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◆【現象へ】小学校の英語必修化 母国語の意識開花が大切

大津由紀雄さんに聞く (産経 06/3/23)

 小学校での英語教育を必修とすべきか-。文科相の諮問機関「中央教育審議会」(中教審)でこんな議論が続けられている。文部科学省の調査では、必修化について保護者の過半数は賛成の立場だが、現場の教員では賛否が分かれる。そんな中、真っ向から反対しているのが、慶応大学の大津由紀雄教授だ。母語を覚える重要な時期だけに、弊害のほうが大きいという。

 《小学校での英語教育は平成十四年度から学習指導要領改訂が契機となって本格的に始まり、何らかの英語活動を実施している公立小は全国で93・6%にも達している。必修化については、保護者は賛成が66・8%で反対の6・6%を大きく引き離すが、教員は英語指導への不安からか、反対が34・3%と賛成の29・3%を逆に上回った》

 --英語必修化に反対する要望書を先生は昨年と今年の計二回、文科省に提出されました

 「本当に学ぶべき科目の時間を減らしてまで、小学生から英語を学ぶ必然性はありません。この時期は母語(日本語)の基盤形成に時間を割くことの方が大切です。言葉は自分の思いを載せる道具。もしくは相手の思いを理解する道具です。そこに載せるべき思いがなければ、道具だけあっても役には立ちません。まずは、載せるべき思いを形成させるべきなのです。(英語の必修化で)自分の思いをうまく母語に載せられない子供が増えるのではと、危惧(きぐ)します」

 --数学者の藤原正彦氏も著書『祖国とは国語』で、小学校での英語導入は他教科を圧縮し国民の知的衰退を助長すると警鐘を鳴らしています

 「その通りだと思います。英語を学んだとしても話す内容に言葉の基盤と教養が伴わない状態で、相手とコミュニケーションがとれるのか疑問だし、人格を形成する時期にきちんとした教養を身につけるほうがはるかに重要です。

 それに英語を特別扱いする風潮には疑問を感じます。現在は政治的、軍事的、経済的にも世界言語として機能していますが、将来も今と同じ状態かどうかはわかりません。幼少期から優先して教えることは、英語が世界で優れた言語というイメージを与え、結果的に欧米への劣等感を醸成することにもつながります。

 つまり、優れた言語が使える人は優れた人であり、その言葉を自由に扱えない者は、劣っているんだと思うようになる。日本の街角で、英語で聞かれて答えられなくても本当はなんてことはないのだけれど、ものおじしてしまう-そんなメンタリティを生んでしまう」

 --楽しみながら学ぶほうが身につきやすい、という意見もありますが

 「小学校での英語授業では現在、歌と踊りで英語に親しみ、簡単な決まり文句を話す日常会話を教えていますが、それだけでは会話には発展していきません。言語を話すには文法が必要です。

 たとえば、三歳児に日本語で『象さんがキリンさんにバナナを食べたと言った』という状況を説明した上で、『象さんはキリンさんに何を食べた“か”言いましたか』、そして『象さんはキリンさんに何を食べた“と”言いましたか』と聞くと、前者については『はい』、後者は『バナナ』と答えます。両者の違いを判別できているのです。

 これは文法を理解しているからで、日常無数にさらされる言葉の中から文法を体得しているのです。英語を必修化しても、文法が身体にしみこむまで時間を割くことは現実的に不可能です。それに今、的確な知識と方法論をもって小学生に教えられる教師は少ない。

 小学生の時に母語に対する意識を開花させておいて、中学校から英語学習を始めたほうが効率的なのです。これまでの英語教育が成果を上げているとは言いません。中学以降の英語教育こそ抜本的に見直す必要があります。今の英語教育の問題を解決するために、小学校から必修化すべきという論理は、おかしいといわざるをえないのです」

                  ◇

【プロフィル】大津由紀雄

 おおつ・ゆきお 慶応大学言語文化研究所教授。言語科学会会長。昭和二十三年、東京都生まれ。米マサチューセッツ工科大学(MIT)大学院言語学・哲学研究科博士課程修了。著書に『小学校での英語教育は必要ない!』(編著)など。
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by sakura4987 | 2006-03-26 09:56

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