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◆【湯浅博の世界読解】中国に囲まれる日本 (産経 07/5/16)



 日米が北朝鮮やイラク情勢に手足をとられている間に、東シナ海の向こうで巨大軍事力が生まれつつある。

 特に中国の海軍力は、手持ちの碁石を着実に増やして日本を取り囲みつつあるらしい。漏れ伝わる最新情報を拾ってみると次のようになる。

 米海軍情報部の分析報告書によると、中国は追尾が難しい新型原子力潜水艦5隻を建造中だ。核弾頭が搭載可能な射程5000マイルのミサイルを装備するという(米紙)。

 中国共産党の内部資料によると、中国が9万3000トン級の原子力空母の建造計画をもち、さらに4万8000トン級通常型空母の建造計画もある(韓国紙)。

 中国は東南アジア諸国連合(ASEAN)に海軍の合同演習の実施を働きかけている。軍事大国の圧力に対して小国は、「真剣に検討」として時間を稼いでいる(英軍事専門誌)。

 そうなると、気になるのは「中国海軍と海上自衛隊が戦ったらどちらが勝利するのか?」というシンプルでかつ深刻な疑問だ。これに、日米防衛専門家はどう応えるのだろうか。

 防衛大学の太田文雄教授は新著『インテリジェンスと国際情勢分析』で、日本は上質の碁石を持ちながら、気づいたときには周りを質の悪い碁石に囲まれている状況に似ていると解説する。

 太田氏によると、米海軍のB・コール退役大佐は2000年に、「中国海軍が海上自衛隊に比肩するようになるのは少なくとも20年はかかる」と予測していたという。

 ところが、アーミテージ前国務副長官は最近、「中国軍の近代化は予想を上回るスピードで進んでいる。CIAも国務省情報局も、そのペースを過小評価していた」とたびたび述べている。

 ところが、中国は明らかに能力をひた隠しにしている。もっぱら実力を蓄えることに徹し、公表値を下げて「脅威論」を退ける戦略だ。前述のように、情報がメディアに漏れることがあっても、もっぱらダンマリを決め込む。

 こうした政策は、中国に利害をもつ人々には格好の中国擁護の理由を提供しているようだ。

 米国内では中国専門家、対中投資家、企業経営者らが、「もっと大局的な見地からみるべきで、中国は正しい方向に向かいつつある」という答えとなって跳ね返る。

 こうした傾向を米国のシンクタンクAEIの研究員ジェームズ・マン氏は「気休めのシナリオ」だと排除している。

 あの衛星破壊実験に関しても、中国軍が党と政府に知らせずに実行しているとする「気休め」が横行した。軍が独走してはいるが、連絡調整さえしっかりしていれば政府がコントロールするはずだと好意的に考える。

 米戦略国際問題研究所(CSIS)の2人の研究員は外交誌への論文で、中国の政府と軍部の間の連絡調整がうまくいっていないとの認識から、中国こそ国家安全保障会議(NSC)が必要だと主張していた。

 しかし、これもまた「気休めのシナリオ」であることは、衛星破壊実験が実は今年だけに限っていないことに表れている。成功したのは今年だが、昨年でさえ冬と秋にも実験して失敗しているのだ。

 あからさまな破壊実験を、胡錦濤主席がトップの共産党中央軍事委員会が承認していないとは考えにくい。破壊実験で米国から激しい反発が起きたことに、中国首脳がとまどっているというのが実情だ。

 中国との対局はまだ始まったばかりである。孫子の兵法でいえば、日本がまず予算で碁石を増やし、「実を避けて虚を撃つ」ように弱点から囲みを脱する手が残されている。
by sakura4987 | 2007-05-23 15:23

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