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◆中台「見えない戦争」 (世界日報 06/6/29)


台湾政治の憂慮すべき状況 ― 編集委員 黒木 正博

中国への警戒感が減少

 イラクから自衛隊がいよいよ撤収を始める。一方、北東アジアでは北朝鮮の弾道ミサイル「テポドン2号」の発射実験をめぐって周辺国の緊張が高まっている。つまり、中東と韓半島という日本の安全保障、存立を左右する戦略的地域で新たな動きが進行しているということだ。

 だが、もう一つ、日本の安全に欠かせない地域がある。台湾海峡だ。この台湾海峡をめぐる中国と台湾の動きは日本にとって死活的な意味を持ってくるといえる。

 中東と韓半島の有事と直接リンクする重要な位置を占めているにもかかわらず、日本の安全保障上の関心は不当に低いと言わざるを得ない。

 その点で「文藝春秋」七月号の富坂聰氏「中台『見えない戦争』を阻止せよ」は、その蒙をひらき、今進行している台湾海峡の実態と日本への影響を興味深くリポートしている。

 日本人が一般に台湾に抱く印象は、中国や韓国と違って親日的なイメージだ。確かに歴史問題や靖国問題などで反日暴動が起きるという状況にはない。

 だが、富坂氏は、そうした蜜月関係を疑わない日台関係の弱点は海にあると指摘する。

 今年、台湾政府から日本の海上保安庁関係者に送られたカレンダーは、その絵柄がすべてフルーツの拡大写真だった。富坂氏によれば、象徴的だが、この「海とフルーツ」が今後の日台関係を解く処方箋だという。なぜか。

 台湾の反日活動の拠点は漁協だとされる。台湾漁船による日本のEEZ(排他的経済水域)内への侵入事件は頻度を増し、激しく、かつ執拗になっている。

 この背景には日台の弱点を突いた中国の海洋戦略があるのだが、中国の労働力なくして成り立たない台湾漁業の現実でもある。

 ひどいケースでは船長以外は全員中国人という漁船もあり、これでは尖閣諸島を含む日本への示威行動が高まるのは避けられない。昨年六月には台湾の漁船約六十隻が日本近海に集結し日本の取り締まりに抗議し緊張が高まった。

 問題は政治の対応である。政府や政党が対日関係を重視し適切に対応していれば深刻な問題には発展しない。だが、先の漁船集結でも台湾海軍のフリゲート艦が「視察」に出動するといった騒ぎがあった。

 日本の防衛庁には事前に「挑発の意図はない」との説明があったが、一歩間違えば対日示威行動となりかねないパフォーマンスだ。

 台湾の政党は元来親日的だが、昨年末来日した野党、国民党議員団が中川昭一農水相と会談した際、議員の一人が日本の外交について「中国や韓国への配慮がほしい」とやんわりと批判。

 これに対して中川氏は「中国が共産主義国家であることを忘れたのか」と色をなして反論したという。

 これまで台湾は中国の軍事的脅威に対応して米国からの兵器購入に積極的だったが、現在は親中的な野党、国民党の反対で購入予算が半減した上、それすらも予算案が成立しない異常事態を生んでいる。

 米国も台湾政界の迷走に警戒を強め、最新鋭兵器を売却しても数年後には中国のものになるとの懸念さえ出ているという。

 「もはや中国は脅威ではない」と強調することで国防さえ政争の具にしかねない政治状況というわけだ。

 さて、もう一つの「フルーツ」の持つ意味は何か。実は果物の輸出を悲願とする南部農民は与党、民進党の最大票田でもある。

 その台湾産果物も東南アジア産にはまだ競争力はない。かえって与党はホッとしているのだ。これが中国でも進出していくようになれば与党の基盤が大きく変容しかねないからだ。そうならないために日本にもっと台湾産フルーツを買ってほしいとの謎かけでもある。

 伝統的な台湾の対米、対日間の距離関係が微妙に変動している中、台湾自体が政治的にしろ、軍事的にしろ中国に取り込まれていく可能性が憂慮される。

 中東からの資源、オイルをつなぐ生命線、海上交通路(シーレーン)となっている台湾海峡。その帰趨は日本にとって死活的な問題だ。
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by sakura4987 | 2006-06-29 09:01

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