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◆【やばいぞ日本】序章 没落が始まった(5) (産経 07/7/7)




 ■宇宙野菜が示す中国との差

 宇宙空間は魔法使いの住む世界なのだろうか。シンデレラが乗った馬車のように大きなカボチャも夢ではなくなる。

 それを実現してみせているのが中国の宇宙開発の現場なのだ。地球を取り巻く宇宙空間の特殊な条件を利用して活発な植物の品種改良が進む。

 中国の人口は13億人。拡大する「胃袋」を満たすための妙案が宇宙開発に託されている。宇宙生まれのマンモス・カボチャ「太空南瓜」は、その期待に応えた成果の一例だ。

 無重量の宇宙では熱対流が消えるので、超高品質の合金も製造可能。生命科学の分野では、タンパク質もきれいに結晶するなど、新素材や医薬品の開発に道が開ける。

 日本はスペースシャトルなどを利用して、宇宙での高度先端技術を追究してきたが、特筆すべき成果は出ていない。

 これに対し、中国では日常生活と宇宙産業の距離が急速に短縮中だ。特に高度なことをしているわけではないのだが、実績は着実に目に見える形になっている。

             ◆◇◆◇◆◇◆

 日本は8月16日、H2Aロケット13号機を打ち上げる。搭載される大型探査機は「かぐや」。宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙教育センター長の的川泰宣は「米国のアポロ計画以来となる本格的な月観測」と説明する。

 米国が有人月面探査を柱とする「新宇宙計画」を発表するなど、月は今、最も注目を集めている天体だ。

 中国も月に熱烈な関心を寄せている。月周回衛星「嫦娥(じょうが)」を、今年4月に長征ロケットで打ち上げようとしていたが、遅れをみせている。

 その中国は、2003年10月に宇宙飛行士を乗せた「神舟(しんしゅう)5号」を打ち上げ、世界3番目の有人宇宙飛行国となった。

 日本は宇宙飛行士を擁しているが、スペースシャトルに依存した有人活動で、自前の宇宙船は持っていない。

 日中の宇宙開発は、同時期に始まっている。1970年2月に日本の「おおすみ」、4月に中国の「東方紅」が、それぞれ初の人工衛星として打ち上げられたのだ。

 その後、中国はソ連寄り、日本は米国寄り、と日中の宇宙技術は別の路線を進んできた。これまでほぼ互角の競争力。そこに今、思いがけない差が開きつつある。

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 ■足りない研究者の情熱

 「中国に行った方が力を発揮できるかも、という研究者もいます」

 JAXA国際部参事の辻野照久は、半ば冗談と断りながらそう語った。現在、中国の宇宙開発には、それほど活気があるということだ。

 5月にナイジェリアの通信衛星などを打ち上げた中国は、7月5日に長征3Bロケットで自国の通信衛星を打ち上げた。これは101機目の長征ロケットで、連続成功を59回に伸ばした。

 日本の打ち上げ回数はN1ロケット以来、42機。連続成功は29回止まりとなっている。

 日本のロケット開発は次々新技術に挑んでハイテク化を遂げているが、中国はローテクのまま信頼性を高めたことで92・1%という、より高い成功率に到達した。

 辻野は日本で数少ない中国の宇宙開発ウオッチャーだ。中国空間技術研究院が隔月で発行する論文集などに目を通して、現状や方向性を分析している。その結果、意外な現実が見えてきた。

 「日本がやっていることは、全部中国もやっていました」

 そのうえ、宇宙開発分野で日本人研究者の成果を引用した論文が見あたらない。中国の宇宙工学者たちは米国の研究を重視している。

 有人宇宙船「神舟」はロシアの「ソユーズ」宇宙船をベースに開発されたが、近年は米国の影響をより強く受けつつあるらしい。

 中国は複数の衛星からなる独自の衛星利用測位システム(GPS)を構築しつつあるほか、宇宙空間を舞台に、日本が行っていない研究にも手を広げている。

 その代表例が巨大カボチャ・太空南瓜を実現した「育種衛星」だ。2週間以上、地球を回った後に地上に戻ってくる回収式の衛星に米や麦、トウモロコシといった穀物などの種子を搭載する。

 「野菜類もありますし、花や香辛料、ヘチマの種も積んでいます」。国際課主査で中国に詳しい藤島暢子も語る。

 高エネルギーで飛び交う宇宙線を利用した植物の品種改良である。無重量に、高真空という条件も重なる結果、地上での放射線照射という従来技術を上回る効果があると説明されている。

 中国科学院内の航天育種センターでは、ピーマンやトマト、ウリなどの「宇宙野菜」を市場に送り出しているという。

 3回目の有人飛行となる神舟7号は北京オリンピック直後の2008年秋に打ち上げられる。このときは全く新しい発想の宇宙服による宇宙遊泳が実施される見通しだ。

 「中国人は宇宙に対して強い願望を持っている。天人や仙女、不老不死につながる憧憬(どうけい)があるようです」

 辻野によると、この根源的ともいえる動機の上に、過去40年にわたって技術が積み上げられてきたという。それは軍事力の強化とも不可分の歩みであった。

 1960年代の中国には「両弾一星」という目標があった。原子爆弾と水素爆弾が「両弾」。人工衛星が「一星」なのだ。

 今の中国は月面基地建設を大目標に掲げて活気づいている。国内の人材育成と世界からの才能獲得に余念がない。胡錦濤国家主席をはじめ、理系出身者で固められた中国指導部の影響力は大きい。

 一方の日本は、停滞気味である。新たな「GX」ロケットの開発難航もその一例だ。すでに大幅な遅れを生じている。

 JAXA宇宙教育センター長の的川は研究者や技術者を目指す若手に「物足りなさ」を感じている。頭も良い。手際も良い。問題を解決する能力も備えている。

 「足りないのは、宇宙への情熱と問題を発見する能力です」

 国は4年前に宇宙科学研究所(ISAS)と宇宙開発事業団(NASDA)などを統合して、現在のJAXAに変えた。機関統合の効果を疑問視する意見は関係者の間に少なくない。

 ISASが開発した世界最大の固体燃料ロケット「M5」も統合によって捨てられた。「研究者の内発性の炎が消えつつある」。そうした危惧(きぐ)の声が聞こえてくる。
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by sakura4987 | 2007-07-14 10:48

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