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◆【詳説・戦後】第1回 教育基本法(2-1) (産経 06/7/5)


 「すべての教育法令の根本」(文部科学省)であり、「教育の憲法」とされる教育基本法。連合国軍総司令部(GHQ)占領下の昭和22年に施行されたが、新たな研究成果によって「マッカーサー憲法と同じように米国製だ」(西鋭夫・日大大学院教授)との見方が近年、強まっている。

 さきの通常国会で継続審議となった政府の改正案をめぐる論議を含め、「詳説・戦後」第1回は、教育基本法を検証する。

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≪生い立ち…GHQ深く関与≫

 ■「伝統を尊重」削除

 教育基本法の制定に連合国軍総司令部(GHQ)が深く関与していたことが、近年の研究で明るみに出つつある。

 「(教育基本法をつくった)教育刷新委員会も、民間情報教育局(CIE)の指導のもとで、お墨つきをもらいながら原案を書いていったという経過があることが次第に明らかになってきている。占領軍の影響下にあったことは、もう否めない事実だ」

 5月30日の衆院教育基本法特別委員会。参考人として出席した中央教育審議会の鳥居泰彦会長はこう述べた。

 特別委では、自民党だけでなく、民主党からも「屈辱的な歴史的背景」(大畠章宏氏)、「憲法と同じく一方的に押し付けられたもの」(牧義夫氏)といった指摘が相次いだ。

 高橋史朗明星大教授がCIEのトレイナー教育課長補佐に行ったインタビューなどによると、CIEは日本側がつくった基本法原案を大幅に修正・削除していた。

 大きな修正点は、(1)前文案にあった「伝統を尊重し」を削除(2)「宗教的情操の涵養」を削除(3)「女子教育」の条項を男女共学の積極的規定に修正-など。

 GHQは昭和21年2月発令の「教科書検閲の基準」の中で、「愛国心につながる用語」を禁止しており、最初から「愛国心」を基本法に書き込める状況ではなかった。

 教育刷新委員会は、CIE、文部省との3者でつくる連絡委員会「ステアリング・コミッティー(かじ取り委員会)」を通さなければ何も決められなかった。

 「かじ取り委員会」の詳しい議事録は見つかっていなかったが、日本会議専任研究員の江崎道朗氏はこのほど、野間教育研究所(東京都文京区)に「教刷委連絡委員会記録(ステアリング・コミッティー)全1冊」という記録文書が残されているのを“発掘”した。

 資料には、日本側が教育基本法案を国会に提出する準備をしていると報告したところ、CIEのトレイナー教育課長補佐が「教育基本法は今、われわれも一緒に検討中でいまだ確定していないと思うが」と疑義をはさむ場面が出てくる(22年1月23日付)。

 また、日本側から基本法案の国会上程の報告を受けたオア教育課長が、「文部省のお骨折りに感謝する」と述べたことが記されている(同年3月13日付)。

 このほか同文書には、オア教育課長が「大学法案に対する刷新委員会の意見は目下CIEで検討中である」と言い放つ場面もある(23年12月2日付)。教育刷新委の基本方針をCIEが決めていたことがうかがえる。

 自民党の下村博文元文科政務官は5月、文科省に教育基本法制定へのGHQの関与について質問状を出したが、回答は「よく分からない」だけだったという。

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【用語解説】GHQ民間情報教育局(CIE)

 連合国軍最高司令官の下に置かれ、新聞、ラジオ、映画などメディアを検閲した情報部、教育改革を担った教育部、宗教部などに分かれる。

 日本人に戦争への贖罪(しょくざい)意識を植え付けるための宣伝計画「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」はCIEが主体となって実施した。

 文部省が昭和56年にまとめた「学制百年史」には「CIEの助言・指導なくして教育関係法案はもちろん、実施の方法も決定できなかった」とある。

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【用語解説】教育刷新委員会

 首相直轄で昭和21年8月に設置された教育改革に関する審議機関。南原繁・元東大総長らが委員長を務めた。教育基本法をはじめ義務教育「6・3制」など戦後教育の基本となった諸施策を検討した。

 委員の多くは、同年3月にGHQの要請で来日した米国教育使節団を受け入れるため設置された「日本教育家の委員会」から選ばれ、CIEの強い影響下にあった。

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≪教育勅語…昭和23年6月失効≫

 ■GHQ 自主的廃止を口頭命令

 明治23年10月、明治天皇が日本人にとって大切な心がけ、必要な徳目として国民に示した教育勅語は、昭和23年6月に失効した。

 つまり、教育基本法施行から約1年3カ月間は教育基本法と教育勅語は「補完並存関係にあった」(明星大の高橋史朗教授)。

 教育基本法が徳育や家族の重要性にほとんど触れていないことから、「教育勅語があったために一種のバランスがとれていたと当時の人は考えた」(ジャーナリストの櫻井よしこ氏)との見方もある。

 しかし、GHQは、教育勅語が軍国主義の復活に結びつくことを懸念。衆参両院の文教委員長に、自主的に教育勅語を廃止するよう「口頭命令」したとされる。

 これを受け、衆参両院は、「新憲法の精神普及の妨げになる」などとして教育勅語失効に関する決議を採択した。

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【教育勅語】

 朕惟(オモ)フニ 我ガ皇祖皇宗 國ヲ肇(ハジ)ムルコト宏遠ニ 徳ヲ樹(タ)ツルコト深厚ナリ 我ガ臣民 克(ヨ)ク忠ニ 克ク孝ニ 億兆心ヲ一ニシテ 世世厥(ソ)ノ美ヲ濟(ナ)セルニハ 此レ我ガ國體(コクタイ)ノ精華ニシテ 教育ノ淵源 亦(マタ)實(ジツ)ニ此ニ存ス 

 爾(ナンジ)臣民 父母ニ孝ニ 兄弟ニ友ニ 夫婦相和シ 朋友相信ジ 恭儉(キヨウケン)己レヲ持シ 博愛衆ニ及ボシ 學ヲ修メ 業ヲ習ヒ 以テ智能ヲ啓發シ 徳噐ヲ成就シ 進ンデ公益ヲ廣メ 世務ヲ開キ 常ニ國憲ヲ重ジ 國法ニ遵ヒ 一旦緩急アレバ 義勇公ニ奉ジ 以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スべシ 是ノ如キハ 獨リ朕ガ忠良ノ臣民タルノミナラズ 又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン 

 斯ノ道ハ 實ニ我ガ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ 子孫臣民ノ倶(トモ)ニ遵守スべキ所 之ヲ古今ニ通ジテ謬(アヤマ)ラズ 之ヲ中外ニ施シテ悖(モト)ラズ 朕 爾臣民ト倶ニ 拳拳服膺シテ咸(ミナ)其ノ徳ヲ一ニセンコトヲ庶(コイ)幾(ネガ)フ

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≪どうなる…改正案不成立≫

 ■首相 関心なく…臨時国会でも?

 教育基本法改正は、自民党の文教関係議員の“悲願”だ。改正案は、自民、公明両党間の3年近く70回に及ぶ協議の末に生まれた。

 改正案審議のためさきの国会で設置された特別委員会委員には、森喜朗元首相ら歴代文相経験者が顔をそろえた。だが、政府案が成立しなかったのはなぜか。

 第一は、小泉純一郎首相の「関心の薄さ」(自民党幹部)といえる。首相は5年前の就任時には、将来を見据えて教育を重視する「コメ百俵の精神」を唱えた。

 しかし、任期中に首相が陣頭指揮を執って取り組んだのは郵政民営化や道路公団民営化だった。

 「もともと首相は、外交、安保、教育には興味がなかった。思想がかった話も嫌い」(公明党幹部)と語る与党幹部も多い。

 首相は国会審議で、民主党案について「なかなかよくできている」「(政府案と)それほど大きな違いがあるとは思えない」と評価するなど、政府案を通そうという熱意は見えなかった。

 また、首相が「引いた」背景の一つには、改正案審議をめぐって、創価学会を支持母体とする公明党と、他の宗教団体をバックにつけた民主党との駆け引きが激化したこともあるとされる。

 与党協議をもとにした政府案は、公明党の要求を受け入れ、神社本庁、仏所護念会など長年自民党を支持してきた宗教団体の多くが求めていた「宗教的情操の涵養」を外している。

 一方の民主党案は、宗教教育に関して伝統仏教の主要58宗派(全国寺院の約9割)で組織し、創価学会は加盟していない「全日本仏教会」が自民、民主両党に要望した改正試案に沿った内容。

 自民党の保守系議員には民主党案の方が好ましいとみる者も少なくなく、今後、民主党との修正協議を求める声が高まる可能性もある。

 このため政府・与党が、秋に予定される臨時国会で教育基本法改正案を成立させられるかどうかも流動的だ。防衛庁「省」昇格法案、国民投票法案など「ポスト小泉」政権に積み残された重要法案が多く、新首相の判断で、先送りされる可能性もある。


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◆【詳説・戦後】第1回 教育基本法(2-2) (産経 06/7/5)

≪変わる…教育現場≫

 ■道徳、正規教科へ

 教育基本法改正をめぐっては、当初は与党からも「改正したからといって、教育現場の問題が解決するものではない」(公明党の神崎武法代表)などと効果を疑問視する声が出ていたが、実際には学校現場では大きな変化が起きることが予想される。

 基本法が改正されれば、具体的な教育施策を方向付ける教育基本計画が整備され、日常の時間割の根拠となる学習指導要領も見直される。

 まずは小中学校で、道徳の授業を正規の教科とすることが検討される。

 小坂憲次文部科学相は5月31日の衆院教育基本法特別委員会で、「学習指導要領の改定論議の中で、重要な課題として検討を進めていきたい」と述べている。

 現在、卒業式などでの国旗掲揚や国歌斉唱に批判的な教職員による妨害やサボタージュが後を絶たないが、「国を愛する態度を養う」ことが教育活動の目標として基本法に明記されることで、正常化に向かうことが期待される。

 「国を愛する態度」を養うため、教科書に登場する歴史人物の人選にも影響しそうだ。

 改正案では、家庭や地域の教育力を向上させるよう、新たに家庭教育が条文として書き込まれたほか、幼児教育の重要性も盛り込まれた。

 現在では小学校に入学した児童が授業中に騒ぐ「小1問題」がクローズアップされている。就学前児童を対象にした幼児教育も盛り込むことで、子供の「しつけ」や「情操教育」の充実も期待される。

 また、「宗教に関する一般的な教養」との一文が入ったことにより、宗教をタブー視しがちな公立校でも「教養としての宗教」を教えることができる可能性が高い。学校給食で「いただきます」とあいさつして手を合わせることが、「宗教的だ」と批判される場面も少なくなりそうだ。

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 ■世界は愛国心をどう教えるのか

 日本の教育基本法に当たる法律で「愛国心」を規定している主な国には中国、タイ、ロシア、シンガポールなどがある。

 「一番極端な例」(鳥居泰彦・中央教育審議会会長)とされるのが中国だ。愛国教育を推進した江沢民時代の1995年に制定した教育法は、次のようにうたっている。

 「国家は教育を受けるものに対し、愛国主義、集団主義、社会主義の教育を実施し、理想、道徳、規律、法律、国防および民族団結の教育を実施しなければならない」

 「教育活動は国家および社会の公共の利益に沿うものでなければならない」

 「教育は中華民族の優秀な歴史的文化的伝統を継承、発展させ、人類文明が生んだすべての優れた成果を吸収しなければならない」

 ロシアも1992年制定の連邦教育法で、初等中等教育の目標として「自然、祖国、家族に対する愛情の育成」を明記。この祖国(ロジーナ)には「郷里」の意味合いもある。愛国教育の一方、ソ連時代の社会主義的な思想教育は表向き消えている。

 韓国、スウェーデン、フランス、スペイン、マレーシアなどでは、教育関係法に「愛国心」に関する記述はない。

 また、米国、ドイツなどは連邦制をとっており、教育に関する法律は州の専管事項。日本の教育基本法に当たる法律はなく、州憲法などで個々に規定している。逆にオランダでは、最高法規の憲法で教育理念を定めている。

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 □元神奈川県教職員組合委員長・小林正氏

 ■議連案がベスト

 教育基本法改正論議で国民に示されている選択肢は、政府案、民主党案、超党派の議員連盟「教育基本法改正促進委員会」案の3つがある。個人的には、愛国心について「わが国と郷土を愛する態度を養う」とした政府案はあくまで“グッド”という位置づけだ。

 「日本を愛する心を涵養」とする民主党案が“ベター”。「愛国心の涵養」や「宗教的情操の涵養」を明記した議連案が“ベスト”だといえる。

 議連案を最も高く評価するのは「愛国心」を明快に示しているからだ。政府案は自民党が公明党に配慮したものだし、民主党案は「国を愛する」とせずに「日本を愛する」と回りくどい。どれも党内事情を反映していて、愛国心を素直に表現していない。

 現行の教育基本法は個人の尊厳を前面に押し出しているだけで、あまりにもひどい。この3案をもとに秋の臨時国会で修正協議が行われ、より愛国心を明確にした改正案が成立することを望んでいる。(談)

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【用語解説】教育基本法改正促進委員会

 超党派の国会議員でつくる議員連盟で、委員長は国民新党の亀井郁夫参院議員。自民、民主両党を中心に約380人が参加している。3月には改正内容の方向付けを狙って、「愛国心の涵養」を明記した独自案をまとめた。

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 【教育基本法をめぐる主な動き】

 昭和

 20年 9月 文部省が戦後の新しい教育の根本方針として「新日本建設ノ教育方針」を発表

    10月 連合国軍総司令部(GHQ)が「日本教育制度ニ対スル管理政策」を指令

 21年 3月 米国教育使節団が来日

     8月 教育に関する重要事項を調査審議するため教育刷新委員会を設置

 22年 3月 教育基本法施行

 31年 2月 清瀬一郎文相が国会で「教育基本法は日本の伝統を維持し、立派な日本人をつくるに足りない。改正したい」と答弁

 62年 8月 臨時教育審議会が「教育基本法の精神を教育土壌に根付かせ、21世紀に向け発展させ実践的に具体化する必要がある」と答申

 平成

 12年12月 小渕恵三首相の私的諮問機関、教育改革国民会議が教育基本法見直しの必要性を提言(提言時は森政権)

 13年11月 遠山敦子文部科学相が教育基本法のあり方の取りまとめを中央教育審議会に諮問

 15年 3月 中教審で愛国心や公共の精神の涵養の理念を盛り込んだ教育基本法改正を提言

     5月 自民、公明、保守新の与党3党が「教育基本法に関する協議会」設置

 16年 1月 与党協議会の名称を「教育基本法改正に関する協議会」に変更

 18年 4月 与党協議会の検討を経て、政府が愛国心の表現として「国と郷土を愛する」を入れた教育基本法改正案を閣議決定、国会に提出

     5月 民主党が対案、日本国教育基本法案提出

     6月 教育基本法改正案が継続審議に

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 「詳説・戦後」は、戦後61年を経過しても解決しない問題や、GHQの占領政策に端を発する課題について詳しく検証していきます。

 第1回は阿比留瑠比、比護義則、安藤慶太が担当しました。
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by sakura4987 | 2006-07-06 11:20

毎日の様々なニュースの中から「これは!」というものを保存していきます。


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