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◆メディア不祥事 求められる高い職業倫理

2004.08.07


平成16年8月7日[土]産経新聞

 NHKに続いて今度は、朝日新聞東京本社記者の不祥事が発覚した。記者は、取材のやりとりを相手の拒否にもかかわらずこっそり録音し、その記録を別の取材先に横流ししていた。同社では、横流しした社会部記者を退社処分、編集担当専務取締役ら五人を減俸・減給処分にした。当然の措置である。新聞、放送などの取材記者は、取材先と信頼関係を保ち、「取材源の秘匿」を守ることが、取材上の大原則だ。

 朝日新聞の社内調査では、私立医大の補助金流用問題を取材していた社会部と生活部の二記者は取材相手に「録音をしない」と約束しながら、社会部記者は取材のやりとりを無断録音し、この関係者に批判的な別の取材先にミニディスクに複製して渡していた。

 社会部記者の行為は、取材の大原則から著しく逸脱したものだ。社会部記者は四十六歳のベテラン記者だけに、なぜこの基本原則を無視したのか理解できない。

 「取材源の秘匿」が守られなければ、報道機関への信頼は大きく損なわれ、内部告発などに重大な影響を与える。朝日新聞だけでなく、報道機関全体に及ぼす深刻な問題である。

 また、NHKでは金銭にまつわる不祥事が続発している。「紅白歌合戦」など芸能番組担当のチーフ・プロデューサーらが約四千八百万円を着服、編成局プロデューサーらのカラ出張、岡山放送局の元放送部長による虚偽の飲食代金請求などだ。

 さらに、報道局のソウル支局長が前回在任中、韓国の番組制作会社に水増し請求させて取材経費などに充てていた。総額では、数千万円にものぼるとされるが、NHKは「私的流用はなかった」と、この支局長を今年六月からソウル支局長に再赴任させる不可解な人事まで行っている。

 NHKは視聴者からの受信料という“公金”で運営されている点で、民放と根本的に違う。それなのに、このズサンな経理処理、一般常識とかけ離れた金銭感覚、隠蔽(いんぺい)体質はどうしたことか。公共放送として良質の番組を視聴者に提供するという原点に立ち返らなければならない。

 朝日新聞、NHKの不祥事を公共性の強い職業といえる報道に携わるものとして、他山の石としたい。
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by sakura4987 | 2006-05-13 10:41

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