★★★ 日本再生ネットワーク 厳選ニュース ★★★

sakura4987.exblog.jp
ブログトップ

◆無き祖国の面影と国の守り (世界日報 06/5/21)



チベット描く中国と現実/防衛を米国に頼みすぎるな

桐蔭横浜大学法学部教授 ペマ・ギャルポ


≪納得いかない映画「ココシリ」≫

 最近私が気になった二つの問題を紹介したい。第一は「ココシリ」という中国のプロデューサーによる映画である。試写会に招かれ、懐かしいチベットのカモシカや風景を見て少年時代を思い出しながら、思わず涙ぐんでしまうシーンもあった。

 私は小さい時に東チベットから中央チベットへ、そしてインドへ亡命した。しかし中央チベットに行くにあたって正規のルートはいわゆる人民解放軍が待ちうけている可能性があったため、チャンタン地方(北の無人の高原地帯)を何カ月もかけて砂嵐、吹雪の襲来にも抵抗しながら、空腹を抱えテモ(クマの一種)やツック(野生シカの一種)などを狩り、飢えを凌ぎつつ逃亡生活をした思いが脳裏に浮かんだ。

 映画のストーリーはチベットカモシカの密猟を防ごうとする地元チベット人のボランティア警備隊の命がけの働きを描くものであった。

 監督の熱意とその状況を世に知らせたいという意思は肯定的に見たが、しかし彼自身が置かれている状況からいって最後に中国政府がチベットカモシカを救うため、環境保全の法制化をなし、絶滅寸前のチベットカモシカが救われるというシナリオには納得いかないものがあった。

 何故ならば、そもそもチベット人およびその周辺の人々の生活そのものを大きく脅かしているのは誰か、ということについて触れることができないからである。


≪実際は北京政府が毛皮を占有≫

 皮肉なことにも今年一月ダライ・ラマ法王はこの密猟を止め、そして貴重な動物の毛皮の売買を慎むようにチベット人に対し呼びかけられた。

 その後、チベット全土において人々が自発的に売買のための毛皮を集め、更に焼却処分をして北京政府を振動させた。

 当局は今度は逆に毛皮は国家のものであり、それを勝手に焼却した者は法によって裁くという処置を取り、実際アムド地方などでは逮捕者も出たと聞く。

 また、映画の始めにココシリとは「中国の最高峰」というようなナレーションがあり、これも嘘でも百回言えば本当になるというナチス以来の独裁政権の手法の一例にしか思えない。

 もちろん監督や製作者にそのような意図があると断言はできないし、むしろチベット文化そのものに対しては彼らなりに精一杯の理解をしようとする姿勢のようなものが感じられる。

 例えばチベット人の性質にしても、純朴で短純な性格や北東チベット人の荒っぽい気質などという地方独特なものなど細かく表現している。

 また姿こそ見えないもののスピーカーから流れてくるチベッタンマスティフの野太い吠え声と、僧侶の読経はまさに私には癒やしの効果があった。

 それに純粋な気持ちでこの映画を一生懸命プロモートしている日本の若いスタッフの熱意と、仕事に対する純真な姿勢には素直に感動できる。

 一方、かつて西洋植民地の時代、命がけで宣教師として世界中に散らばり、植民地政策に無意識のうちに加担した人たちに似ているような気もし、私は非常に複雑な気持ちで会場を後にした。

 しかし私の感情はともかく、チベットの自然を知るには良い機会だと思うので皆様も一度劇場に足を運んで頂ければ嬉しい。


≪依存のツケが高い日本の防衛≫

 二つ目は日本語では「ただほど高いものは無い」という表現があるが、これを実感させたのは米軍移転に関する日本政府の六千億円あまりの負担金があっさりと認められたことである。

 祖国を失った身分として、私は自国を守ることの大切さは身にしみている。

 従って日米防衛協力を真っ向から否定するものではないが、日本はあまりにも自国の自衛をアメリカに依存しすぎているのではないかという気がする。

 日本人は今日の日本の経済発展はアメリカに守ってもらっているお蔭であるとよく言われるが、アメリカが自国の国益を犠牲にまでして、果たして日本を守り通すかということに関しては私は疑問を抱いている。

 また日本が、アメリカの軍備などについて思いやり予算も含めて今日まで使ってきた費用は膨大であり、それをそのまま自国の防衛に使っていれば、相当な防衛力が確保できたのではないかと思う。

 日本がいつまでも守られる国であり続けることは日本の真の独立を遠ざけるものであり、一晩にこの日米関係を清算できないにしても真剣に考えることは必要だと思う。

 もちろん、まず第一歩は軍事的に離別できなくとも、政治的に「対等平等」の原則でアメリカとの関係を再構築する時期に来ているのではないかと考えさせられる出来事であった。
[PR]
by sakura4987 | 2006-05-25 17:20

毎日の様々なニュースの中から「これは!」というものを保存していきます。


by sakura4987