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◆[穀物価格高騰]「構造変化を来した需給バランス」 (読売社説 07/2/20)



http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070219ig91.htm

 穀物の価格が急騰している。このままでは、将来の「食料危機」も懸念されよう。

 トウモロコシ、小麦、大豆などは値上がりが続き、特にトウモロコシは1年前の約2倍に達した。一時的な要因ではないだけに、値下がりは当面望めそうにない。

 大量の穀物を輸入し、食料自給率が4割と先進国で最も低い日本にとっては、見過ごすことはできない事態だ。世界の穀物の生産・需要動向に、これまで以上に注意を払う必要があろう。

 穀物価格高騰の火付け役は、世界2位の小麦輸出国、オーストラリアの干ばつだ。昨年夏から穀倉地帯でほとんど雨が降らない日が続いたため、小麦の大幅減産が必至となり、市況を直撃した。

 それまで1ブッシェル=3~4ドルで安定していたが、9月以降、6ドル近くまで急騰し、現在も5ドル前後で推移している。

 この流れが、トウモロコシと大豆にも波及した。トウモロコシは昨年初頭には1ブッシェル=2ドル程度だったが、9月以降、4ドル台に乗せ、その水準を維持している。大豆も1ブッシェル=7ドル台後半と、1年前に比べ2ドル高い価格で取引されている。

 値上がりが収束しないのは、世界の穀物需給が構造変化を来したからだ。

 原油価格の高騰で、代替エネルギーの開発が叫ばれ、植物から合成するバイオエタノールが脚光を浴びている。

 ブラジルと並ぶエタノール生産国の米国はトウモロコシを原料にしている。ブッシュ大統領は、エタノールを含む代替燃料の使用量を、10年後に約9倍に引き上げる目標を打ち出した。

 このため、従来は飼料や輸出に回されていたトウモロコシが、エタノール生産に向け大量に使われるようになった。

 一方で、経済成長が著しい中国やインドなどが、各種穀物の輸入を増やしている。需要急増で米国、カナダ、オーストラリアなどの輸出国では、在庫が減少し適正水準を割り込んでしまった。

 日本として、気になるのは「大豆ショック」の再来だろう。1973年に米国は、大豆の輸出を禁止した。おかげで、日本では豆腐や食用油生産が一部で止まる騒ぎとなった。

 それ以来、日本が穀物などが思うように輸入できない事態は起きていない。

 だが、先行きは不透明だ。実際、水産物の取引では流れが大きく変わった。これまでは、ほぼ日本の一手買いだったが最近では中国、韓国などの業者に競り負けることが珍しくないという。

 安い価格で大量の穀物を輸入できた時代は終わりつつある。日本も飼料用作物の増産などを真剣に検討すべきだ。
by sakura4987 | 2007-03-04 07:01

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