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◆【論説】悲観的な台湾の現状 (台湾の声より転載)

  アンディ チャン

『台湾の声』  http://www.emaga.com/info/3407.html

 台湾から戻ってきて、大いに困惑、失望している。国が潰れそうなのに人民には危機感がない、八方塞がりで解決の道がみつからない。官と民、野党と与党、みんなが拝金主義になり、憂国の情はない。

 経済の悪化、南北の離反、不正を糺すべき司法警察が堂堂と不法行為をしている。人民はやる気がない。

 統一とは台湾が滅亡すること、台湾人は中国人の奴隷となることだ。だから統一論者は敵である。それなのに台湾人は統一派を抑える事が出来ず統一論者がのさばっている。いつまでも統独論争を続けるのは国民党と民進党の馴れ合い、欺瞞である。

 東京新聞の佐々木理臣記者が問うたように、85%の台湾人民が15%の中国人に統治される原因は何処にあるのか。答えは複雑である。民進党は悪いが人民も悪い。責任は中国人と台湾人の両側にある。


■国民党の暗黒支配

 民進党が政権を取って6年になるが、今回の旅行で感じた事は国民党の支配が更に顕在化したことだ。民進党政府の無能と選挙に勝った外省人の驕りが明らかである。

 昔の国民党統治下では人民は中国人の横暴に対抗できなかった。民進党政権になっても多数派の立法院が予算を恣意的にカットして行政が機能しない。

 これを打破するには選挙で泛緑が多数派になることだが、国民党が隅々まで選民を把握して、村里長は人民の一人一人を完全に把握できる体制を作り上げ、デマ宣伝、買票などで勝てるようになっている。

 85%の台湾人が金権で中国人の横暴を許しているのだから、台湾人が責任の大半を負うべきである。

 二年前の立方委員選挙で、民進党は愚かにも金権選挙が出来なければ国民党は敗北すると思っていた。しかし買収で検挙されたのは泛緑派だけで泛藍派の違法は見逃されて選挙に負けた。

 その後の選挙では国民党メディアが民衆の失望を煽り、多くの人民は投票しなかった。国民党の選挙操作は選民を自在に操れるほど完璧なのだ。

 今年は台北と高雄の市長選挙がある。去年の台北県の選挙では台北市から大量の泛藍選民が戸籍を台北県に変更して選挙に勝った。今年の市長選では台北県と高雄県から大量の泛藍選民が戸籍を変更して投票するといわれている。

 もともと投票権は居住日数が必要条件で、一定の居住日数がなければ投票権はないのが普通だが、台湾ではこの規定がない。投票一ヶ月前に戸籍を変更しても投票権もあるし、立候補もできる。これだから今年の市長選挙は泛緑の候補者が負けると言われている。


■メディアの破壊工作と虚実スキャンダル

 メディアは毎日のように総統府の収賄事件や民進党員の汚職スキャンダルを報道している。デッチ上げもあるが事実もあり、事実が発覚すると民進党はすぐに汚職党員を追放するが人民の失望を抑える事はできない。

 民進党は国民党の腐敗に対抗して勝利した政党だった。ところが執政党になると短期間の間に人民の期待を裏切って、僅か六年で官僚腐敗が顕在化したのである。

 賄賂と利権、つまり黒金のことだが、民進党は違法醵金や収賄などで民衆が失望した。清廉であるべき民進党が国民党と同じく腐敗すれば革新できない。

 司法院の副院長、城仲模は女性をモーテルに連れ込んだところを香港系の蘋果日報に暴露されて辞任に追い込まれた。筆者の親しい記者が蘋果日報の内部から聞きだした情報によると、この新聞社は五組の写真班を手配して彼らの行方を追っていたそうである。

 つまり囮の女性、モーテルの部屋まで手配して、二人がモーテルを出ると直ちに部屋に侵入して写真を撮り、ゴミ箱の内容まで持ち去ったというのである。美人局(つつもたせ)にあった副院長は言い訳も出来ないまま辞職してしまった。

 国民党メディアは民進党の腐敗を過大宣伝して国民党の腐敗を報道しない。メディアの跋扈を許したのは政府である。中国資本の介入を許したのが陳水扁だった。今では総統府が連日のスキャンダルで対応に大童である。


■都市集中と南北の乖離

 台湾北部では泛藍が優勢で、南部は本土派優勢である。北部では中国語が普遍的で、南部では台湾語が普遍的である。北部では泛緑よりも泛藍が優勢で南部では泛緑が優勢、しかし南部の民衆は民進党に失望している。反中国感情は公開しないが、民進党と陳水扁に対する批判は遠慮がない。

 台北市は経済的に繁栄していて生活も豊かになった。ところが地方都市や南部市町村では寂れが目立つ。

 高雄、台南と廻っても市内には高層建築が立ち並んでいて都市化が進んでいるのがわかる。しかし台北の繁栄に比べると高雄や台南では空洞化しているように見える。

 ある旅行業者は政府が中国人の観光旅行を許可すべきだと述べたが、中国人の観光はスパイや違法入国者の防止が先決である。


■経済の悪化

 南部で聞けるのは経済の悪化である。彼らは政府が経済に力を入れて政党闘争を止めろというが、優勢になった国民党が政府の揺さぶりをやめないのが事実のようだ。

 南北で貧富の差が増大しているのが顕著である。台北のレストランでは大学生がグループで800元の料理を食べて陽気に騒いでいる。大学卒の平均月給が三万元、つまり日給1000元の台湾で、大学生が平気でサラリーマン一日分の給料に近い消費を楽しんでいるのだ。

 貧富の差が増大しているとしか思えない。南部の学生はこれまで通り夜市などで安い料理を楽しんで、台北のような裕福な学生はあまり見られない。高雄の高級レストランでは政治家や商売人の客が多く、若者は少なかった。


■正義なき司法と警察

 台湾の司法と警察は相変わらず国民党にコントロールされている。この事実はメディアの悪辣な政府攻撃と歪曲と相俟って民衆の不満を買っている。

 各テレビ局は毎日二十四時間、半時間ごとに同じ事件を繰り返し報道する。新聞は報道に必ず大小の歪曲や政府攻撃の言葉を付け加える。そして泛藍派の発言ばかり取り上げて泛緑派の発言は取り上げない。

 李登輝前総統がある日の選挙運動で宋楚瑜のことを「マージャンをやっているから参加しなかった」と言った、それを宋楚瑜が告訴して勝訴となり、李登輝に一千万元の罰金が課せられた。

 李登輝はすぐに上訴したが、裁判官は無罪判決を渋って和解を勧告している。

 泛藍派の立法院が新任の検察総長を否決した。この時に李子春と言う地方検察官は検察総長の反対デモで演説をした。上司に反抗する行動をとっても検察署は過失警告を与えただけで李子春を免職処分にしなかった。泛藍政治家が李子春の処罰に反対したのである。


■民進党の矛盾

 民進党の過失はクリーンであるべき政党が黒金政治を排除出来ないばかりか、党員も黒金政治に参加したことで民衆は大いに失望した。民進党員の腐敗は党内部でも批判の声が高い。

 民進党内部では派閥争いが絶えない。内部批判は改革の指針だが批判すれば党内闘争で排除される。殊に陳水扁批判はタブーであり、陳水扁批判は許されない。

 民進党の矛盾は政党を立て直す意思がなく、民進党が大政党として生き残ることを最大課題としている。つまり誰かが離脱すれば国民党が最大政党となるので離党も許されない。国よりも政党を重視するから改革も批判もできない。

 政党が国家を重視せず、政党政治を優先すれば国はダメになる。民衆はこんな政治家を必要としない。泛藍の中国人は無条件で国民党を支持するが、台湾人は民進党を支持できない。しかも多くの人民は金で節操を売ることを恥と思っていないのだ。

 高雄である若手の民進党議員と会談したが、何人かが民進党批判をした。するとこの若手議員は答えて曰く、「民進党の改革は若手議員が老幹部を引退させるまで待たなければならない」と言ったのである。

 果たしてそうだろうか?民進党が大政党になったのは今の老幹部たちが国民党腐敗を暴き、民衆に希望を与えたからである。それが今では自分たちが腐敗して、若手が老幹部の脱落を待っているという。それなら若手もやがて腐敗するかもしれない。


■拝金主義

 筆者の見た台湾で、最も大きな失望は一般大衆の無思慮、無責任さにあった。日本人の統治時代には賄賂は少なかったが、中国人の統治になるとたちまち賄賂が蔓延った。官僚も人民も挙って不正をやる、賄賂をやらないと商売が成り立たないという。

 私の友人は政府相手の小さな商売人だが、政府の仕事を取るためには賄賂を払う、払わなければ商売敵が勝つという。彼は恥じる事もなく官僚が全員腐っているから商売人は賄賂を使うと言う。

 皆が悪に染まっているのに一人だけ清廉潔白を気取っても仕方がないそうだ。二千年前の屈原と同じ嘆きの声は聞こえなかった。

 中国は工賃が安いから中国に投資する、中国の僚に賄賂を払う、台湾の官僚にも払う、金を儲けるにはこうする以外は方法がないと言う。友人に言わせれば国民党が買収するなら誰でも平気で国民党に投票すると言う。

 悪いのは社会であって彼の責任ではない、金のためなら何でもやると言うのである。国民党が票買いをするなら売ってもよいと言う人間が居る限り台湾は救われない。

 李登輝が指摘したように、人口の85%を占める台湾人のうち半数が金で買われるとしたら、台湾人アイデンティティを固持する人間は45%しかいない事になる。武力を使わなくても台湾人は金で中国に買収されるだろう。

 わが友人は「中共が台湾を併呑しても今の国民党支配と変りはない、併呑される責任は政府にあって我々にはない」と嘯いたのである。

 こういう台湾人は中国人より悪い。少数派の15%中国人が腐敗した国民党に死忠を尽くす事実を、恥知らずの台湾人はどのように考えているのか聞いてみたい。
by sakura4987 | 2006-04-30 10:19

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