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◆【一筆多論】石川水穂 現場を知らない教育理念

 来春から中学校で使われる教科書の検定結果が発表された。社会科では、韓国に過度に配慮した記述が目立つなど多くの問題点が指摘されている。

 しかし、数学と理科の教科書は、ゆとり教育で消えた解の公式や元素周期表などが復活した。国語でも、夏目漱石や森鴎外ら明治の文豪の作品が一部の教科書で復活した。こうした学力回帰の傾向は評価されてよいだろう。

 今日のゆとり教育の理念が打ち出されたのは、平成八年七月の中央教育審議会第一次答申である。「ゆとりの中で生きる力の育成」をうたい、学校週休二日制を二十一世紀初頭までに実現することを求めた。教師の裁量に委ね、点数をつけない「総合学習(総合的な学習の時間)」の創設も、この答申に盛り込まれた。

 当時の中教審メンバーは、有馬朗人・前東大総長(後の文相)を会長に、ノーベル賞受賞者の江崎玲於奈・筑波大学長(後の教育改革国民会議座長)、河合隼雄・国際日本文化研究センター名誉教授(現文化庁長官)、川口順子・サントリー常務取締役(後の外相、現首相補佐官)、永井多恵子・NHK解説委員(現NHK副会長)らが委員に名を連ねている。

 若い時代に落ちこぼれる心配などなかったと思われる人たちばかりだ。「ゆとり教育」は、こうしたエリートたちの頭の中で考え出された理念ともいえる。

 その後、この中教審第一次答申を踏まえ、教育課程審議会での検討を経て作成されたのが、学習量三割減の現行学習指導要領だ。適用は平成十四年度からだが、十年に告示され、総合学習などは先行実施されている。

 実は、総合学習は、日教組がカリキュラムの自主編成運動に取り組んでいた昭和五十一年に提唱した授業形態である。今回の指導要領改訂でその総合学習が導入されたことに伴い、日教組は「総合学習の時間に生かす『これが平和学習だ』」という冊子を発行している。それには、「朝鮮侵略の歴史的事実」「中国侵略の実態」といったテーマが並び、日本がいかに悪いことをしたかという資料や写真ばかり掲載されている。

 現在、総合学習の時間は週二-三時間の割合で設けられている。すべての学校がそうではないにしても、特定のイデオロギー教育に悪用されているケースも少なくないと思われる。

 総合学習には、公的機関やNPO(民間非営利団体)、民間企業などが時間を割いて協力している。しかし、「ただの職場訪問」(国立天文台)、「教師に『学校の外で何かを勉強してきなさい』と言われ、しぶしぶ来ている感じ」(気象庁)、「子供たちはただ時間をつぶしているだけで、かわいそう」(東京都内の町工場)といった声が聞かれる。

 有馬、江崎氏らは大学改革で優れたリーダーシップを発揮したが、小中学校の教育改革では現場の教師を信頼しすぎたようだ。

 昨年九月から文部科学相に就任した中山成彬氏も、鹿児島ラ・サール高校から東大法学部、旧大蔵省へと進んだエリートだ。学校現場を知るため、率先してスクールミーティングを行っている。文科省の局長、審議官らも分担し、今夏までに三百回の学校訪問が予定されている。

 中山文科相は「時には、詰め込み教育も必要だ」と話す。その中山文科相の諮問を受け、ゆとり教育を見直すための中教審の審議が始まった。今月から、中教審委員も分担して、スクールミーティングに参加する予定だ。今度こそ、学校現場の実情を踏まえた答申を期待したい。
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by sakura4987 | 2006-03-21 12:37

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