◆ブログが貴重な情報源―米CIA
新組織が専門的に収集
【ワシントン2日早川俊行】ブログ(日記風の簡易ホームページ)が米政府の貴重な情報源――。新たな情報発信手段としてブログが急速に拡大していることを受け、米中央情報局(CIA)がブログ情報を収集・分析する能力を強化している。
新聞やテレビ、ラジオ、インターネットなど、一般に公開された情報源を元にした情報収集活動は、オープンソース・インテリジェンスと呼ばれるが、米政府は昨年十一月、これを専門的に行う「オープンソース・センター」(OSC)をCIA本部に設置した。
CIAではこれまで、「外国放送情報サービス」(FBIS)という部局がオープンソース・インテリジェンスを担当してきたが、OSCの設置はこれをさらに強化する狙いがある。
OSCが新たな情報源として重視しているのがブログだ。OSCのダグラス・ネーキン所長はワシントン・タイムズ紙の取材に対し、「われわれは質の高い情報をブログから得ている。他には存在しない情報もある」と、ブログ情報を重宝していることを認めている。
同紙によると、OSCの発足以降、ブッシュ大統領や政府の政策立案者に報告される機密情報の量が大幅に増えたという。
ただ、ネット上には偽情報が含まれている恐れがあることから、OSCでは内容の信頼性を判断するシステムの開発も進めている。