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◆【風を読む】論説委員長 千野境子 (産経 06/5/29)



 過日、陳水扁総統インタビューのため七年ぶりに訪れた台湾は、思いのほかに静かなたたずまいを見せていた。活気がないというのとは違う。成熟社会へと向かう落ち着き。そう、台湾は台湾になったのだと、私は深く納得した。

 その台湾で昨年まで三年間、財団法人交流協会台北事務所所長つまりは台湾大使だった内田勝久氏が著した『大丈夫か、日台関係』(産経新聞出版)を読み、この貴重な隣人の重みと現実の日台関係との落差に粛然とさせられた。

 一度は頓挫した李登輝前総統の訪日や天皇誕生日祝賀会の三十二年ぶりの再開などが、どれほどの障害に遭遇し困難を強いられたか。元外交官が外交の舞台裏を驚くほど率直に語っている。

 森喜朗元首相の訪台に接遇の指示を仰ぐと、本省から「出迎え、見送り含め一切控えよ」。困り果てた内田氏がホテルにお詫(わ)びの書状とお花を届けると、事情を知らなかった森元首相は驚き、自ら電話し呼び出す。内田氏は訓令に違反し、最後の見送りまでお世話するといった具合だ。

 シンガポール駐在が同じ時で内田大使を多少とも知る私は、台湾への熱い思いあふれる大使のもう一つの顔を見る思いがしたのだが、その答えも本書にある。

 《世界中で台湾のような親日国はどこにも存在しない。…長い外務省生活を通しても、台湾人ほど日本に対して熱い思いを寄せている国民に私は出会ったことがない》と書いている。

 帰国して大分経(た)つのだが、私も台湾熱に罹(かか)ってしまっている。

 大陸から何百基ものミサイルを突き付けられながら、民主的な成熟社会を目指す彼(か)の地の人々に日本は冷淡すぎはしないか。現実は「大丈夫です、日台関係」と到底言えないのである。
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by sakura4987 | 2006-05-29 08:09

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