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◆モスクワ大使館幹部の責任 防げたロシアとの関係悪化 (フジサンケイ 06/8/31)


http://www.business-i.jp/news/sato-page/rasputin/200608310003o.nwc

 前回取り上げた、8月16日、北方領土・貝殻島周辺海域においてロシア国境警備艇の銃撃によりカニかご漁船「第31吉進(きっしん)丸」の日本人乗組員1人が死亡した事件を巡る事態は時の経過とともに悪化している。

 日本外務省の稚拙な外交技法がロシアから日本がナメられるような状況を作り出している。特にまずいのが武部勤自民党幹事長の訪露だ。

 武部幹事長は8月26日午前、モスクワでロシア国境警備庁のムシーヒン副長官と会見したが、このような会見を取り付けたモスクワの日本大使館には戦略的視点が欠如している。

 議院内閣制をとる日本において、与党自由民主党の幹事長は非常に重い地位をもつ。小泉総理が元帥ならば、武部幹事長は大将だ。外交の世界では、公的性格の会談でどのレベルの人物と会うかは死活的に重要である。

 大将ならば、どのような事情があっても少将以下と会ってはいけない。そのような会見をすると日本国家が格下と相手国にナメられる。武部氏を大将とするならば、国境警備庁の副長官はたかだか大佐だ。

 先例も重要だ。2002年1月、モスクワに立ち寄った鈴木宗男衆議院議員はトツキー国境警備庁長官と会見した。当時、国境警備庁長官は閣僚であり、鈴木氏も国務大臣(北海道沖縄開発庁長官)を務めたことがあるので、この会談はバランスがとれていた。

 その後、ロシアでは省庁再編があり、05年3月、国境警備庁は連邦保安庁(FSB)傘下の一部局になった。

 もし筆者が現在、モスクワの日本大使館に勤務していたならば、武部氏を国境警備庁の副長官に会わせるようなヘマはせず、パトゥルシェフ連邦保安庁長官と会見を取り付け、国境警備庁長官を同席させる。

 このようなハイレベルの会見で日本の立場を毅然(きぜん)と伝えることが対露外交のイロハであるが、どうも外務官僚はそのことを忘れてしまったようだ。

 モスクワの日本大使館員がクレムリンや連邦保安庁との人脈作りを怠っているからこういうことになるのだ。

 外務官僚は「ムシーヒン副長官が実務を取り仕切っているので、幹事長に会っていただくことには大きな意味があります」などと武部氏を言いくるめたと筆者は想像するが、実務家との対応は実務家である外務官僚が行えばよい。

 北方領土問題にかかわる案件なのだから駐ロシア日本大使館政務部長の倉井高志公使がきちんと対応すればよい。

 武部氏の会見で具体的にどのような成果があったのだろうか。

 武部幹事長が「『今回の事件が日露関係全般に悪影響を及ぼさないよう、拘束されている乗組員3人と船体を早く解放してほしい』と伝えた」(読売新聞8月27日)のに対して、「シムーヒン副長官は『乗組員、船体の早期解放に向け、努力したい』と答えた」(同)ということだが、この種の事案では、ロシア側から2週間なり、1カ月なり具体的期限を引き出さなくては意味がない。ロシア的基準では1年でも「早期解放」になる。

 ロシア側はモスクワで日本人記者、ロビイストにシグナルを出している。筆者のところにもクレムリン(大統領府)関係者から以下のメッセージが入ってきた。

 「『第31吉進丸』は過去に3度も拿捕(だほ)されている。しかも国境警備隊の追跡から高速で何度も逃亡している。吉進丸船長の無遠慮さに国境警備庁がついに堪忍袋の緒を切ったということだ。

 通常、警告の銃撃は相応の武器で行われる。また、機関銃ではないし、波の上を走るゴムボートからでもない。通常なら威嚇射撃は違反船の、後ろではなく前から警備船から行われる。だからといって、日本の密漁者たちの行動が正当できるわけはない。

 日本の首相が交代するこの時期に、日本漁船拿捕事件を政治目的に利用するために仕組まれた日本側の挑発行為だったという見方も排除されない」

 ロシアの諜報(ちょうほう)専門家は今回の漁船拿捕事件についてうがった見方をしている。つまり、日本の謀略専門家が北方領土周辺水域であえて事件を起こし、日本のナショナリズムを刺激する。

 総裁候補の政治家がロシアに対して拳を振り上げることで権力基盤の強化を図るというシナリオだ。日本人から見れば荒唐無稽(むけい)だが、ロシア人にはそう見えるのだ。

 このような「深読み」が実態に反していることを諜報のプロであるパトゥルシェフ連邦保安庁長官に武部幹事長が伝えれば、日露関係の悪化を防ぐことができた。外務官僚の不作為で日本はまたチャンスを失ってしまった。
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by sakura4987 | 2006-09-02 08:39

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