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◆【正論】青史とは政治発言の記録に非ず (産経 06/10/5)

 国際東アジア研究センター名誉顧問 市村真一

 ■後世史家の厳しい筆こそ恐れよ

 ≪歴史論議には何が必要か≫

 最近、政治家やジャーナリストが、一知半解な知識をもとにシナ大陸での戦争や第二次大戦は日本の「侵略」だなどと激論されるが、聞くに堪えぬものが多い。

 政治家が歴史のことをどう言おうと、所詮それは政治外交の駆け引きにすぎない。そうと承知の上で、互いに対処すべきものである。それを、相手を満足させる文書や発言でその場を収めるのは、外交上の愚策である。

 日本の歴史教科書に中韓が文句をつけたとき、わが政府は、相手国の教科書が極端に反日的なことに触れもせず、近隣諸国に配慮を約束する談話を出す過誤を犯した。歴史認識論で、その悪例を踏襲してはならない。

 いやしくも歴史を論じるなら、関連する当時の政治経済外交についての正確な知識と高邁(こうまい)な歴史観が要る。談話を出した首相や外相にそんなことは期待できない。知らざるを知らずとせよ、これ知れるなり、である。

 相手側も同様である。あの周恩来首相ですら、反復して日本に軍国主義が復活していると言い、また戦争は一握りの軍国主義者の責任で国民は犠牲者だと主張した。そんな主張は、歴史の真実を離れた政治的発言にすぎない。

 また、ある中国首脳は、靖国にはヒトラーのような戦争犯罪者が祀(まつ)られているという。だが日本では戦時中でも、東条内閣は昭和19年7月に小磯国昭内閣に、20年4月には鈴木貫太郎内閣へと代わっているのだ。中国は、内外への政治的効果を狙っているにすぎない。

 そんな政治的駆け引きと真正なる「歴史」とは全く別物である。偉人の最後の生き甲斐は青史に名を残すことであるが、青史とはそんな政治発言の記録ではない。

 学識抜群の権威ある歴史家が、さる大戦についてどんな発言をしたか。その一端を紹介して、政治家とジャーナリストの自粛を求めたい。


 ≪トエンビー寄稿文の示唆≫

 有名なトエンビー博士は、1956年10月28日の英紙オブザーバーに寄せた「シナからの小売商人」と題する一文の中で言う。

 「ひとたび失われた政治権力を回復してみたところで、何年もつであろうか。考えてみれば、英国のスチュワート王家の場合は28年、フランスのブルボン王朝は15年、インドシナ半島を取り戻したフランスはわずか8年でベトナムの抵抗に屈し、インドネシアを取り戻したオランダは戦前の地位を回復できないで独立を承認した。

 これから推して考えれば、マレーとシンガポールを回復したイギリスの地位について、どんな予想をすればよいかは明らかである(マレーシアは1963年に独立、シンガポールは65年に分離独立した)。こんな思いが、マレー半島からシンガポールへ2度目の旅をしていた私の念頭を去来していた。

 私が初めてシンガポールからジョホールバルへ渉ったのは28年前の昔だが、それ以後この地に起こった激変の第一は、何と言っても英国の軍事的瓦解である。ひとたび惨敗した以上、たとえ国王の軍馬を整え直しても、失われた権威は戻らない。

 第二次大戦において日本人は、日本のためよりもこの戦争によって利益を得た国々のために偉大な歴史を残したと言わねばならぬ。それは、日本の掲げた短命な理想『大東亜共栄圏』に含まれた国々である。今日のアジアの最重要課題は、この覆された日本の衣鉢を誰が継ぐかである。

 日本人が歴史の上に残した業績の意義は、西洋人以外の人類の面前において、アジアとアフリカを支配してきた西洋人が、過去200年の間考えられてきたような不敗の半神でないことを明示したことにある。

 イギリス人も、フランス人も、オランダ人も、ともかくわれわれは皆ばたばたと将棋倒しにやられてしまった。そしてやっと最後にアメリカ人だけが、軍事上の栄誉を保てたのである。英国軍の全面降伏も、シンガポール陥落も、もはや取り消せるものではない」


 ≪求められるは見識と勇気≫

 歴史を論じるには、これだけの見識と勇気を必要とする。シナ大陸での戦争も決して単純に日本の侵略などと言い切れるものではない。それは改めて論じるが、当時の日本の立場を擁護し、リットン報告書を批判した有力な書も少なくない。

 例えば、舟岡省五京大教授がドイツ語で発表された『東亜星座のなかの日本』(上下2巻、1941)である。日中の政治家もジャーナリストも、もし青史に名を残す思いがあるのなら、後世史家の厳しい筆を恐れねばならない。
by sakura4987 | 2006-10-05 07:31

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