◆「中国は日本を併合する」を読んで
平松茂雄(軍事評論家、元杏林大学教授)著(講談社インターナショナル発行)の著作を読み終わっ
た
ところですが、日本の将来に愕然とせずにはおられませんでした。
訪問者の皆様においては、日本のおかれている軍事大国・中国に目を向けられ、この著書の
購読をお奨めする次第です。
「日本併合」の中国のシナリオの要旨は次の通りです。
1.国家目標は、1842年(アヘン戦争)以前の「中華帝国」の再興にある。
2.知らないうちに格段に進んだ軍事力
核の威嚇を受け続けたことから、国家目標として軍事力に目覚め、水爆、弾道ミサイル、
原子力潜水艦を完成させ、更に宇宙ステーションの建設に取りかかっている。
3.東シナ海資源開発に隠された中国の真意
中国には国境という概念はなく、南シナ海では、ベトナム、フィリピン、マレーシアの
管轄する海域を軍事力で西沙諸島、南沙諸島などを侵略し、自国の領土とした。
その進め方は、領有権問題の「棚上げ」「平和解決」「共同開発」を主張しながら、海軍力
による実力行使である。
1968年国連アジア極東委員会によって実施された東アジア地域の海洋調査によって
尖閣列島周辺の大陸棚に「中東に匹敵する」石油資源が埋蔵されているとの調査結果が
翌年公表された。
1995年以降、中国は「日中中間線」の日本側海域の奄美諸島から尖閣諸島まで海洋調査と
称して資源調査と軍事調査を行った。
2004年11月の中国の原潜の先島の領海を潜行したまま通過したのは、この海域の調査を
終わっていたからこそ可能だった。
こにように中国は東シナ海の総ての海域の調査を終えている。
4.中国の「他国侵略」の歴史
1950年代、ウイグル族(トルキスタン)、カザフ族などの 13の民族の地であった中央
アジアは新彊開発と称して漢族を大量に入植させ、当初人口 7% だった漢族が91年
には 40% になり、ウィグルでの最多民族は漢族になってしまった。
チベットへも、1950年、「チベットの平和解放」と称して侵略と占領を行った。
1989年3月、中国史上初めての戒巌令が敷かれた。その当時のチベット自治区の最高責任者が、
実は今の胡錦濤国家主席なのです。
チベットでは、120万人以上の命を失い、6,000あった僧院、寺、聖地の99%が略奪されたうえ、
破壊された。
インドは、中国の武器供与の国、チベット、イラン、パキスタン、スリランカ、バングラデシュ、
ミャンマーに包囲されている。
5.日本は海からの侵略に耐えられるか
2001年12月以降、我が国の排他的経済水域(=EEZ。自国の沿岸から 200海里(約370km)。
日本の国土・領海・EEZ面積は世界6位の約489万km2)の海洋調査を行い、2002年12月、
中国海軍測量部隊は周辺海域の測量調査を完了したことを明らかにした。
海洋調査の目的は、台湾統一の軍事行動に備えて、我が国および台湾に近い太平洋地域に
潜水艦を展開し、機雷を敷設するための海洋調査である。
米国の空母が台湾近海に接近することの阻止を狙っている。
中国海軍の西太平洋への進出は、第一列島線(千島列島からフィリピンまで)の「中国の海」
を守るという意味を持って実施されているのである。
2004年には、我が国の最南端の島・沖ノ鳥島の周辺でも海洋調査を強行している。
台湾は日本の南西諸島およびフィリピン諸島とともに、中国の沿海海域を事実上半封鎖
の状態においており、中国の太平洋への出口を塞いでいる。
もし、中国が台湾を統一できれば、中国は太平洋に面した国となり、台湾海峡、バーシー
海峡、という日本のシーレーンの重要な拠点を押さえることになる。
我が国は、石油の 90%を中近東から輸入し、そのタンカーはマラッカ海峡、南シナ海、
バーシー海峡を通過して、日本の港湾へ到達する。
従って、中国の台湾統一は、シーレーンという生命線の要であり、決して他人事ではない。
6.2010年、日本の運命が決まる
我が国は、1979年から2004年までに、ODAを含め総計6兆円を超える援助を中国へ供与
してきたが、この時期は中国の宇宙と深海への拡大「戦略的辺疆」を拡大していく時期と
符合する。
強大な軍事国家へと成長する中国の国家戦略を後押ししてきたのである。
相手の軍事力の強化を助長し、自国の安全を危機に曝すという愚行を犯してきた。
米国においては、共産主義には原則としてODAを与えないという大前提があるのに
比べると日本のODAは非常に脇の甘い根本の問題をはらんでいたことが分かるだろう。
1995年、李鵬首相はオーストラリアの首相との会談で「日本などという国は、このまま
いけば、20年後(2015年)には消えてなくなる」と非常に刺激的な発言をした。
米韓を分断して、北朝鮮と韓国を融和させ、米国を排除し、中国が主体となる「東アジア
共同体」を形成することは、我が国が中国に呑み込まれるに等しい。
2008年、北京オリンピックが開催されるが、この年は台湾にとって「独立」のリミットで
あり、台湾が「日本の生命線」である我が国にとっても、国家の存続に関わる重要な年と
なる。
2010年代に入ると台湾海峡の軍事バランスは、中国側に有利に傾くと見られている。
それは、海軍、空軍が充実し、更に宇宙軍が運用を開始するという計画があるからである。
我が国は、台湾の独立を支援しつつ、米国海軍と協力して、台湾周辺の広大な海域を防衛
することがより重要な国家戦略の意味を持つ。
残された究極の選択肢は、①日本が危険を感じて中国に屈服する。 ②米国と強固な同盟を
誇示することによって中国に手を引かせる。 のどちらかである。
この事態は、日中共同声明(1972年9月)の田中角栄首相以来の歴代政権が我が国を中国へ
売った結果であり、政界、財界、官僚は、この事を真摯に受け止めなければならない。
繁栄している日本に残されている時間は、日々刻々「中国独裁政権の牙に曝されようとして
いる」。
従って、小泉政権の次期首相には、「国防」、「国家財政の再建」、「教育」に熱意を持つ
政治家に政権を担当して頂くよう国民は声を大にして叫ばねばならない。
間違っても、中国の対日政策責任者が「七人の侍」と呼んで頼りにしている現役の自民党
議員7人の、①河野洋平 ②福田康夫 ③野田毅 ④二階俊博 ⑤加藤紘一 ⑥山崎拓
⑦高村正彦 を絶対に選んではならない。
更に、官僚、財界、マスコミの動静には、目を見張り、我が国の国益に適った意見を今こそ
、主張すべき時期となったことを国民一人一人が自覚すべき重要な時期であることを自覚
すべきである。