◆「731部隊」米軍へ細菌兵器攻撃を計画 (TBS 06/7/21)
http://news.tbs.co.jp/headline/tbs_headline3340062.html
旧日本軍の秘密部隊である「731部隊」、その石井隊長の日記が去年、発見されましたが、この中に、石井隊長が上陸するアメリカ軍を細菌兵器で攻撃しようと計画していたことを示す記述が含まれていることが明らかになりました。
玉音放送の翌日、8月16日の午後、帝国大本営は全軍に休戦命令を出しました。それでも一太刀を浴びせようという者がいました。それが、石井四郎 陸軍中将。731部隊の隊長です。731部隊が満州で開発したペストの細菌兵器でアメリカ軍を攻撃する計画だったといいます。
30年にわたり731部隊を研究する常石敬一教授。去年、作家の青木富貴子さんが発見した「石井ノート」の解読を進めてきました。「石井ノート」は、石井中将が終戦直後の8月16日から書きとめた2冊の日記です。常石教授は、これまでの研究成果と突き合わせ、この中に重要な記述を発見しました。
「731部隊を創り、石井機関を創った軍医としての石井の生涯が、この10日間に込められていて、自分の生涯を賭けた最後の作戦というのを考えたんだろうなと」(神奈川大学 常石敬一 教授)
石井中将は大戦中、サイパンで細菌兵器攻撃を実行し、失敗しました。しかし、あきらめていなかったのです。
「相模湾に25日、米兵上陸。全国にばらまく」(神奈川大学 常石敬一 教授)
Q.何をですか?
「ペスト蚤(のみ)を。つまり、米兵の上陸に合わせて、全国に夜桜特攻隊がペスト蚤をばらまく。上陸地点に。大本営の命令に背いて一度やってみたかったんでしょうね。『PX』これはペスト菌を体内にいっぱい持った蚤=ペスト蚤ですね。PXと『ホ号』の一部。『ホ号』というのは細菌戦を実行すること」(神奈川大学 常石敬一 教授)
日記には作戦遂行のための人員、器材、運搬手段が記されています。しかし、計画は陸軍トップの知るところとなります。
「梅津参謀総長ですよね、『犬死はやめよ』『静かに時を待て』」(神奈川大学 常石敬一 教授)
梅津参謀総長により構想は葬られました。731部隊を創設し、人体実験と細菌兵器開発に賭けた部隊長の野望は、ここに完全に潰えたのです。これは降伏文書署名の直前の出来事でした。