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◆検証 日本の排他的経済水域  2004.05.16 東京新聞



中国の“侵食”10年

 日本政府の度重なる抗議にもかかわらず、中国の海洋調査船による日本の排他的経済水域(EEZ)での活動はやむ気配を見せていない。十五日も石垣島東南東で調査船が確認された。最初に調査船が日本近海に現れたのは一九九〇年代半ばだ。多くの日本人が関心をもたないうちに、着々と既成事実を積み上げてきた中国海洋進出の十年を検証した。 (浅井正智)

■増殖狙う実効支配圏

 「中国の海洋調査活動は中日両国間で(領有権の)争いがある海域で行われており、日本のEEZには属していない。この海域での活動は完全に合法的だ」

 中国外務省の劉建超報道副局長は、十三日の定例会見でこう言い切った。三月七日に南大東島の東方海域で調査船が発見された後、日本政府の強い抗議もあって調査活動は二カ月間確認されていなかったが、今月七日以降、尖閣諸島の魚釣島周辺海域で調査船を数回にわたって発見。中国外務省の発言は、抗議を受けようとも調査を継続していく姿勢を鮮明にしたものだ。

■海底油田が判明進出に乗り出す

 もともと大陸国で、四九年の共産党政権成立後、国内整備に手いっぱいだった中国が海洋進出に乗り出したのは、六九年、東シナ海に海底油田があると分かったのがきっかけだった。

 七〇年代にパラセル(中国名・西沙)諸島、八〇年代にスプラトリー(同・南沙)諸島を実質的な支配下に収めてきた中国は、九〇年代に入ると東シナ海に目を向け始めた。

 拓殖大学の茅原郁生教授(中国軍事)は海洋進出の狙いとして、(1)海底資源の探査(2)国防上の必要性(3)シーレーン(海上交通路)の確保-を挙げる。

■沿海部を狙った艦船の攻撃警戒

 特に「国防上の必要性」については同教授は、「湾岸戦争でペルシャ湾に展開する米軍艦船から発射されたトマホーク巡航ミサイルがイラク国内の標的に正確に命中するのを目の当たりにした中国は、もし米軍に自国の沿海部を狙われたらお手上げになることを悟った。そこで米軍戦力を射程外に追い出すことが課題となった」と指摘する。湾岸戦争が中国の海洋進出に拍車をかけたというわけだ。

 九二年には「領海法」を制定し、尖閣諸島の領有権を明記。九〇年代半ばからは東シナ海で調査船の活動が本格化した。

 国連海洋法条約は他国のEEZや大陸棚で科学的調査を行う場合、六カ月前までに相手国に計画書を提出する義務を課しているが、東シナ海は日中の境界が未確定のため、同意なしの調査が横行した。このため二〇〇一年、日中二国間の申し合わせで、調査活動をする際は二カ月前までに事前通報する制度を導入した。しかしこれ以後も違反が絶えず、しかも活動範囲も太平洋に拡大してきている。

 「太平洋に進出しようとすると、その入り口に位置する日本は邪魔な存在になる。中国にしてみれば、考えられるすべての手段を使って太平洋での日本の影響圏を小さくし、自らの影響圏を広げようとする。調査船の活動はこうした戦略のもとに行われている」と防衛大学校の村井友秀教授(国際紛争論)は話す。

■対米、太平洋に照準

 東シナ海での調査が海底資源の探査を主目的としていたのに対し、太平洋での調査の重点は軍事目的とみられている。〇一年七月にヤンビン級情報収集艦「海冰723号」が短冊形に反復航行し調査活動した海域は海底が複雑な地形で、船は緯度、経度線上を六十キロごと停止して観測機器を海中に投下するなどして調査を行った。また、図の斜線部分の調査海域では碁盤の目のように細かく観測ポイントを設定していた。これらは海流や水温、水深など潜水艦作戦のデータを収集していた可能性が高い。

 中国側はあくまで「海洋の科学的調査」を名目としているが「海底の様子を科学的に調査したデータは潜水艦航行にも活用できる。海洋データに両用性があることは軍事の世界では常識」と杏林大学の平松茂雄教授(中国軍事)は言う。調査船が属する国家海洋局は国務院(内閣)直属の機関で、海軍とは密接な協力関係がある。

■違法行為に対し平時は海保頼み

 潜水艦を展開させる目的は何か。「将来、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)搭載可能な原子力潜水艦を太平洋に展開させ、米軍が中国による台湾の武力統一を阻止するため介入しようとすれば、米国東海岸を攻撃すると威嚇し、介入を思いとどまらせることにある」と平松教授はみる。昨年十一月には、日本近海で中国軍の攻撃型潜水艦が初めて確認された。このときは七〇年代の旧式潜水艦ではあったが、太平洋への潜水艦展開が現実のものとなりつつあることを見せつけた。

 村井教授によると、EEZでの海洋調査をめぐる二国間のトラブルは世界各地であるといい、違法行為に対しては国内法に基づいて相手国の船員を拘束したり、調査海域の付近で急遽(きゅうきょ)、軍事演習を行って調査を妨害するなどの対抗措置を取っているという。しかし日本では「平時における海上の治安維持はあくまでも海上保安庁の任務であり、自衛隊は法律上、船の追跡と海保への通報しかできない」(防衛庁)。

 EEZが“侵食”されていく現状に、平松教授は強い警告を発する。

 「中国に実効支配された西沙や南沙では、初めに海洋調査船が現れ、その後に軍艦が出現した。日本近海でも同じパターンが見られる。平時だといって厳しく取り締まらなければ、活動はますますエスカレートしていく」
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by sakura4987 | 2006-05-26 14:11

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