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◆乗ってはならぬ中国の共同開発提案 (産経 04/6/30)



【正論】杏林大学教授・平松茂雄 

狙い明白な東シナ海の資源独占


 ≪責任擦り合う通産と外務≫

 去る五月下旬から中国が、東シナ海の「日中中間線」の日本側海域にごく近い大陸棚で、石油ガス田の開発に着手したとのニュースは、わが国政府にようやく東シナ海の石油開発に関心を向けさせたようである。

 「ようやく」と書いた意味は、筆者は八〇年代初頭から中国が東シナ海の真ん中で石油資源の開発を行っており、九〇年代に入ると、いくつかの地点で具体化し始めていることに注意を喚起し、本欄でも機会あるたびに紹介してきたにもかかわらず、日本政府は何の有効な措置を講じてこなかったからである。

 五月二十八日の自民党「海洋権益に関するワーキングチーム」の会合で、ある議員から「十年前から中国が調査しているのに、日本政府はなぜやらなかったのか」と外務、防衛、資源エネルギーなどの各省庁の担当官に厳しい叱責(しつせき)があった。

 これに対して各省庁の説明は、「(外務省が)中間線を画定させないと試掘できない」(資源エネルギー庁)、「中国側に抗議しようにも根拠となる(資源エネルギー庁の)資料がない」(外務省)と責任の擦り合いであったという。

 こうした責任の擦り合いは実は三十年以上前からあった。

 六〇年代末に東シナ海の大陸棚に石油資源が埋蔵されているとの国連ECAFE(アジア極東経済委員会、ESCAP=アジア太平洋経済社会委員会の前身)の報告が公表されたとき、わが国の企業四社が日本側海域に鉱区を設定して先願権を獲得し、資源探査を通産省(当時)に申請したが、同省は微妙な政治問題があるとの理由で外務省にゲタを預けると、外務省中国課はこれは通産省の管轄事項であると送り返す。結局たらい回しにされて、うやむやになってしまう。以来こうした状態が続いてきたのである。


 ≪中間線に採掘井集中の訳≫

 中国の開発は春暁、天外天のガス油田に採掘井の土台が据え付けられたのに続いて、天外天の採掘井に接近して、最近六〇メートル×三〇メートルのプラットホームの土台が据え付けられた。

 これは春暁と天外天の採掘井、さらにこれから設置される残雪と断橋の二カ所のガス油田の採掘井などを含めて、春暁ガス油田群で採掘された原油とガスの水処理、原油とガスの分離などを行い、さらにそれらを海底パイプラインで大陸沿岸地区(多分浙江省寧波とみられる)に輸送する作業などを行う施設であり、居住施設やヘリポートも設けられる。

 こうした施設が数年のうちに、日中中間線の日本側海域の間近に林立することになる。

 これらの施設が日本側の大陸棚に近い海域に設置されているところから、同じ地質構造に属している日本側の鉱区の原油・ガスがストローのように吸い上げられる恐れがある。

 鉱区が複数の企業あるいは国家に跨がっている場合には、構造の大きさと埋蔵量に基づいて比例案分することになっている。

 そこで先日、中国の青島で開催された「アジア協力対話」外相会議の際行われた李肇星外交部長(外相)との会談で、川口外務大臣が中国側の鉱区に関するデータの早期提出を求めたのに対して、李外交部長は共同開発を提案した。

 それがどのようなものであるか明確でないが、中間線の日本側海域での共同開発である可能性が高い。

 もしそうであるならば、日本としては自国の主権的権利を有する大陸棚での中国との共同開発を受け入れることはできない。だがもし日本側がこれを拒否したならば、中間線を認めない中国は日本側海域での独自の開発を進めることになろう。

 中国側はこれまでにわが国政府の停止要求を無視して、大陸棚の調査を実施し、さらにわが国が提案した事前に通報して日本政府の許可を得る制度により、堂々と日本側の海域で調査活動を行い、大陸棚の資源に関して日本よりはるかに多くの情報を得ている。そうなると日本が権利をもっている大陸棚はすべて中国のものになってしまう。


 ≪経済摩擦で済まぬ覚悟も≫

 日本は中間線の立場に立って開発を進めるのが正しい。現実に経済産業省は、わが国も日本側海域で資源探査を実施することを明らかにしている。だがその場合、中国は自国の海域であるとして、調査の停止を求めてくるであろうし、実力で調査を妨害することもありうる。

 その場合、海上保安庁の巡視船では十分でなく、海上自衛隊の艦艇が出動することもありうる。日本政府にはそれだけの決断がなければならない。日本政府は東シナ海で進行している中国との摩擦を単なる石油ガス開発の問題と見てはならない。
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by sakura4987 | 2006-05-22 07:27

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