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◆【一筆多論】縣忠明 消防団で地域の絆再生を (産経 06/10/9)



 今年もまた、台風などの災害が列島各地を襲った。そのさい、住民の安全確保のために多くの消防団員が出動したが、残念ながら2人が殉職してしまった。代償も求めずに命がけの活動をする消防団のことを考えてみたい。

 台風13号が猛威をふるっていた9月17日未明に、広島市内を流れる川の氾濫(はんらん)警戒をしていた同市安佐北消防団員(50)が、7月19日には、長野県岡谷市で発生した土砂崩れで、救助作業中の消防団員(45)が犠牲になった。2人とも一家の大黒柱だっただけに、痛ましい限りである。

 消防団員は制度上、特別職の地方公務員という位置づけだが、一般的には地域社会に奉仕するボランティア団体といえる。江戸時代の町火消しに始まる消防団の歴史には「自らの地域は自分ら守る」の精神が受け継がれ、住民が安心して暮らせるセーフティーネットの役割を果たしてきたからだ。

 このため、昔から消防団員になることは本人にとって名誉だし、地域の尊敬を集めることでもあった。だが、社会構造の変化から消防団が今、危機に陥っている。

 昭和27年には209万人もいた消防団員が、昨年は90万人にまで減少してしまったのだ。かつては社会のほとんどを占める自営業や農業の人が団員になっていたから問題はなかった。

 ところが、サラリーマン社会の到来が事態を一変させた。昭和43年の職業別構成はサラリーマンが26%だったのに、現在は70%に達している。それでも入団していればまだいい。時間的な余裕がなく、訓練や行事に参加できないなどの理由で、サラリーマンの入団者が激減している。

 また、「地域の絆(きずな)」が緩んだのに伴い、仕事をある程度犠牲にしてでも、地域を守ろう-との精神が失われつつあることも団員の減少につながる要因となっている。

 行政サイドも手をこまぬいているわけではない。松山市では郵便局員に大規模災害に限定して出動する「機能別消防団員」への参加を求めた結果、昨年4月に32人が入団した。

 郵便局員の強みは毎日の集配を通して、どの家がお年寄りの一人暮らしか、どこの道路が土砂崩れの危険があるかなど、地域の事情に精通していることだ。災害発生時ばかりではなく、通常時でも情報提供ができ、迅速な対応策が取れる。この方式に追随する地方自治体が出ているという。

 また、消防庁でも消防審議会の中に小委員会を設置して団員確保のための検討に入った。早急に問題点を洗い出し、将来的には100万人を目指す方針だ。

 一方で、常設の消防署がほとんどの自治体に整備されたため、消防団の拡充は必要ないとの考えもある。しかし、消防団員は消防職員の5倍以上というマンパワーがある。大規模災害などが発生したときに威力を発揮するため、消防団の増強は不可欠といえる。

 日本消防協会長に就任した自民党の片山虎之助参院幹事長も「消防団がしっかりしている地域は犯罪が少ない」などと、消防団の充実に意欲を示した。双方の因果関係はデータ的には証明されていないが、防火パトロールなど目につく警戒を頻繁に実施すれば、防犯にもつながるのは当然だ。

 このところ、子供の虐待や飲酒運転による事故など、やり切れない出来事が報道されている。中には地域の絆さえしっかりしていたら、防げたものもあろう。

 地域の安心、安全のためには、これ以上の崩壊を食い止め、絆を取り戻すことが肝要だ。消防団員のボランティア精神がその一翼を担うよう期待したい。
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by sakura4987 | 2006-10-09 12:12

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