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◆米市場安定へ中国“貢献” (産経 06.12.17)



 ■京劇のような結束演出

 北京で15日まで2日間開かれた「米中戦略経済対話」はまるで京劇のようだった。

 会議初日、米側代表のポールソン財務長官が朗々と「人民元の改革」や「市場の閉鎖性」を指摘したと、ワシントンから同行の記者団に説明すると、中国側の「鉄の女」呉儀副首相は毅然(きぜん)として声明文を発表し、「米国は中国のことをよく知らないばかりか誤解している」と大見えを切って応酬した。

 優美なせりふ回しなのにとにかく騒がしい北京風「対立」劇はかたや保護主義勢力が強い民主党多数の米議会に、こなたは対外開放に不満を漏らす中国共産党内の守旧派に対するサービスだった。

 米中合作のシナリオはもちろんハッピーエンドで締めくくる。最終日には「米中双方が世界経済の不均衡解消に向け協力する」と聴衆(米中などの記者団)に向かって唱和してみせた。

 「米中結束」の真の目標は今後起こり得る米金融市場の不安防止である。最大のきっかけは、米国住宅バブルの崩壊懸念である。住宅の値上がり益を担保に消費者は借金し、消費に走ってきた。今秋、住宅市場は一転して冷え込み始め、住宅関連産業ではレイオフが始まった。

 銀行の住宅ローンは「ファニーメイ」などと呼ばれる連邦住宅抵当証券公社が買い取り、市場で抵当証券を流通させている。住宅抵当証券は国債と並ぶ米金融市場の基幹商品である。

 住宅抵当公社は「先物」「オプション」などと呼ばれる「金融派生商品(デリバティブ)」の主力顧客である。デリバティブ市場規模は米国内総生産(GDP)をはるかにしのぐ。

 米国の大手金融機関の主力収益源はデリバティブの取引である。住宅バブル崩壊という懸念は現実よりも思惑で動くデリバティブ市場不安を引き起こし大手金融機関に巨額の損失、つまり信用不安をもたらす。

 ニューヨーク・ウォール街の重鎮で証券大手のゴールドマン・サックス会長当時、「ミスター・ボンド(債券)」と呼ばれたポールソン財務長官は今回、バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長を北京での戦略対話に誘いこんだ。

 相手は何しろ議会からいつもやり玉にあげられる中国である。「FRBの政治的中立性をそこなう」という懸念が米メディアから出た。だが気にするゆとりなどなかった。FRB議長と連れだって中国にはぜひとも「協力」させる必要が金融市場対策上あった。 

 米国の2006会計年度(2005年10月~2006年9月)には「異変」が起きた。その1年間、米国の財政赤字は2477億ドル。

 外国が米国債を買って2140億ドルを補填(ほてん)したが、最大のスポンサーであるはずの日本は116億ドルを売り越した。逆にアジアで最大の米国債買い手に躍り出たのが中国で379億ドル買い越した。

 米国債保有残高でも中国は日本の半分強だが毎年忠実に買い増ししている。長官も議長も日本を素通りしてまで北京に足を運ぶ背景である。

 米消費市場と米金融市場の安定は中国経済の拡大を保証する。中国は対米を中心とする輸出で高成長を続け、年間で2000億ドルもの対米貿易黒字を稼ぎ、外貨準備を積み上げる。

 人民元がドルに対して10%上がると、中国は約650億ドル、2005年GDPの約3%相当を失う。

 米国には金融緩和で景気減速を避けてもらい、輸出水準を維持したい。米国債、さらに住宅抵当証券も買って、米金融市場の安定にも貢献する代わりに、人民元は大幅に上げない。

 そんな(暗黙の)「裏合意」が成立したのだろう。そこに「戦略」という枕詞(まくらことば)をわざわざ経済対話にかぶせた政治的寓意がある。
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by sakura4987 | 2006-12-18 07:04

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