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◆市場からしっぺ返し食わないか (産経 07/1/29)



【岩崎慶市のけいざい独言】

 春の統一地方選、夏の参院選が近づくにつれ、政府・与党の「上げ潮」論が勢いづき財政・金融政策がどうにもおかしくなってきた。そのうち市場からしっぺ返しを食うのでは、と心配だ。

 財政で言えば、経済財政諮問会議が決めた「日本経済の進路と戦略」の基になった内閣府の財政中期試算だろう。とにかく、上げ潮を絵に描いたようなものだった。

 シナリオとしては4通り示してはいるのだが、政治臭ぷんぷんだ。その典型は、政府目標である2011年度の基礎的財政収支黒字化達成に増税は不要というばら色のシナリオだろう。

 上げ潮戦略の成功で名目成長率3・9%を確保し、かつ昨年の「骨太の方針」で示した歳出削減を最大限実施したケースである。何と国内総生産(GDP)比で0・2%の黒字が出てしまう。

 骨太の歳出削減を実施するだけでも大変なのに、この成長率はどう達成するのか。民間エコノミストはせいぜい2・5%、骨太も3%しか想定していないのである。

 「増税なき財政再建を目指す」とテレビで口走った経済財政担当相も、さすがに発言撤回を余儀なくされた。試算に当たった官庁エコノミストたちも忸怩(じくじ)たる思いだったに違いない。

 金融の方は、いうまでもなく先の利上げ見送りである。これも政府・与党の上げ潮論者が議決延期請求権までちらつかせて日銀に圧力をかけた結果というのが、市場の一致した見方だ。

 量的緩和やゼロ金利の解除問題でもそうだったように、日銀への政治の横やりはずっと続いている。そして今回は、金利の安い円資金によるユーロ資産運用がユーロ高の一因として、欧州からも政治介入に対する批判が出るに至った。

 財政健全化と金利正常化のプロセスが政治の思惑でゆがめられるとしたら、極めて危ない。市場がそう判断したら、一気に“日本売り”に入る可能性があるからだ。

 市場を左右する外国人投資家は改革を投資判断基準にしている。それは日本株が小泉改革の実行に伴って上昇したのを見れば分かる。改革の後退はこの流れを逆にする。

 そうなったら、それこそ選挙が戦えまい。市場だけではない。年金生活者は利子所得の喪失に強い不満を持っており、上げ潮論者の利上げ反対が選挙でしっぺ返しを食うことだってある。

 日本は普通の経済に戻る過程にある。無理な政治介入はそれを妨げてないか。
by sakura4987 | 2007-01-30 09:33

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