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◆【解説】親子で語る ベラルーシ大統領選 「欧州最後の独裁者」の3選はなぜ?

徹底した反対派弾圧  手厚い年金、農村部で強い支持


 綾  旧ソ連のベラルーシで大統領選が行われ、その選挙結果を欧米が非難しているって聞いたんだけど。

 父  ルカシェンコ大統領が三選を決めた三月十九日のベラルーシ大統領選のことだね。中央選管の発表によるとルカシェンコ氏の得票率は82・6%とダントツで、第一回投票で当選を決めた。欧米が支持していた野党統一候補のミリンケビッチ・グロドノ市元助役は得票率6%にとどまり、コズリン前ベラルーシ国立大学長らは3%台だった。

 ルカシェンコ氏は強権体制を敷いており、国家保安機関の強化や反対派への弾圧、独立系マスコミの一掃などを徹底して行ってきた。「欧州最後の独裁者」と呼ばれ、投獄されたり行方不明になったりした記者や反対派は百人以上ともいわれる。

 選挙戦でマスコミはルカシェンコ大統領の言動ばかりを報じ、野党勢力を無視してきた。政府側は三月に入り、「十九日の大統領選投開票日に向け暴力による政権転覆の試みがなされている。デモ参加はテロ活動とみなし、死刑もあり得る」との声明を出し、一層の野党弾圧に進んだ。コズリン氏が二日、政府系の会議に参加しようとしたところで、待ち構えていた男たちに殴る蹴(け)るの激しい暴行を加えられる事件も起きた。

 選挙後に野党勢力が約七千人の支持者を集めた抗議集会を首都ミンスクで開いたけれど、二十五日に実力排除され、ミリンケビッチ氏は一カ月のデモ休止を表明せざるを得なくなった。欧米や野党勢力が「自由・公正な選挙ではない」と批判するのは当然だろうね。


 綾  ひどい話ね。でも、どうしてそんな大統領が権力の座に座っていられるのかしら。国民は黙っていないの?

 父  ひとつはマスコミを掌握していることで、国民が政権に都合のいい情報だけを受け取るシステムになっていることが挙げられるね。その上でソ連時代さながらの国営企業群を有し、手厚い社会保障制度を温存していることがポイントだ。

 ロシアやウクライナなどがソ連崩壊後の国営企業民営化で貧富の格差が激しく拡大したのに比べ、ベラルーシは貧しいながらも安定した生活を保障する形だ。失業率も1・5%しかない。年金も手厚く、農村部では特にルカシェンコ氏に対する支持が強い。

 また、国営企業がほとんどという雇用システムの下では、反政府運動が極めてやりにくいことも指摘しなければいけない。

 以前パパはモスクワで、ロシア人の初老の男性同士が激しく口論している場に出くわしたことがあるんだけれど、彼らが相手をやり込める脅し文句は「どこでも働けないようにしてやるぞ」だった。

 ソ連時代がそうだったように、国営企業がほとんどという社会では、国の方針に逆らったら仕事をクビになり、どこに行っても雇ってもらえない状況になる。そうなったら家族を含めた生活そのものが成り立たたない。その心理的圧力は絶大だろうね。


 綾  確かにそうね。でも、ルカシェンコ政権に弱点はないのかしら。

 父  旧ソ連の経済を見れば分かるけど、国営企業は非効率で、そこで作られる製品も国際的な競争力はないだろう。そんな国営企業を温存するベラルーシが経済的に成り立っているのは、ひとえにロシアがベラルーシ向けに供給する非常に安価な石油や天然ガスなどのエネルギーのおかげだ。もしこのエネルギー供給を止められたり、その価格を国際水準までに上げられたらベラルーシはお手上げだね。ここがルカシェンコ政権の最大の弱点だ。

 でも、ロシアはそんなことはしないだろう。ベラルーシはロシアにとって、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大に対する「緩衝地帯」として重要だ。近年ロシアが反米傾向を強めるに従い、その重要性をさらに増している。

 欧米がベラルーシ大統領選挙を非難する一方で、ロシアのプーチン大統領が真っ先にルカシェンコ大統領の当選を祝福したのもそのため。このようなロシアの後ろ盾がある以上、ルカシェンコ大統領の強権体制をひっくり返すのは簡単ではないね。


 綾  そうなんだ。でも、ロシアはどうしてそんなに反米傾向を強めるのかしら。

 父  ロシアもずっと反米傾向だったわけではない。米同時テロ事件以降、プーチン政権が対米協調路線を進めた時期もあったね。キューバからロシア軍基地を撤退させ、アフガニスタン攻撃に際し、米軍の中央アジア駐留を認めたりもした。ロシアとしては米国に協力することで、ロシアが自らの影響圏と考える旧ソ連地域などでの政治・経済的利益の保全を認めてもらう腹づもりだったんだろうね。

 でも、例えば米軍のイラク攻撃でロシアは、旧フセイン政権下で持っていた権益を失った。旧ソ連地域のウクライナやグルジアでは米系非政府団体(NGO)の支援を受ける形で“民衆革命”が実現し、相次いで親米政権が発足した。ロシアの反発はものすごく大きい。ブッシュ政権が唱える「自由の拡大」を、ロシアは「米権益の拡大」としか見ていないんだ。だからこそ中国に接近し、反米軸の形成に進んだりもしている。

 今回のベラルーシ大統領選でも、選挙の不正を非難する欧米と、ルカシェンコ大統領を支援するロシアの立場の違いが鮮明になった形だ。
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by sakura4987 | 2006-04-09 12:16

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