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◆【一筆多論】中静敬一郎 海洋権益守れぬ法の欠陥 (産経 06/5/29)



 日本が自らの海洋権益を守る上で重大な法制上の欠陥を抱えていることをご存じだろうか。

 海洋権益とは自国の排他的経済水域(EEZ)での漁業や鉱物資源を優先的に利用できる主権的権利を指す。それが侵害されても日本は取り締まる規定をもっていない。この結果、みすみす権益を失いつつあるのが現実の姿だ。

 平成十六年七月、海上保安庁の巡視船は竹島の西北西約四二キロの日本のEEZ内で、韓国海洋調査船によるワイヤを曳航(えいこう)しての調査を発見した。

 自国のEEZ内での海洋の科学的調査に対し、国連海洋法条約は事前申請などを義務付けている。巡視船は「事前申請のない調査は認められない」と中止要求を行った。

 外務省は外交ルートで韓国の調査活動は海洋法条約違反と申し入れた。だが、韓国側は自国EEZであり、事前申請の必要はないと一蹴(いっしゅう)して調査を続行した。

 外務省は韓国の調査を把握する都度、抗議したという。

 しかし、韓国は日本の抗議にもかかわらず、過去四年間、日本のEEZを含む竹島周辺海域での海洋調査を四回実施した。一方で日本は過去三十年間、この海域の調査を一度も行っていない。

 日本がなんらかの対抗措置を取る意思を示していたら、「韓国の海」にするような既成事実を作ることにはならなかっただろう。

 だが、外務省は四年連続の海洋調査の事実すら海保に伝えなかった。海保が知ったのは四月十七日谷内正太郎外務事務次官が記者会見で明らかにしたからという。

 なぜ、こうした事態になったのか。国連海洋法条約が発効した平成八年七月の前にさかのぼる。このとき、政府内では発効に合わせ、自国のEEZを法制面でいかに守るかという論議を行った。

 海保は「日本の主権的権利を侵害する違法行為をどう取り締まるのか」と提起した。国内法で取り締まる権限がなければ、主権的権利は画餅(がべい)に帰すと判断したからだ。

 だが、外務省は周辺国を刺激すべきでないと取り締まり規定に難色を示し、押し切った。

 「EEZ及び大陸棚に関する法律」の「海洋の調査」には「わが国の法令を適用する」が盛り込まれたが、この問題に関するわが国の法令は存在していない。違法な調査への取り締まりを国は放棄したといえる。

 一方、韓国の海洋科学調査法は「(外国が)許可なしに海洋調査を行う嫌疑がある時、関係機関の長は停船、検索、拿捕(だほ)、その他必要な命令や措置を行える」としている。

 中国の領海法も、違反した外国船を「排除する権利」行使をうたっている。

 ほとんどの国は自らの主権的権利をいかに守るかに腐心している。

 ところが日本は自らの権益を国を挙げて守ろうとしていないだけでなく、守るための有効な手だてがないのである。取り締まり規定を持たない海保は中止や退去要請を繰り返すしかない。

 力で押せば、無力な日本は譲るとわかったからこそ、韓国は先月、竹島周辺海域での日本の海洋調査を実力で阻止しようとしたのだろう。

 実は日本の欠陥はこれにとどまらない。EEZどころか領海内ですら無害でない活動を禁止、処罰する法はない。

 領海内の無害でない活動に対して、必要な措置をとることを認める国際法ですら、日本国内では適用されない。主権を守ろうとしない国柄になってしまったのである。

 憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義」に自国の安全と生存を委ねたことで、自立心が失われてしまったのだろうか。
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by sakura4987 | 2006-05-29 08:09

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