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◆金正日は核を手放すつもりはない (2/2)


核拡散を防ぐために日米同盟の強化を

重村智計 (早稲田大学教授)


 ●≪「核」がなければ誰も相手にしない≫

 北朝鮮は、危機に直面しながらも体制崩壊を避けてきた。その最大の要因は、韓国と中国の支援、それに「核」である。最近では、韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の支援が大きい。反乱を摘発する秘密警察と、軍の巨大な監視機構も機能している。

 六カ国協議は、〇五年九月一九日に共同声明を発表した。北朝鮮は「すべての核兵器と核計画の放棄を約束」したが、核放棄の時期と期限には合意しなかった。米国は、九四年の「枠組み合意」と同じ失敗を繰り返したといってよい。

 北朝鮮首脳はこれまでも「非核化は最終目標だ」と述べており、「核の放棄約束」だけでは前進とはいえない。「年内に放棄」などの期限が明示され、秘密の核施設などが廃棄対象として特定されなければ、核問題は解決しないのだ。

 共同声明発表直後、ワシントンでは、クリントン政権の失敗をブッシュ政権も繰り返した、との批判が起きた。「軽水炉提供の議題を話し合う」と合意したからだ。

 なぜ、アメリカは失敗したのか。クリストファー・ヒル首席代表が、北朝鮮との交渉に習熟していなかった、というしかない。北朝鮮は、交渉がほぼ合意に達すると、新しい要求を突きつける。

 「最悪の場合は決裂してもいい」との覚悟がなければ、北朝鮮との交渉はできない。「決裂だ」といえば、北朝鮮は譲歩せざるをえなくなる。

 彼らは一〇月一〇日の労働党創建六〇周年記念日までに、大きな成果を必要としていた。北朝鮮のほうこそ決裂できない、という事情を米国は理解していなかったのだ。

 北朝鮮の国家予算はわずか二六〇〇億円、国内総生産(GDP)は韓国銀行の好意的な推計でも二兆円しかない。実際は一兆円以下だろう。

 年間の原油輸入量は、わずか五〇万トン。この「小国」が日米中の大国を相手に、対等以上の交渉ができるのは、核開発をしているからだ。「核」がなければ、誰も相手にしない「貧乏国」である。北朝鮮は、この「核」の効用を十分に理解している。

 だから北朝鮮は、最後の最後まで「核開発を放棄できない」のである。米朝正常化前には、核は放棄しない意向も明らかにした。結局、米国は核拡散を阻止できないという危機に直面するかもしれない。


 ●≪時間かせぎをして体制崩壊を避ける作戦≫

 金正日総書記は二〇〇〇年に「人民が困難にあるのを知りながら、ミサイル開発をした」と、韓国のマスコミ社長団に強調したことがある。この発言には「核開発は、最後まで放棄しない」との強い意向が込められていた。

 北朝鮮のこの判断は、「戦術」としては必ずしも間違ってはいない。東欧諸国は核がないから崩壊したというのが、北朝鮮の教訓だからである。

 パキスタンやインドは核保有を認められ、イランは濃縮ウランの開発を推進している。結局は核を持ったほうが生き残れる、と北朝鮮は現状認識しているのだ。

 そのためには「時間かせぎ」と「あるともないとも確認しない政策」が、最も有効だ。北朝鮮の外務省高官は、「核保有」や「核抑止力」の存在を表明しつつも、なお核実験をせず「核保有の政府宣言」は行っていない。

 しかしこれは、「戦略」としては間違った選択である。このままでは、北朝鮮は間違いなく崩壊する。市場経済を導入できず、民主主義や人権尊重の価値を採用できない国家が、二一世紀に生き残れないのは自明の理である。

 北朝鮮は、いつまで時間かせぎができるのか。問題が国連に持ち込まれて制裁を実施、あるいは米国の軍事攻撃直前までには、なお時間があると考えられる。

 旧ソ連や東欧諸国が崩壊したにもかかわらず、北朝鮮は崩壊を免れた。それは、冷戦崩壊や米朝核交渉でも決定的な譲歩をせず、決断を先送りしたからだと彼らは判断している。

 時間をかせげば体制の崩壊を避けることができ、国際環境がやがて北朝鮮に有利に変わることを期待する作戦だ。


 ●≪二一世紀を核拡散の時代にしないために≫

 北朝鮮は「核」と「崩壊」を人質に、中韓両国から支援を得る戦略を展開している。中国と韓国が、北朝鮮の崩壊と核保有を恐れているからだ。六カ国協議で、北朝鮮の核開発を阻止できなければ、二一世紀は核拡散の時代になる。

 それを阻止するには、日米同盟の強化が不可欠だが、それには国民の支持がいる。日本国民に日米同盟が機能している事実を納得させる一番いい方法は、米国に「拉致問題が解決しないかぎり国交正常化しない」と宣言させることだ。

 また、日米中の「戦略対話」が求められる。朝鮮半島の非核化と「金正日以後」をにらんだ北東アジアの安定と平和について、「戦略対話」を始めるべきだ。

 どうしたら、北朝鮮に核開発を放棄させることができるのか。また、もし北朝鮮に異変が生じた場合、各国はどのように対応し、負担を分担するのか。「戦略協力」体制づくりを準備すべき時期に来ているのである。
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by sakura4987 | 2006-06-25 12:47

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