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◆河北省「白洋淀」汚染は慢性的 華北の宝石が死の湖に

 (産経 06・4・7)


≪工場から汚水 当局に環境意識なく≫

 豊かな自然に恵まれていることから「華北の玉(宝石)」と呼ばれる河北省中部の湖沼地帯、白洋淀の水質汚染問題が深刻だ。数十トンにのぼる魚の大量死が最近、報道されたが、現地の漁民らは「魚の大量死は毎年起きている」と汚染が慢性的なものであることを訴えた。

 一方、黒く汚臭のする水を前にしても「汚染はない」と実態を認めようとしない観光業者もいた。観光資源として期待されながら水質汚染が改善できない白洋淀の現状を報告する。(河北省白洋淀 福島香織)

 モーターボートが黒い水の上を走ると、生臭い風が顔をなでた。アシの刈り跡の残る浮き島のたもとにはポリ袋など大量のゴミが引っかかっている。小舟に乗った漁民が魚ではなく、犬の水死体を引き揚げていた。

 そんな光景を前にしても貸しボート業の男性(27)は「メディアは騒ぎすぎ。ほら、そんなに汚染はひどくないだろう」と主張する。悪評が立つことを恐れているのか、観光に携わる人々は一様に汚染はひどくないと言う。

 だが、これが深刻な汚染でないなら、どんなレベルの汚染を深刻な汚染というのか。


≪魚大量死は毎年のこと≫

 北京から車で日帰りできる距離の白洋淀は、日中戦争時の共産党水上遊撃隊の激戦地としても知られ、「紅色観光地(共産党推奨観光地)」にもあげられる「リゾート地」。その呼び名も「華北の玉」。現実には、汚水のたまった池にしか見えなかった。

 現地を訪れたのは、三月下旬から中国各紙が報じた養殖魚の大量死問題を確かめるためだった。報道によれば、一時は一面に死んだ魚が浮き、猛烈な腐臭がしたという。四月に入ると、死んだ魚はすでに片付けられていたが、直接的被害にあった漁村、光淀村(人口三千)の漁民らの怒りは収まっていなかった。

 父親の代から漁民だったという住民(27)は「今年だけじゃない。この四、五年、汚染がひどくなり続けている」と怒りをにじませる。「氷が解けるころになると、生臭い灰色の水がどっと流れ込んでくる。魚はほとんど死ぬし、生き残っても誰も買わない」


≪漁業やめて出稼ぎしか≫

 汚染悪化の原因は、慢性的水不足、養殖の過密化による水質の富栄養化のほか、湖に流れ込む四河川の上流に集中する皮革、紡績、製紙工場の違法排水が大きい。違法排水は観光シーズン後の冬に集中する。

 漁民は湖の一部を漁網で囲った養殖池で魚を育てるが、排水が流れてくると、陸の上に作った臨時の池に魚を移し替えるなどして被害を最小限に食い止める努力をする。しかし、冬の違法排水は約二十センチの氷の下にたまり、春の解氷とともに一気に流れ出し養殖池を直撃してしまう。

 この漁民の場合、今年の経済的損失だけで「三万元」(約四十五万円)という。「地元当局は損失の補填(ほてん)を約束するというが、いつ、どの程度の補填が行われるのか分からない。こんな状況が続けば、みんな漁業をやめて出稼ぎをするしかない」と嘆く。


≪観光資源… 危機感のみ≫ 

 こういった状況に白洋淀を観光資源と位置づける保定市および河北省も危機感は持っている。報道によれば、河北省は慢性的水不足と汚染問題を解決するために昨年十二月、アジア開発銀行などからの融資をうけて総額八十億元(約千二百億円)を投じる治水・環境整備計画の推進を宣言した。
 今回の魚の大量死問題をめぐり、保定市は汚染対策のできていない百四十二工場の閉鎖を命じ、違法排水に協力していたとして四人の地元当局職員を処分した。

 しかし、工場と地元当局の癒着や汚職などが環境保護対策の遅れにつながっているとみられており、「重要なのは当局の意識。当局に高度な環境意識がなければ、八十億元投じても、改善されないだろう」(新京報)といった意見も報じられている。

 帰途につくボートの上で、貸しボート業の男性は「これから白洋淀を観光地として発展させていこうとしているときに、漁民は騒ぎすぎだ」と不満をもらした。そして、灰色のアシ原の中に白い大きな鳥がたたずんでいるのを指さして「みろ、国家保護動物の鶴だ。白洋淀の汚染が本当にひどいのなら、鶴がいるわけないだろう」と得意げに語る。

 目の前の黒い水を認めず遠くの鶴を見て喜ぶ姿は、汚染を効果的に防止できないまま観光業の発展を夢みる地元当局の姿に重なった。

                  ◇

【用語解説】中国の水質汚染

 中国では長年の経済成長優先策により環境汚染が深刻化、河川や湖沼、地下水、さらには海洋で水質汚染が拡大している。事故による水質汚染も多発しているもようで、最近でも昨年11月に黒竜江省の松花江でベンゼン類汚染、12月に広東省の北江でカドミウム汚染、今年1月には河南省の黄河支流でディーゼル油汚染が発生した。こうしたなかで中国政府は3月の全国人民代表大会(全人代=国会)で、環境対策を重視する方針を打ち出している。
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by sakura4987 | 2006-04-07 14:12

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