◆国王大権はく奪宣言へ ネパール下院
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/20060518/20060518_030.shtml
民政復帰により復活したネパール下院は18日、民主化運動を率いた主要7政党が提出したギャネンドラ国王の大権をはく奪する政治宣言案の審議を開始した。
同宣言案は、国王の権力の象徴だった軍最高司令官など最高権力者としての地位を失わせるとしている。採択される公算が大きく、議会が国王を政治的に弱い象徴的な存在に追い込む歴史的な動きとなる。
政治宣言案は、下院が最高権力機関で全権を有すると明言。国王の軍最高司令官職を廃止し、枢密院を解散、国王が独占していた議会招集や王位継承に関係する立法権限を下院に付与するとした。
しかし、法的効力を持つためには、国王の軍の最高指揮権などを認めた1990年憲法の改正が不可欠。下院の動きには法律家から疑問も呈されており、今後、反発した国王側が「違憲行為」として法的手段に出る可能性も否定できない。