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◆8月15日を迎えて思うこと (世界日報 06/8/15)


敗戦を詫びた軍人たち/政治への関与は重大な誤り

(社)日本国際青年文化協会会長 中條 高徳


■玉音放送に慟哭した浅間山麓

 六十一年前の八月十五日はとても暑い日だった。陸軍士官学校六十期地上兵科は、座間の本校から浅間山麓の廠舎に移り、国土決戦に対応しながら訓練を重ねていた。

 その日は炎天下でピストルの実弾射撃訓練をしていた。猛暑で吹き出す汗と火山灰で、それこそ泥まみれであった。臨時召集がかかり正午から、天皇の終戦宣言の放送があった。

 藩屏(はんぺい)を任ずる士官学校生徒でも始めて「玉音(ぎょくおん)」(天皇のお声を当時呼んでいた)を耳にした。

 一身を捧げて、一途に国難に殉ぜんと誓った若者たちだ。その慟哭(どうこく)や雄叫びが浅間高原の天をついた。

 八月十四日には、この天皇の録音盤奪取せんとする者たちから森近衛師団長は殺害され、六十一期生の一部によってNHKの送信所が占拠された。徹底抗戦のビラがまかれたりもした。

 生徒隊長は「早まる勿れ」と浅間までやってきて血気にはやるわれわれを鎮撫した。その時、阿南陸軍大臣や特攻の推進者であった大西滝治郎将軍ら多くの軍人たちは、自決して国民に対しての敗戦の責任を示した。

 拙著「おじいちゃん戦争のことを教えて」(致知出版社刊)百四十二頁に銕尾(てつお)少佐夫妻の千葉四街道のお寺での自決の模様を書いたが、少佐は陸士五十一期生の二十九歳、ご主人の介添えの役を果たした夫人は新婚半年の二十四歳であった。

 戦争を詫びたのではない。軍人として敗けた責任を死を以て詫びたのだ。

 そもそも軍人は他人からその罪を問われる迄もなく自己完結型の責任をとる。

 つまり、責任を果たしえなかった時は、アッツ島の山崎大佐の如く、硫黄島の栗林中将の如く、戦艦大和の機関長の如く、兵は生かし、責任者たる自分は沈みゆく艦に戻り艦と運命を共にする。

 従って近代国家間では、国は領地を取られ、賠償金を払うことはあっても、戦った相手の軍人を罰することはない。


■苛酷な軍人の定めと栄誉恩賞

 最近靖国問題が喧しいが、終戦記念日を迎えるに当たって「戦争」について全国民にうったえたい。戦争ほど残酷なものはない。人類にとってあってならないものと思う。

 その戦争は民主国家に於ては百パーセント国事マターである。先の大戦の開始である昭和十六年は、わが国は立憲君主体制の民主体制であった。

 いわゆるA、B、C、Dラインの包囲網を築かれ、このまま座したまま滅びるか、難敵と戦うかの難しい選択をせざるをえないところに立ち到っていた。

 国会(民主的な選挙で構成)は、中野正剛らの死の抵抗に会いながらも、大勢は対米英決戦止むなしの状況になったから、行政府たる内閣は、立憲君主制であったので天皇にこの旨を奏上した。

 天皇は「四方(よも)の海みなはらからと思う世になど波風のたちさわぐらむ」との明治天皇の平和を願う御製を二度もお詠みになった。

 それにお応えして誕生したのが東條内閣であった。あばれ陸軍を最も抑えうる者として東條は登場したのだ。特に木戸内大臣の推挽が強かった。

 その後、来栖三郎、野村吉三郎の大使二頭立てで対米交渉の努力を重ねたのだ。その国家(国会・内閣)が定めた戦争の引受人が軍人なのである。

 最も死に直面する危険な役割を担う。せっかく与えられた生命(いのち)は誰しも全うしたいものだ。徒らに死を求める者などいる筈がない。

 つまり、現世で軍人は最も苛酷な役割をするのだ。だから近代国家は軍人に対する恩賞の数々を開発した。

 靖国神社であり、アーリントン墓地であり、護国神社であり、金鵄勲章に象徴される叙勲制度などなどである。

 退役軍人を近代国家が極めて大事にしているのもそのためであり、アメリカで軍人の世界は黒人でも出世の早道であった

 。このような栄誉の積み重ねで、軍人の国家への忠誠、使命観が磨かれていくものなのだ。

 何れの世界でも、誉められ、おだてられると増長する。大企業のトップが晩節をけがすのも悉くこの驕(おご)りである。

 軍人が悪いのではなく、そのような本質を持っている軍人が政治に関与したのが重大な誤りであったのだ。

 明治天皇の訓(おしえ)の如く、軍人という国家にとって極めて重要な、そして特殊な立場だけに政治には決して参画してはならない。


■陸軍の驕りが千載に残る禍根

 敵に対して強い軍隊は当然その国の生殺与奪の権を握っていることを意味する。

 近代史の中で世界中の国家が認めていた日本の精強な軍隊であったのに、何故大きな誤りを犯したのか。それは政治への異常な迄の関与であった。

 行政府を編成する一員たる陸軍大臣が現役の中将以上でなければならないと関与したのは千載に残る禍根である。

 陸軍が気に入らない内閣であれば、陸軍大臣を提出しなければ組閣が出来ないし、陸軍が気に入らない案件が提出されたら、陸軍大臣を引き揚げたら内閣は瓦解する。

 この驕りが、日本の運命を変えていったと云っても過言でない。

 そのような反省もせず、他国から文句を云われたからと軽々しく靖国問題を論じている輩が多い。二百数十万の英霊はどんなお気持ちであろうか。

 六十一年目の終戦記念日(法でいう終戦はサンフランシスコ条約発効の四月二十八日)に英霊たちの代弁をさせていただこう。

 「公も私もない。お参りしたいと思う人だけ静かにお参りにきてほしい」
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by sakura4987 | 2006-08-17 10:51

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