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◆日本も草の根アメリカ議会対策を行うべし



 (東洋経済 2009/5/31)

 http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/9a58338325adaf768339178267173962/page/1/


藤末健三 民主党参議院議員

 5月の上旬にアメリカの国会議員招聘制度で米国首都ワシントンDCに行き、15名の米下院議員と議論をしてきた。景気対策から北朝鮮問題、核廃絶など論点は多岐にわたったが、議論の中で最も印象に残ったのが、ある西海岸選出の下院議員が述べた
 
「中国は仲間である」という言葉だった。

 筆者は4年前にワシントンDCのCSISという外交問題の研究機関に1週間ほど滞在したが、そのとき中国はある意味仮想敵国のような扱いであった。
 
 それがまったく雰囲気が変わっていた。 

 筆者は、そこで中国の軍備拡大のスピードや国際ルールから外れた資源確保への取り組み、そしていまだ民主主義国家ではないことなどを説明したが、あまりにも中国のリスク情報が入っていないことに驚いた。
 
 逆に中国との経済的な相互依存の拡大、中国政府の柔軟性の向上など中国のよい面の情報だけが入っている感じだった。
 
 なぜそのようなことになっているのか?

 ワシントン駐在の外交官や民間人、そして米連邦議会議員に話を聴いたが、その理由は「中国は戦略的にアメリカとのパイプを作っている」ということだった。

■北京での共産党幹部との会話

 ここで思い出したのが今から数年前になるが、北京の共産党本部を訪問したときである。

 共産党の国際局が対応をしてくれたが、歓談をする中で対米関係の話になり、アメリカとのコネクションの重要性を議論した。そこで先方は「毎年40人の米連邦議会議員を北京に招聘している」という話をしていた。

 その言葉が非常に印象に残っていたので、早速帰国し外務省に実態がどうなっているかを尋ねた。外務省からは「アメリカの議員は訪中を規制されており、訪中できないはずである」との回答だった。その回答に「中国共産党がこちらをけん制するために話を大きくしていたのか」と当時は納得したものの、結局は中国共産党幹部の話が正しかったことが、ワシントンDCで判明したのだった。
 
 ついでではあるが、他国の外国政治家の招聘制度を調べたが、オーストラリアも日本の政治家を毎年数人招聘しており、シンガポールは「招聘された政治家は好きなときにシンガポールをフルサポート付きで訪問できる」招聘制度を持っている。
 
 ひるがえって、日本の米連邦議会議員の招聘制度はどんどん予算を削られており年間5,6人の政治家しか日本に招待できていない(日米摩擦の時は20人近くの米恋歩議会議員を招聘していたと聞く)。このような招聘制度をもっと充実させることも日本に必要ではないかとつくづく考えさせられた。

■ケント・カルダー教授と朝河貫一教授の指摘

 さて、『日米同盟の静かなる危機』(邦訳 ウェッジ刊)を書いたジョンホプキンス大学のケント・E・カルダー教授は、同書において、「中国が草の根レベルでアメリカ議会に入っている」ことを指摘している。
  
 332ページには「中国の最近の政治戦略は、ホワイトハウスの方ばかりを見ている日本と正反対でグラスルーツ重視である」とあり、胡錦濤・共産党総書記が訪米したときにワシントン滞在が1日半でその他はマイクロソフトやボーイングに行くなど財界と民間との交流に力点を置いていることを紹介している。

 また、100年前に『日本の禍機』を記した朝河貫一(歴史学者 1873-1948)も、その中で、
 
「支那の政治家は常に米国との関係をもっとも重視せしが」(講談社学術文庫178ページ) と中国のアメリカ重視を説き、

一方で日本がアメリカを誤解している以下のような点を紹介している(同156~161ページ)
1.「米国政治の腐敗」
2.「貧富の隔絶」
3.「民衆の趣味の低きこと」
4.「米国の教育は全く実利的にして児童に倫理すら教えず」
5.「米国の学問にいたるまでもまたひとえに処世のためにして、真理の探究に切ならず」

 本書を読んだとき筆者は驚愕した。100年前と日本はなにも変わっていないのではないかと。特にアメリカに対する誤解は今でもそのまま当てはめることができる。
  
■草の根の選挙応援

 また、ひとつ重要なことが「選挙の応援」だ。

 昼食時に話をした議員は「年間活動に100万ドル(約1億円)、選挙には400万ドル(4億円)かかる(※テレビのCM費が大きいとのこと)。ボランティアの支援が重要だ。」と言っていた。
 
 その議員はアジア系移民であったため、アジア系のボランティアの応援が非常に多いと言っていた。当然のことながらアジア系移民でいちばん数が多いのが中国系の移民であり、おそらく相当の影響力を持っているのではないかと推察している。

 たとえば、2007年に米下院が「従軍慰安婦問題で日本政府に謝罪を求める決議」を行ったが、その決議案を提出したのはマイク・ホンダ議員というカリフォルニア州選出の日系議員だった。産経新聞(2007年3月15日)によると中国系組織など2006年の下院選挙では献金の約3割が中国系からだったと指摘されている。
 
 筆者自身、政治家であるが、やはり選挙を助けてくれる方々は本当にありがたいもので、利権などを離れ、なにか支援者の希望があれば応えたくなるものだと思う。
 
 現地の駐在員に「日系企業はアメリカ国内に工場を数多く建設している。そこで働かれているアメリカ人に対して、日本への理解を深めてもらえるよう働き掛けることはできないか?」ということを聞いた。しかしながら、彼は「日本企業は政治的なものに関与することを基本的に避ける。それはアメリカでも同じである」という回答だった。それが日系企業の対応なのかもしれない。

 古いデータになるが経済産業省「2001年海外事業活動調査」によれば,2000年度末に日系企業は北米で78万人の雇用を作っている。

■総合的な日米のリンクを

 今回、感じたのが「外交のチャネル(回線)を外務省だけに頼ることのリスク」だ。

 「核軍縮の議論をしたくて」個別にいろいろな議員と会いたいと外務省を通じて申し出をしたが、私が無名であることもあり、目的とする議員にはまったく会うことができなかった。後で、自分で開拓すべきだったと悔やんだが、後の祭りだ。

 やはり議員が自らアメリカの議員と付き合いをしなければならない。とくに参議院議員は6年間という長期で、解散がないという安定した身分を保証されている。議員外交を行うには最適な身分だ。参議院で独自の外国議員の招聘制度を持ったり、議員派遣制度を整備するなど外交機能を強化する必要があろう。特に米中に対しては。

 また、政治外交は外務省、通商は経済産業省・JETRO(貿易振興機構)と分かれているのも大きなマイナスになっていると感じる。政治と経済の一体化は経済のグローバル化とともにどんどん進展している。今のようなセクショナリズムで分断された体制ではより効果的な活動はできないだろう。

 ドイツは、政府と政党がワシントンDCに事務所を設置することを支援している。

 日本も総合的に日米政治のリンクを強化する取り組む時期に来ている。
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by sakura4987 | 2009-06-09 14:46

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