にある米国も「だから?」と聞きたいだろう。

 小沢一郎前代表は米軍駐留は「第7艦隊だけで十分だ」と中国や北が喜びそうなことをいったが、それなりに明快だった。鳩山さんの曖昧さは、政権奪取後の自由度を確保しておくためなのか。それにしても記者会見は、甘い幻想をちりばめており、政権党の責任に不安が残る。

 「愛」のカブトをいただく直江兼続は、上杉家第一の戦略家であった。用兵が巧みなうえに、情報収集に忍びを多用し、敵将に金銀をつかませて籠絡(ろうらく)した。「愛」のウラは「策」であり、人々の繁栄と安全を確保する「腹黒外交」の達人であった。いまは、鳩山外交が腹黒く変節することを願うばかりである。
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by sakura4987 | 2009-05-22 13:39

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