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◆【土・日曜日に書く】東京特派員・湯浅博 「水盗人」に狙われる日本



 (産経 2009/5/23)


 ◆“森の地上げ屋”が出没

 昔から「瑞穂(みずほ)の国」の生命線は、豊かな実りを保証する河川や灌漑(かんがい)用水であった。日照りが続くと村々で水争いが起き、自分の田に水を引き入れようと「水盗み」が発生する。この水盗人から守る水番は、俳句の季語にもなった。

 それがグローバル時代になると、スケールも大きくなって国際間で「水盗み」が起きる。世界中で危機的な水不足が起きて、他国の水源地を丸ごと買い占める利権ビジネスが横行する。

 わが営林当局がもっとも警戒しているのは、人口増と砂漠化で枯渇が懸念される中国の企業動向である。日本の水源地を買い占めては採取した大量の水をペットボトルに詰め替え、巨大コンテナで本国に運び出す。日本の名だたる名水なら、これが高値で売れること請け合いだ。

 ターゲットは豊かな水源地の深山幽谷である。昨年あたりから“森の地上げ屋”が日本各地に出没して、静かな山村に疑心暗鬼が広がった。彼らが狙うのは、たっぷりと水を含む森林の恵みであり、大規模に、かつ市場の10倍の値をちらつかす。

 とりわけ、三重県と奈良県境の大台ケ原は、世界的にみても多雨地帯として知られ、たびたび地上げの影が忍び寄る。この地を「日本百名山」の一つに数え上げた作家の深田久弥もビックリだろう。

 三重県大台町によると、以前から中国語なまりの声で山林買収の問い合わせがあり、3年前に役場に現れた人物が中国名の名刺を差し出した。その人物から、「立ち木と土地を買いたい」と持ちかけられたが、「水源林なので」と仲介することを断った。

 狙われたのは大台ケ原の麓(ふもと)にある約1000ヘクタールの私有地である。東京ディズニーランドの広さに換算すると20個分に相当する。昨年7月、町が手出しできないまま所有権は東京の不動産会社に移っている。木材の切り出しが困難な森の奥に位置するだけに、町は「水ねらい」を疑う。

 ◆水源地を物色する中国人

 多くの森林が買収目的も分からぬまま動いていることに危機感が募るのだ。尾上武義町長は「あの水源林の水は宮川に流れ込み、下流域の田んぼを潤している。途中で水が止められたら、それこそ一大事」と語る。国と県に法規制の網をかぶせるよう要請している。

 林野庁には昨年6月から、「中国を中心とした外国勢が森林買収に動いている」との情報が寄せられていたという。ほかにも長野県、岡山県など豊かな水源地を持つ地方で中国人地上げ屋の影がちらついた。

 日本の水は豊かな水源地をもってはいても、実は人様に渡せるほど利用できない。渓谷や河川は急勾配(こうばい)で短いから、降水量の3分の1がそのまま海に流れ出てしまう。逆に、6月の梅雨時や夏から秋にかけての台風シーズンは、洪水が起こりやすい。

 だから、名君といわれた藩主ほど多くの堤をつくって、水を押し込めたり、なだめたりした。いまは、ダムや堤防を建設して水量の安定化をはかっている。苦労を重ねてきた水なのに、外国勢の利権ビジネスで上前をはねられてはたまらない。

 水が国境を越えて持ち出されれば、そのまま日本の安全保障にもかかわってくる。帝京大学の志方俊之教授によると、日本は飲んでいる水と「ほぼ同等の量」を米国に依存しているという。

 これをバーチャル・ウオーターといって、水そのものでなく米国で産出する木材、小麦、大豆、牛肉を育てるために使われた米国の水をこう呼ぶ。仮に日本が自給自足であるならば、元来が国内で使用されるはずの水なのである。

 ◆仮想水は米国に依存

 日本の食料自給率は40%しかなく、残り60%が輸入だ。一部はオーストラリアやカナダもあるが、大半が米国からの輸入になる。

 日本はエネルギーの輸送路から食料、情報、技術に至るまですべて米国に依存している。志方教授は「これらすべてを一つの国に過大に依存することは芳しくない。この中の一つでも米国にとり重要な国である必要がある」と日米同盟のありようを語る。

 このバーチャル・ウオーターにして米国依存なのに、肝心の水資源まで中国に持っていかれては国の行く末にかかわる。

 国連報告書は2025年までに、「世界人口の半分が水不足に直面するおそれがある」という。水にかかわる国際的な利権ビジネスは増えることがあっても、減ることはないだろう。

 彼らは外国人であることを隠して、日本国内の企業やエージェントを使うことになる。これら国際間で行われる「水盗み」を防ぐため、水番なみの立法措置が必要になってきた。
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by sakura4987 | 2009-05-29 14:42

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