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◆【くにのあとさき】東京特派員・湯浅博 対北の抑止力とは何か



 (産経 2009/6/6)


 朝鮮半島に「悪魔の跳梁(ちょうりょう)」があり、日本海を隔てた列島はまともに脅威の波をかぶることになった。凶悪な犯罪国家が核を手にすれば、周辺の戦略環境は劇的に変わる。

 鎌倉時代の蒙古襲来のように、防備を固めて迎え撃つだけの「専守防衛」だけではこの跳梁を抑えきれない。彼らが核を小型化し、弾頭をミサイルに装着できるようになる前に、日本は襲来を防ぐ抑止力を備える必要がある。

 「抑止力」とは北朝鮮から攻撃を受ける恐れがあるときに、報復として相手に、より大きな損害を与えることを示して攻撃を思いとどまらせる戦略をいう。

 この「思いとどまらせる」ところがミソだから、切りかかると、直ちに返り討ちにあう怖さがなければそうならない。そんな中で、与野党でも敵基地攻撃論が台頭してきた。迎撃ミサイルですべて撃ち落とすのは無理だから、巡航ミサイルのトマホークを配備して北の発射基地をたたく。

 従来の「防衛」と、新たな「攻撃」の一体化で抑止力を高める算段だ。もっとも民主党の鳩山由紀夫代表は、「(核)議論自体も日本国民として許されない」と自らを縛るくらいだから、抑止感覚が欠如しているのだろう。

 これを知的逃避という。軍事の分野は好き嫌いを超えて、為政者が議論するのは国民のための責務である。いつまでも、時代を翻弄(ほんろう)したナショナリズムの再来を恐れてばかりでは、ただいま現在の過酷な世界に対応できない。

 帝京大学の志方俊之教授によれば、核を抑止できるのは核しかないという厳しい現実がある。しかも、南アフリカの特殊ケースを除いて、核武装した国が核を減らしたことはあっても、核を放棄したことはないから厄介だ。

 冷戦下で、実効性のある核軍縮は、米ソが実施した中距離核戦力の廃棄であった。旧ソ連のSS20に対抗するパーシング2を彼らは同時に廃棄した。ただ、これらの核削減が「核保有国同士の間」だったことは注意を要する。

 北の核実験が未成熟爆発だったとしても、「核保有国」を自任して非核の日韓を含む6カ国協議をいやがる。プーチン露首相が昨年、「核兵器を保有しない国は真の主権国家とはいえない」と述べたのもそうした意識なのだろう。まして、非核の日本が主導権を握ることは金輪際ありえない。

 さりとて、日本が「独自核」を持つことは政治的、技術的に難しい。「独自核」の保有は核拡散防止条約(NPT)からの脱退を意味するし、北と同じような立場になる覚悟が必要だ。日本は脱退に対する世界からの批判に耐え切れないし、なにより日米安保体制を破棄できるはずもない。

 周辺には中国、ロシアと北という核を持つ国などがあり、日本は価値観を同じくする米韓豪と組まざるを得ない。19世紀の米国の孤立主義でさえ、大西洋に英国の海軍力があってこそ可能だった。

 そこで、日米同盟の枠内で「米国核」の導入を考えることになる。かつてドイツのパーシング2導入が、ソ連にSS20の撤去を促したように日本に「米国核」を配備し、それを嫌う中国に北の核計画をやめさせる算段だ。

 日本が巡航ミサイルを持つにしろ、「米国核」導入の検討にしろ、米国との協調なくしては成り立たない。当面、米国の核の傘を強固にするとしても、持てる技術水準を維持しつつ「核のオプション」だけは放棄しないことではないか。
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by sakura4987 | 2009-06-09 14:59

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