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◆アフガン暴動 信仰を圧迫する怖さ学べ

【透明な歳月の光】曽野綾子 平成17年5月23日(月) 産経新聞

 アメリカの雑誌『ニューズウィーク』が、アメリカの尋問官がイスラム教の聖典コーランをトイレに流したという記事をのせ、それがきっかけでアフガニスタンで暴動が起き死傷者が出た。これは結局誤報だとして、『ニューズウィーク』が記事を撤回し謝罪したが、宗教に関する恐れを知らない無知な記者がこの社にもいたということだ。

 私は二十三歳で初めて東南アジアの国々に出かけた時から、身にしみて理解した歴史的事件がある。それは一八五七年から五九年にかけて、インドで起きたイギリスの東インド会社の傭兵(ようへい)たちによる反英暴動である。当時のインドには反英的気分は強かったが、この反乱までは、民族が団結して抵抗運動をするまでにはいたらなかった。

 きっかけとなったのは、上層階級(カースト)のヒンドゥ教徒と、上流階級のイスラム教徒からなる傭兵たちが、新しい銃を使うようになった時であった。当時の薬莢(やっきょう)は紙製で、防湿潤滑を目的として脂が塗られており、傭兵たちは弾をこめる時、薬莢の端を歯で食い千切らねばならなかった。

 ところがこの脂にはヒンドゥ教徒が神聖視する牛脂と、イスラム教徒が不浄と見なす豚脂が塗られているという噂(うわさ)が流れた。これがきっかけとなって初めてインド全土の三分の二にまで及ぶ反乱が起きたのである。

 「信仰を圧迫すると怖い」ということを、中国ももう少し歴史から学んだ方がいいだろう。私は神道ではないが、靖国は日本のれっきとした信仰の一つだ。戦争で愛する家族を失った日本の父母も妻子たちも大多数は靖国に行って愛した人たちの魂に会う。

 生き残った男たちが今も痛恨の思いをこめて戦いに散った同級生に会いに行くのも靖国なのだ。靖国に参るのは反戦の思いの深い人たちだけだ。一国の総理としても戦死者を悼みに行くのは当然だ。無思慮な若者たちは中国の望むように靖国になど参らないだろうが。

 昔アジアのある国は、日本人が持ち込む日本食品に関して感情的に狭量だった。それで私は税関で荷物を調べられたとき、その国に在住する日本人へのおみやげの日本食品を前にして、これは私の信じている信仰の祭儀に使うもので、毎日これを神前に捧(ささ)げて祈らねばならないのだ、と真顔で説明したのである。すると税関吏は仕方なく私の荷物を通してくれた。

 この話を、生前の山本七平氏にしたことがある。すると氏は税関吏と私を褒めた。それが穏やかな解決策だというのである。

 誰も信仰という個人の聖域には踏み込めない。踏み込んだら数代にわたって祟(たた)る。あの広大なインドの三分の二を巻き込む騒乱にまで発展する。そろばんをはじいて合うことではない。中国にそろばんの弾き方を教えるのはおかしなことだが…。



※何がすごいといって、信仰の情熱ほどすごいエネルギーが出るものはない。現在の日本では、見える世界、つまり知ることが出来る世界のみが真実だと思っている人も多かろうが、その「知」の世界を超えた、「信」の世界が存在する事をもっと知るべきだ。

この「信じる」事でしか味わうことが出来ない世界の一部を、我々は知っているだけの事で、「信じる」事をしない人は、単に未知の領域を知らないだけである。

明治維新の時も、ある意味ではこの信仰のパワーが時代を変えたとも言えるのだが、現代社会においての革命は、果たしてこの信仰の情熱が出てくるのかどうかにかかっているのかもしれない。

その意味では、「日本再生は、道徳心と宗教心の再建から!」ということが非常に重要になってくるのだが、この事を意識している人はどの程度いるのだろうか。

明治維新前夜、御所が火事になり、それから大きく時代が動いていったようだが、その時点では分からない事件が信仰に火をつけ、大きく世の中を変えるようになるのかもしれないと思うと、やはり、御皇室の言動には大きな関心を払う必要があると思う。

とは言うものの、一番関心を持っているのは「朝日テレビや朝日新聞」のようで、他のテレビ局などはそれほど頻繁には報道しない。心あるマスコミが、もっとこの信仰という部分を取り上げることを、心から期待している。
by sakura4987 | 2006-03-29 15:37

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