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◆上海協力機構 開かれた組織を目指せ (朝日 06/6/18)


http://www.asahi.com/paper/editorial20060618.html

 ユーラシア大陸の中央に連なる国々で作る上海協力機構(SCO)が創設されてから5年がたった。

 上海で開かれた首脳会議には、中国の胡錦涛国家主席、ロシアのプーチン大統領をはじめ、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタンの大統領らが顔をそろえた。

 もともとはソ連邦の崩壊で独立国となった中央アジアの国々と中ロが、国境周辺でのトラブルを防ぎ、過激派の出入りを封じるために集まったものだった。それが01年に、6カ国の地域協力機構に格上げされた。

 米欧の豊かさに惹(ひ)かれ、ロシア依存からの脱却をめざす中央アジア。そうした国々を引きつけようと接近する中国。待ったをかけるロシア。そんな綱引きがかつての構図だった。

 それが、ここ数年ですっかり様変わりした。加盟国それぞれに濃淡はあるものの、6カ国の間の求心力が強まり、米国に対する警戒感で一致する。

 今回の首脳会議後の共同宣言には、「政治・社会体制や価値観の違いが他国の内政に干渉する口実とされるべきではない」「社会発展のモデルは『輸出』できない」といった表現が盛り込まれた。

 人権の保護や民主主義の徹底を求める米国に向かって、「押しつけはご免だ」という強いメッセージを発した形だ。

 中央アジア諸国の政治体制は、どこも強権的な体質が色濃い。しかし、同じ旧ソ連のウクライナやグルジアでは相次いで旧体制が覆されている。昨年にはキルギスの長期政権が崩壊するなど、その波は中央アジアにも及んできた。

 その背後に米欧の「干渉」を感じ取った各国が、今度は中ロを頼って身を固くしている構図に見える。

 中ロはこの機を逃さず、地域の結びつきの強化に乗り出す。その一方でモンゴルに続き、インド、パキスタンとともに反米のイランをオブザーバーとしてSCOに迎えた。協力の輪を広げ、深めるほど発言力や影響力が増すと見ているのは間違いない。

 この地域は石油や天然ガスの資源にも恵まれている。地域協力が発展と安定をもたらすなら結構なことだが、地政学的な思惑があまり突出すると、国際関係を緊張させることになりかねない。

 風通しが良く、域外にも開かれた結びつきにするよう、加盟国の努力を求めたい。欧米や他のアジア諸国との対話を進めることが、よりダイナミックな地域発展への道だ。

 日本も中央アジアとの交流をさらに深めたい。先日はカザフスタンなど4カ国やアフガニスタンとの外相会合を東京で開いた。独自の枠組みで協力するのもいいが、SCOとの関係も重視する必要がある。オブザーバーとして加わる選択肢も考えるべきではないか。

 広大なユーラシアを開かれた地域にしておくために、日本ができることは少なくない。
by sakura4987 | 2006-06-19 11:57

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