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◆チェチェン問題 「領土」との関連に注視を

平成16年9月3日(金)産経新聞

 ロシア南部、チェチェン共和国の西隣にある北オセチア共和国でまたもチェチェン武装勢力によるとみられる学校占拠事件が世界の注視を浴びる渦中で、小泉純一郎首相が北方領土を視察した。何の因果もないように見える「チェチェン」と「領土」だが、両者には実は密接な関係がある。クレムリンにとってチェチェンの独立運動は裏返せば「領土問題」であるからだ。

 十三年前のソ連崩壊に伴い、ロシア内部でもチェチェンが独立宣言を行った。しかし、チェチェンは石油パイプラインが通る戦略的要衝だ。ロシアが独立を認めれば、石油利権と北方四島の三倍強の領土を失うはめになる。そうなれば、北方領土や元来はフィンランド領だった北部・カレリア地方などの返還運動を勢いづかせる危険性をクレムリンは十二分に知っている。

 歴史的にもチェチェンは十八世紀に帝政ロシアに征服、併合され、独裁者スターリンは民族ごと中央アジアに強制移住させた。北方領土もスターリンに不法占拠され、島民は強制排除された。そんな共通点がある。プーチン政権が強硬な独立運動弾圧を続け、ロシアに四世紀にわたる恨みを抱くチェチェンの武装勢力が連続テロで応酬するのはこんな事情からだ。

 クレムリンにとって“順風”は約五年前からチェチェン武装勢力に米中枢同時テロを起こした国際テロ組織アルカーイダが浸透し始めた事実だ。これで「対国際テロ協力」「テロリスト掃討」の名目下に「独立運動弾圧」の実態を目隠しできる口実ができた。今回の北オセチア事件でもブッシュ米大統領は早速、プーチン大統領との電話会談で「全面支援」を約束した。

 日本のジレンマはここにある。「チェチェン独立」支持は「領土」を一段と遠のかせる。テロは容認できず、国際協調に加わってはいるが、弾圧に目をつぶり続ければチェチェン現状固定化に手を貸す。日本外交が試みるべき現実的選択は、日本には「領土返還」を、チェチェンには大幅な自治権付与を決断することでスターリンの負の遺産を清算し、国際世論を味方につけるよう執拗(しつよう)に訴えることだ。その上なら経済協力本格化ばかりでなく、治安機関提携などの形で本格的な対テロ共闘も可能になると説得すべきだ。
by sakura4987 | 2006-05-14 11:41

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