人気ブログランキング | 話題のタグを見る

★★★ 日本再生ネットワーク 厳選ニュース ★★★

sakura4987.exblog.jp
ブログトップ

◆水垂れ流し深刻…中国政府、企業への監督強化を通知

「読売」05/11/30

 【北京=竹腰雅彦】石油化学工場爆発が松花江汚染という重
大な環境問題を招いたのを受け、中国国家環境保護総局は28
日、全国の関係機関に、表面化していない環境汚染事故を探し
出し、汚染物を排出する企業への監督を強化するよう求める緊
急通知を出した。

 中国当局の強い危機感を示すもので、背景には、現時点で観
測所のある川の7割が「汚染河川」とされている恐るべき実態
がある。

 緊急通知は、「隠れた汚染」の摘発を特に重視。「全面調査
を即時始める」よう求めた。また、企業の監督強化では、「事
故発見後の速やかな地元政府への報告」を強調した。地方当局
や企業の隠蔽(いんぺい)体質が、環境汚染を深刻化させてき
たとの認識がある。

 政府系ネット「中国環境資源網」によると、中国では工業排
水の3分の1、生活汚水の9割以上が未処理で直接河川に流れ
ている。観測所のある全国1200河川のうち、「汚染河川」
数は850に上る。深刻な有機物汚染を受けた飲用水の利用人
口は、1億6000万人に上るとされる。

 長江では、工業、生活排水、農薬や化学肥料などを含んだ汚
水が、年間約256億トン流入。約500都市の飲用水を脅か
している。

 黄河には、こうした水が少なくとも40億トン流入している
。流域の汚水処理施設は25か所に過ぎず、生活排水の処理率
は13%だ。農村部では、事態はより深刻だ。新華社電(電子
版)によると、広西チワン族自治区の村では、マンガン採掘と
加工に伴う排水垂れ流しが続き、汚染は、環境基準の30倍以
上に達している。住民は、「川が澄むのは(工場が操業停止す
る)正月など1年に2日だけ」と訴えているという。

 汚染は、川から海にも広がる。環境保護総局が昨年行った調
査によると、近海の海水の約50%が環境基準に達しておらず
、約35%が深刻な汚染と判定された。また、全国の湖の75
%に富栄養化現象が現れている。




◆松花江の汚染 なぜ情報を隠すのか

「朝日」05/11/30社説

 中国東北部を流れる河川、松花江の汚染が国際社会に不安を
与えている。

 発端は、吉林省で13日に起きた石油化学工場の爆発事故だ
った。ニトロベンゼンなど有害な化学物質が大量に松花江に流
れ込み、下流にある黒竜江省ハルビン市で数日間、給水が停止
された。

 汚染された水はアムール川(黒竜江)に流れ込むと予想され
、ハバロフスクなど下流域の住民も警戒を強めている。

 事態をより深刻にしたのは、川の汚染を当局が1週間以上も
公表せず、下流域の住民にも知らせなかったことだ。

 ハルビンの給水停止の際も、最初は「水道の補修」と偽って
いた。正確な情報が伝わらないため、市民が飲料水を買い争う
パニックになった。

 情報を隠した当局に、住民やメディアが怒るのは当然だ。ハ
ルビン市周辺で検出されたニトロベンゼンの濃度は一時、基準
値の約30倍に達した。大量摂取すると健康障害が出るという
。飲み水に使うだけに、住民の不安は深刻だ。

 だれがどんな理由で情報の公表を阻んだのか、明確にされな
ければならない。

 今回の事故は、2年前の新型肺炎SARSの悲劇を思い出さ
せる。ウイルスが北京市に蔓延(まんえん)し、手がつけられ
なくなるまで当局は真相を公表しなかった。

 政府は、国内外の批判を受けてSARSなど突発的な衛生問
題にすばやく対応する条例をつくり、意識は改善されたはずだ
った。今回は伝染病ではないにせよ、健康に影響する重要な情
報が隠されたことは、住民軽視の体質が残っていると言われて
も仕方あるまい。

 その後のSARSや鳥インフルエンザでは、中国は世界保健
機関(WHO)と連絡をとりあっている。感染者が出れば迅速
に対応しなければならない。ここでもし情報隠しが起きたら、
中国に対する国際社会の信頼は地に落ちてしまうことを肝に銘
じるべきだ。

 いまの中国の体制では、メディアは当局の統制下にある。だ
が今回、いくつかの新聞や週刊誌が住民の安全を訴え、当局に
よる情報隠しの真相究明に努力している。吉林市が爆発事故の
当日から松花江の汚染を知っていたことも暴いた。

 こうした挑戦こそが当局に情報公開を促し、再発を防ぐ力に
なる。住民の生命を守る報道が規制されるべきではない。

 この数日、南方の重慶市や湖南省でも化学工場の爆発による
河川の汚染が起きている。黒竜江省では大きな炭鉱事故も起き
た。中国では最近、各地で大きな産業事故が続いている。

 経済発展による旺盛な需要を満たすため、生産重視の風潮が
いっそう強まっていることが背景にある。だが、労働者の犠牲
や環境汚染を放置して持続的な成長はあり得ない。

 かつて日本も、大規模な公害や産業事故で苦い教訓を得てき
た。そのなかで得た安全技術や公害防止技術を、隣国の人々の
生命と健康にも生かせないものか。
by sakura4987 | 2006-03-15 05:07

毎日の様々なニュースの中から「これは!」というものを保存していきます。


by sakura4987