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◆財政再建なくして成長なし (産経 06/9/18)


【岩崎慶市のけいざい独言】

 次期首相を決めるというのに、自民党の総裁選が盛り上がらない。すでに大勢が決した消化試合との理由もあるが、国民最大の関心事である増税問題で議論がかみ合わないことも大きい。

 増税を明確にしたのは谷垣禎一財務相のみで、「2010年代半ばまでの早い時期に消費税率10%」としている。圧勝確実といわれる安倍晋三官房長官、麻生太郎外相とも歳出削減と成長を優先させ、増税の議論は時期尚早としている。

 3人ともただ主張を一方的に展開するだけで、論戦の体をなしていない。来夏の参院選をにらみ増税論議にフタをしたい党内事情があるらしいから、それまでこんな調子なのだろう。

 これでは国民はたまらない。社会保障制度の持続には負担増が必要だと気付いているし、財政再建に増税が不可避なことも分かっている。知りたいのは「いつからどの程度なのか」だろう。

 投開票まで時間はないが、自ら閣僚として7月に決めた「骨太の方針」を思い出してほしい。

 2011年度の基礎的財政収支黒字化という政府目標を達成するには、最大限歳出を削減したとしても2・2兆円の財源不足が生じる。これは増税で埋めるしかない。

 それ以前に、この計画は3年後の基礎年金国庫負担率引き上げ財源を増税で確保することを前提にしている。次の目標である国債残高の国内総生産(GDP)比引き下げでは、さらなる増税が必要になる。

 だれがどうみても、増税の議論は総裁選で不可欠だろう。さらにいえば、いやこれが最も重要なのだが、「成長と財政再建」の関係に理解が足りないのではないか。

 成長は確かに税収を潤す。だが、同時に長期金利も上昇し、常識的には名目成長率を上回る。国債残高がGDPを超してしまった日本では、税収増より利払い費増の方が大きくなってしまう。

 つまり、国債残高はどんどん膨らみ、GDP比引き下げにはつながらない。それは結果的に増税幅を拡大することになり、国民の負担はますます重くなるわけだ。

 それだけではない。金利の上昇は設備投資などの経済活動を阻害し、成長そのものを大きく阻害する。そうなれば、税収は減少し財政がさらに悪化する悪循環に陥る。

 総裁選では「成長なくして財政再建なし」のスローガンが聞かれる。それを言うなら、「財政再建なくして成長なし」と、逆さまにしてほしい。(論説副委員長)
by sakura4987 | 2006-09-18 17:11

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