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◆ドイツ―少子高齢化社会がもたらす諸問題に一石を投じた公営放送のドラマ「老人の蜂起」

              

 (世界日報 07/2/1)


■年金めぐり組織犯罪

 公営第二放送(ZDF)は三夜にわたって「老人の蜂起」と題する社会派ドラマを放映した。二〇三〇年のドイツが舞台。高齢化社会がもたらすと見られる諸問題を取り上げた。ドイツの新聞や週刊誌は「単なるフィクションではない」とし、少子高齢化問題を再考するきっかけとした。

 ドラマのあらすじは、年金受給額の一律化に反発した年金受給者が立ち上がり、組織犯罪を行う。テレビ局の女性ジャーナリストが高齢者にかかわる犯罪を調査し全容を解明、報道番組で一部始終を伝えた。

 ドラマはサイエンスフィクション(SF)とサスペンスを兼ね備え、スリリングな展開で多くの視聴者を引きつけた。

 ドラマの展開では、社会は高齢者を邪魔者扱いするようになり、安楽死を求める老人が増え、経済的に介護を負担できなくなった家族が安楽死を選ぶよう説得する。

 ドラマは一九八六年の時代からスタート。当時の政府が、将来の少子高齢化を見据えた適切な政策を取らなかったことを非難している。

 連邦統計庁によると、二〇三〇年には介護を必要とする老人は二百万人から三百万人になると予想される。全人口における六十歳以上の割合は24%から35%。すなわち、三人に一人が高齢者となると報告した。

 連邦家庭省の人口白書によると、現在八千二百五十万人のドイツ人口は五〇年には七千四百万から六千九百万人程度に減る。六十五歳以上の人口は千六百万人から二千四百万人(二〇四〇年)になると予想されている。


■深刻な福祉財源不足

 少子高齢化がもたらす最大の問題は、年金など社会福祉の財源が不足することだ。

 国家財政の健全化の一環として、ドラマのシナリオによると、三〇年には年金保険は現在の19・9%から24%に、公的健康保険が14・8%から22%に、介護保険は1・7%から4%に引き上げられる。

 年金受給開始年齢は現在、六十五歳から六十七歳までに段階的に引き上げているが、いずれは七十歳と予測する。そして、これまで無料だった薬が一部自己負担となる。

 この問題を最も大きく取り扱ったのは、保守系日刊紙ウェルト。ボンに本部を置く経済社会協会(IWG)のマインハルト・ミーゲル氏は同紙とのインタビューで「これらは大いにあり得るシナリオ」だと述べる。

 ただ、老人が蜂起することは想定外で、むしろ若者が蜂起すると予想する。社会保険の負担が限界に達すれば、若者は脱税するか外国に移住することを選ぶであろうという。

 同紙によると、実際に資格のある若者がどんどん国外に脱出している。労働環境が良く、保険率が低い国を選ぶ傾向が強いという。


■将来へ危機感募らす

 ドイツのベビーブーマー世代が年金生活に入る二〇一五年にすでに危機が訪れると予測する学者もいる。

 人口研究のビルク・ビーレフェルト大教授はウェルト紙への寄稿で、「今すぐに抜本的な対策を取らなければ、どん底から抜け出すことはできない。次世代を担う若者が将来、年金を保証してくれるということを子供たちに教えなければならない」と強調。

 将来的に子供のいない高齢者には年金受給額を半減させるぐらいの措置は必要と訴え、①世代間の衝突②子供のいる人といない人の衝突③ドイツ人と移民の衝突④地域間の衝突――が少子高齢化がもたらす弊害であると警鐘を鳴らす。

 マックス・プランク研究所の人口動態研究所のボーペル所長は、保守系高級紙フランクフルター・アルゲマイネとのインタビューで、「高齢化社会に対してドイツほど悲観的な国はないであろう」と言う。

 「世論調査によると、将来は現在よりも悪くなると考える割合が目立って多い」とし、ドラマが反面教師となり社会が子づくりの必要性に気付くことに期待を寄せている。

 同紙編集長で、少子化問題のエッセーが昨年ベストセラーとなったフランク・シルマッハー氏は、「集団安楽死のシナリオは非現実的」と批判。

 「将来は少数派となる青少年が現在よりも高齢者を敵対視あるいは邪魔者扱いするということはない」という。

 また、ドイツ統一後に若者が旧東独を離れていったように、「若者、特に女性の国外流出は考えられるシナリオ」とし、それを防ぐためにも若者が貴重な扱いを受け、社会における重要な役割を果たすようになると予想する。

 フォン・デア・ライエン家庭相は今年四月、「人口動態はチャンス―高齢者の経済的可能性」をテーマにしたEUレベルの会議を開催する。少子高齢化社会はドイツだけではなく欧州全体に問題で、共通の解決策を探る。

 シュタインブリュック財務相は昨年、「長期夏期休暇に出掛ける代わりに将来に向けて蓄えをした方が良い」と提言した。

 多くのメディアは「財務相は休暇を罪悪視した」「休暇はドイツの良き伝統で、経済効果も大きい」などと非難した。

 しかし、いずれ、財務相の言葉の重みが理解される日が来るに違いない。
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by sakura4987 | 2007-02-02 17:33

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