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◆【一筆多論】関田伸雄 政治家と言葉と国会審議 (産経 07/2/5)




 柳沢伯夫厚生労働相が女性を「(子供を)産む機械」に例えたことや、久間章生防衛相が安倍政権の方針を逸脱してブッシュ米大統領のイラク開戦決断を「間違っていた」と述べたことなど、政治家の発言が安倍政権を大きく揺さぶっている。安倍晋三首相が初めての通常国会で独自色を出そうとしていた矢先であり、首相も苦悩していることだろう。

 “綸言(りんげん)”汗の如(ごと)し。ひとたび口にした以上、もう取り消すことができない。政治は言葉を通じて行われるものであり、政治家は自らの考えをどういう表現で有権者に伝えるかを問われる。閣僚や政党の実力者なら、内閣や党の支持率に直結するだけに、慎重な言葉遣いが求められることになる。

 女性への配慮を欠いた柳沢氏の発言はもちろん、自らの信念に基づくかのように思える久間氏の言葉もあまりにも軽い。閣僚としてこの国を背負っているという緊張感はまったく感じられない。国民の政治不信を拡大させる行為といっても過言ではない。

 過去の政権でも多くの閣僚が自らの発言をきっかけに辞任を余儀なくされた。

 昭和27年11月には第4次吉田内閣の池田勇人通産相が中小企業の経営悪化に絡んで「経済原則によらぬことをやっている方がおられた場合、倒産し、自殺するようなことがあってもやむを得ない」と発言し、2日後に辞任した。47年1月には第3次佐藤改造内閣の原健三郎労相が「養老院へ行くような人たちは感謝の気持ちを忘れた人たち」と述べ、約2週間後に辞任に追い込まれた。

 また、竹下内閣の奥野誠亮国土庁長官は63年5月、日中戦争について「私は『侵略』という言葉を使うのは嫌いだ。あの当時、日本にそういう意図はなかった」と発言し、2日後に職を辞した。細川内閣の中西啓介防衛庁長官も平成5年12月、「半世紀も前の憲法にしがみついているのはまずい」と述べ、翌日、責任をとった。

 国民感情を軽視した点で、池田、原両氏の発言は柳沢発言に似ている。久間発言は「(イラク開戦時に)個人的に『待てよ』という感じを持っていたということを感想として述べた」と軌道修正したためにあいまいさは残るが、ときの内閣の方針に反する自説を展開したという意味では、奥野、中西両氏に近い。

 野党各党は柳沢氏の辞任を要求し、要求が通らなければ、国会審議をさらにボイコットしようとしている。4月の統一地方選、7月の参院選をにらみ、柳沢発言に批判的な世論を背景に安倍政権にダメージを与える狙いが透けてみえる。柳沢氏が辞任すれば、ターゲットは久間氏や事務所費問題が浮上している伊吹文明文科相らに移ることになろう。

 柳沢氏らは閣僚としての責任をどう考えるのか。有権者の一人として今後の対応に注目したい。

 忘れてならないのは、今国会の意味だ。首相は「教育再生国会」、民主党は「格差是正国会」と位置付けている。首相の施政方針演説への代表質問で、民主党の小沢一郎代表は「今、政治がなすべきことは憲法改正か、生活維新か」と迫り、首相は「二者択一ではない。いずれの課題にも全力で取り組む」と反論した。

 だが、国会審議がお互いのスキャンダル追及や発言の揚げ足取りに終始しては、せっかく示した対立軸も言葉だけのものになる。与野党が堂々と論陣を張り、論戦の中で国のありようを考える。国会は本来、そういう場である。党利党略に走ることなく、何よりも国民のことを最優先する国会審議を望みたい。
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by sakura4987 | 2007-02-08 16:24

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