◆後継めぐり「お家騒動」も 北朝鮮
東アジア某国の情報機関は昨年初めから、平壌-北京間で頻繁に行われる男女の国際電話の傍受に成功した。
電話の主は、平成十三年五月に成田空港で拘束され、北京に滞在中の金正日氏の長男、金正男氏。もう一方は金正日氏の妹で、一時失脚していた朝鮮労働党第一副部長、張成沢氏の妻、金敬姫氏だった。
金正男氏は「自分を日本に拘束させたのは北朝鮮公安当局が無能だからだ」とののしり、金敬姫氏は夫を失脚させた金正日氏とその側近の非情さをとがめることもしばしば。二人とも酔っぱらい、一時間以上電話で語り合うこともあったという。
二人は協力関係を結んだとみられ、張成沢氏は今年初めに復権が確認された。これにより金正男氏、二男の金正哲氏、三男の金正雲氏の後継争いは激烈に。
党や軍の幹部も後継者次第で将来が決まるため、三派に分かれ、工作活動を展開し始めた。このため金正日氏は最近、周囲に「七十歳まで後継指名しない」と語り、誕生日の談話では「八十歳、九十歳になっても仕事を続ける」と“宣言”した。