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◆インテリジェンスについて語ろう(7)

(産経 06・4・29)

元内閣情報調査室長 大森義夫さん


≪日本人の閉塞感 打破したい≫

 --戦後六十年あまり、日本は「情報」について事実上、アメリカに頼り切っていました。独自の情報をもたない国家は、独自の外交も、独自の政策も進められません。知性によって、日本人を閉塞(へいそく)状況から解き放ちたいとしていますね。

 大森 十分な背景を知らされないまま、アメリカの行動に追随しているような「対米追随感」、中国にいいように翻弄(ほんろう)されているのではないかという「対中無力感」が広がっています。

 「わが国はいったい何を根拠に、どんな目算で対外政策を決めているのか」という不信感ですね。最近になって国民の閉塞感や焦燥感はむしろ強まっているように思います。


 --情報を収集し、政策に生かすまでの過程を「インテリジェンス・サイクル」といいますが、日本にはそれがなかった。

 大森 まず、「国家が政策を決めるために、こういった情報が必要だ」という情報ニーズがなければいけません。それに従って情報を集め、分析、検討し、政策に生かす。反応を見てまた次の情報を集める、といったサイクルです。

 日本の場合、スタートがなっていないから、サイクルが動き出しません。そして、何か起きたときに、ものすごくあわてるわけです。


 --情報、諜報(ちょうほう)というと、やれ「戦前の特高警察の復活だ。スパイ活動をやるのではないか」などとアレルギー的な拒否反応を示す勢力も阻害要因になるのではないですか。

 大森 それはあると思います。それに、日本はこれまで、幸か不幸か、国際社会で決定的な修羅場に直面するようなことがなかった。「インテリジェンスは大事だ」といいながら、問題を先送りにしているうちに、六十年が過ぎてしまいました。ただ、時代は大きく変わってきていますよ。何より、「インテリジェンス」という言葉が通じるようになりました(苦笑)。


 --確かに、情報に対する認識やニーズは高まっているようです。外務省が在外公館に情報専門の担当官を置く制度も動き出しましたね。

 大森 例えば、「中国の政治」をずっと見続けるスタッフをつくる制度ですね。実はこれまでにも、外務省のノン・キャリアの人の中には“情報のプロ”がいたのです。

 それなのに、他の分野の仕事をさせられたりして、なかなか情報に集中できなかった。だから、「とてもいい制度ができた」と喜ばれているようです。今後、インテリジェンスを専門に行う機関ができた場合、彼らと「協働」するケースも出てくるでしょう。

 これまでの日本にはインテリジェンスがなかったこと、今こそ必要になっていることは随分理解されてきたと思うのです。「あと一歩」。それを踏み出すだけですよ。


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◆インテリジェンスについて語ろう(8)

(産経 06・4・30)

元内閣情報調査室長 大森義夫さん


≪対外情報庁作り防諜活動を≫

 --昨年、外務省の懇談会の座長として、インテリジェンス機関「対外情報庁」の創設などを盛り込んだ答申をまとめました。どんな組織を想定していますか。

 大森 戦後初めて、対外情報を担当するインテリジェンス機関を創設しようという提案です。スタート時の陣容は百人程度。在外公館に配置するなどして、人的に情報を集める「ヒューミント」の活動を行う。捜査権など強制権は持ちません。

 組織は外務省の中に置きながら、独立性を持った対等の関係が望ましいと思います。現行の制度で言えば、法務省と検察庁のような形ですね。内閣情報調査室など、現在ある情報機関はそこへ統合します。


 --首相直属の機関ではなく、外務省傘下にする理由は何でしょう。

 大森 対外情報はまず「外交」という大枠の中で生かすべきだと思うからです。同じ議院内閣制で日本が参考にすべきイギリスのMI6もそうした形をとっています。アメリカのCIAは巨大に過ぎます。


 --対外情報に限るというのは?

 大森 国内政治に利用されないようにするためです。それに、こうした活動を行うにあたっては、国民的権利を非常に敏感に考える必要があります。人権的な配慮を最大限にしないと、変な批判を浴びかねません。


 --まずは、日本が他国から受ける工作を防ぐ「カウンター・インテリジェンス」(防諜(ぼうちょう))から活動を始めるべきだとしていますね。

 大森 それしかないでしょう。CIAのような積極的な工作を行うノウハウも陣容もありませんから。日本ではインテリジェンスと犯罪捜査を行う警察の仕事が混同されがちですが、本来はまったく違うもの。

 政治家や財界人を籠絡(ろうらく)するようなトラップ(工作)を感知し、防ぐのはインテリジェンスの仕事です。


 --インテリジェンスにおいて日本は戦後六十年の空白があります。人材の育成などはどうしますか。

 大森 「六十年の空白」は大きいが、例えば、旧軍関係者にお願いする。外国の情報機関に委託する方法もあるでしょう。私は日本人を信じていますし、日本の官僚は優秀だから、枠さえつくれば、すぐに動き出すと思うのです。


 --外国の情報機関ではエリートがこぞって志願する。それは、愛国心ゆえの行動だと聞きます。

 大森 日本じゃ東大の学生は(情報機関に)行かない。お母さん方が行かせないでしょう。幕末の奇兵隊、雑兵でいいのです。あとは政治の決断ですよ。

 私の父は創設時から自衛隊に参加しましたが、今の「精強」自衛隊も“おもちゃの兵隊”からスタートしたのです。
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by sakura4987 | 2006-05-07 08:43

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