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◆中国、年内にもミャンマー経由のパイプライン建設着工へ (世界日報 06/5/28)


≪インド洋の洋上覇権にも影響、南下政策の一貫≫

 中国は長年の懸案であった同国雲南省とインド洋をミャンマー経由で結ぶ石油パイプライン工事を年内にも始める。

 高度経済成長を担保するためエネルギーや資源を確保するため資源外交をダイナミックに推進している中国にとって、海賊やテロが懸念されるマラッカ海峡リスクを回避し、国を挙げて取り組んでいる内陸部開発のエネルギー源としたい意向だ。

 ただ事は経済問題だけでなく、中国の南下政策推進はインド洋の洋上覇権のありようにも影響を与えることから注意が必要だ。

 ミャンマーのシットウェ港からマンダレーを経由するパイプラインの中国側の入り口となるのは雲南省西端の瑞麗だ。三年ほどでこのパイプラインは完成し、とりあえずは瑞麗から雲南省の省都昆明までパイプラインは敷かれる予定だ。

 さらに中国としては、昆明から再延長し、最終的には内陸部の中核都市である四川省の重慶にまで延長したい意向だ。初期投資総額は約十億㌦と見積もられている。

 奇しくもミャンマーは、抗日戦争時の蒋介石(国民党政府)が一九三七年、首都を南京から重慶に移転した時、連合軍が国民党政府を支援するための援蒋ルートして利用された経緯がある。

 こうした国民党政府の首都があった重慶や援蒋ルートとして雲南省が拠点となったことなどから、中国内陸部は台湾との関係が強く、その因縁から台湾企業が多く四川省や雲南省などに進出して、ハイテクを中国に植え付けるパワーにもなっている。内陸に投資した外資には台湾企業も大いに貢献したのだ。

 ただ中国内陸部にこうしたエネルギーを大量消費する受け皿があるかどうかだが、意外にもこれらの地域は産業の集積がなされている。

 中ソ関係が悪化した一九六〇年台、中国は核戦争サバイバル手段として、上海や東北部に集積していた軍需産業を内陸に大移転させた歴史があったためだ。

 六四年の毛沢東による「三線建設」がそうだ。「三線」というのは、沿海部を第一線とし、四川省や雲南省など内陸部が第三線、その間が第二線という設定だ。

 こうして日本が高度経済成長を遂げていた六〇年代後半、中国は核戦争という仮想の脅威に追われる形で、内陸部への軍需産業の大移動を実施していった。

 結局、重慶は通常兵器に軍艦、世界最大の石刻座仏で有名な四川省の楽山は核兵器産業、綿陽はレーダーや弾道ミサイル、西昌はロケット打ち上げ基地、貴州省は軍需航空機産業などを立ち上げることになったのだ。

 いわば、核戦争という亡霊は、遅れた内陸の大農村地域を近代工業都市へと豹変(ひょうへん)させる魔術を現出させた。

 そして現在、中国は国家の総力を挙げ、内陸部開発に取り組んでいる。

 先行した沿海部だけでなく出遅れた内陸部の経済発展を促すことで国全体の底上げを図りたい中国は現在、三つの七割傾斜政策を進め、政府開発資金の七割、建設国債の七割、国際援助の七割を内陸部へ回している。

 その効果は二〇一〇年以後、出てくるものと考えられている。

 中国経済をリードしたのは一九八〇年代が広東省、九〇年代は上海だとすれば、二〇一〇年以後は内陸部と期待されているのもあながち誇張ではない。

 「一〇年以降には沿海部は安定成長に転じ、中国経済が成長を維持できるかどうかは、内陸部の発展に懸かっている」(朱建栄・東洋学園大学教授)という。

 そのためにもエネルギー資源の確保は、必要不可欠の事柄だった。

 中国とすれば海賊やテロが懸念されるマラッカ海峡リスクを回避して、中東やアフリカから運ばれる原油の運送を確実にするだけでなく、内陸部開発の中心となる四川省や雲南省などが利用する原油の値段をマラッカ海峡や南シナ海を通過せずインド洋からの“近道”を確保することで、安い原油の確保にも成功することになる。

 ただ注目しておく必要があるのが、インド洋の安全保障問題だ。中国が国際的孤立を深めつつあるミャンマー軍事政権の後ろ盾となり、経済援助や武器援助を惜しまないのはインド洋の安全保障をにらんだ同国の地政学的重要性を熟知しているためだ。

 インド洋のアンダマン、コタバル諸島にはインド海軍基地が設置され、これに対峙(たいじ)する形でミャンマー領ココ諸島には中国海軍のレーダー基地が建設されている。

 今回のミャンマー経由のパイプライン建設を中国の南下政策の一環と考えると、インド洋の洋上覇権をめぐる力関係に微妙な変化が生まれてくる可能性がある。
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by sakura4987 | 2006-05-28 12:29

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