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◆【正論】国学院大学教授 大原康男 「昭和の日」成立に思う祝日の意義

占領下の精神的呪縛を解き放て


 《一祝日の問題にはあらず》 

 五月十三日、「国民の祝日に関する法律」の改正案が参議院本会議で可決、成立し、これまで「みどりの日」であった四月二十九日は「昭和の日」と改められ、「みどりの日」は五月四日に移されることになった。平成六年に「昭和の日」実現を目指す国民運動が本格的に開始されてから十二年目のことである。

 いうまでもなく、四月二十九日は足かけ六十四年に及ぶ昭和の「天皇誕生日」として国民に親しまれてきた祝日である。それが、平成への御代(みよ)替わりによって祝日でなくなってしまうことを惜しむ多くの国民の声に配慮して、「半世紀以上に及ぶご在位を通じ、戦後の復興に国民の象徴として尽力された」昭和天皇を偲(しの)ぶ記念の日を設けようとしたのが、そもそもの発端だった。「みどりの日」という名称も自然を愛され、植樹祭など国土緑化運動に尽くされた昭和天皇のご行実(ぎょうじつ)にちなむものだったはずである。

 ところが、出てきたのは昭和天皇との関係をきれいに消去した「自然に親しむとともに、その恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」というだけのものであった。これでは、「自然をたたえ、生物をいつくしむ」という「春分の日」のイメージと重なってしまいかねない。

 《GHQの強制で全面改変》

 そこで、本来の意図に合うよう祝日の意義を改めるべきだという運動が、最終的には百七十万人以上もの賛同の署名を集めるほどまで全国的に広がったのであった。その間、国会での二度にわたる廃案という苦節を経つつも、「激動の日々を経て復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」という「昭和の日」が今回ようやく成立したというわけである。

 しかし、これは単に一祝日の名称と趣旨が変更されたということにとどまらず、戦後日本の祝日の歴史において大きな意義を有する。

 周知のように、「国民の祝日に関する法律」は、日本人の“精神的武装解除”の一つとして、連合国軍総司令部(GHQ)の強制によって従来の祝日を全面的に改変することを目的として制定された。その中には、最初の祭日である一月三日の「元始(げんし)祭」、十月十七日の「神嘗(かんなめ)祭」などのように完全に廃止されたものもあれば(紀元節もこれに入るが、昭和四十一年に「建国記念の日」として復活)、趣旨はそのままだが、名称が変わったものもある。「天長節」改め「天皇誕生日」がそうである。

 この両者の中間に、国民の愛着が強かったために、日にち自体は辛うじて残ったけれども、その趣旨がまったく変えられてしまった一群の祝祭日がある。明治天皇のご誕生日である十一月三日の「明治節」が「文化の日」に、同じく十一月二十三日の「新嘗(にいなめ)祭」が「勤労感謝の日」にそれぞれ改称されたのが、その典型例だ。

 《本来の趣旨に合う名称に》

 「みどりの日」の趣旨改竄(かいざん)は、まさにこれと軌を一にするものではないか。占領政策の呪縛(じゅばく)はいまなお各処に残っているが、ささやかながら今般その一つが是正されたことの意義は小さくない。次は「文化の日」という漠とした祝日を、本来の意義に沿う「明治の日」といった名称に復することであろう。

 同じようなことは「勤労感謝の日」についてもいえる。当時、「新嘗祭」から新しい名称に変えるに際して、「新穀(しんこく)感謝の日」という有力な候補名があった。実際、昭和十年から毎年この日には農林省(当時)の主催で「新穀感謝祭」が行われ、戦後も農林水産省が支援する「農業祭」という形で続けられてきた。山の幸・野の幸の収穫を感謝する「新穀感謝の日」と呼んだ方が、あいまいなニュアンスから脱しきれない「勤労感謝の日」より、はるかに身近に感じるのは私だけではあるまい。

 先に触れたように、「みどりの日」は日にちを移動して残るが、それには林業関係者がこの日の存続に格別に熱心であることが大きい。また、平成七年に祝日となった「海の日」は、漁業関係者が特に歓迎した日でもある。

 かくして「勤労感謝の日」を「新穀感謝の日」に変えれば、「みどりの日」「海の日」と並ぶ、農・林・水産というわれわれの生存に不可欠な三つの産業にかかわる祝日のそろい踏みということになり、自然の恵みに感謝し、豊かな収穫を祝うとともに、自然環境の保護という時代の要請にも適(かな)うことになるのではないか。

 「昭和の日」の制定を機に、祝日の意義について改めて考えてほしい。(おおはら やすお)
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by sakura4987 | 2006-03-21 12:30

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