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◆フランス出生率上昇の裏で (頂門の一針  第861号より)



 平井 修一


 フランスの合計特殊出生率は1.89人(2000年)で、先進国中で際立って高いそうだ。

 「日本は低下が始まる前、1971年の2.16から、2004年には4割減の1.29になっています。この数値は長期的に人口を維持できる水準(人口置換水準)の2.07よりかなり低く、人口減少、人口高齢化の促進につながります」(国立社会保障・人口問題研究所)とある。

 だから出生率を上げるためにフランスの政策を学べ、というが、実態はどうなのか。

 日本労働研究機構欧州事務所がまとめた「フランスの家族政策、両立支援政策及び出生率上昇の背景と要因」(2003年2月)によると、フランス国立統計経済研究所(INSEE)のデータでは、婚外出産は増加の一途をたどっている(1980年:11%、1990年:30%、1996年:39%)。

 「1996年には第一子の誕生総数のうち53%、第二子の場合は29%、第三子以降については20%が婚外出産であった」

 この国は大丈夫なのか、と心配してしまうが、現在、結婚したカップルの3分の1が離婚しているそうだ。

 「結婚家庭にしろ非婚家庭にしろカップルが別れると、片親家庭(一般には母親が独りで子供を育てる)あるいは再婚家庭が形成されることとなる」

 「片親家族は、1968年から2001年の33年間に1.55倍に増加し、世帯構成に占める割合も2.9%から7.1%へと大幅に上昇し、その大部分は母親と子供の組み合わせである。この上昇には、未婚の母の増加が大きく作用しているといわれている」

 もう普通の家族じゃない。教育もない、手に職もない、色気だけのサルが、サルコジが言うところの「社会の屑」を大量に産んでいる。

 クリスマスから年末にかけて車に火をつけてうっぷんを晴らす、どうしようもないガキザルを大量生産しているのである。

 「比較的最近まで、『男が賄い、女は家庭を守り、子供はたくさん』という正統な家庭のモデルを問題視することはなかった。ところが近年、伝統的な枠から外れた家庭が増え、かつ、それが暗黙のうちに社会的に受入れられるようになると、安定した『伝統的家族イコール社会秩序』という『自明の理』が崩れていくようになる」

 「現在のカップルは、将来別れる可能性が年々強まるとともに、別れる時期が年々早まるという、すなわち『いつ別れても不思議ではない』関係を結んでいるのが特徴である。

 かつての結婚という制度で結ばれた安定した家庭にとっては、子供を欲しいと望むことは家庭を築くという夫婦の意志を明確にすることであった。

 これに対し、今日では、子供を生むかどうか(殆ど女性に裁量権がある)というだけの問題となり、しかも子供を作ることは、結婚という制度とは独立し、非婚、同性カップル、あるいは子供が欲しい単身の男性あるいは女性などにおいても計画されることが多くなっている」

 空恐ろしいことが進行している。安定した家庭もないのに子供を産むのは、手厚い支援策があるからだろう。

 1)家族手当公庫などの家族給付・援助活動:2000年で249億ユーロ(約4兆円)

 2)出産費用の負担(43億ユーロ、0.7兆円億円)、自治体の貧困者対策など福祉活動(55億ユーロ、0.9兆円)

 3)税制上の優遇措置(60~70億ユーロ、1兆円~1.1兆円)
 
 4)年金優遇(100億~110億ユーロ、1.6兆円~1.7兆円)

 5)住宅給付(123億ユーロ、1.9兆円)、身体障害者援助(40億ユーロ、0.6兆円)、社会復帰のための最低収入保証(46億ユーロ、0.7兆円)以上合計で10兆円ほど。

 日本はどうなのか。「子育て支援」と銘打った予算は122億円(平成12年度)のようだ。

 2006年2月14日(火)「しんぶん赤旗」によると、「日本共産党の石井郁子議員は13日、衆院予算委員会で少子化問題をとりあげ、子育て家庭への経済的支援の拡充を求めました。・・・日本は児童手当しかない。各国の家族政策にかんする対GDP比に見る財政支出はOECD参加国で下から五番目、デンマーク3.8%に対して日本は0.6%。子育て施策の見直し、予算の抜本的拡充が必要だと述べました」とある。

 予算をたっぷりつけても「社会の屑」(将来のお荷物)を産み、かつ「家族破壊」を進めるだけのことになりかねないのはフランスの例が示している。心して精査すべきである。


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■日本労働研究機構欧州事務所「フランスの家族政策、両立支援 政策及び出生率上昇の背景と要因」(2003年)により作成。

ご参考のために。

http://symy.jp/nhy_ikaruga

http://megalodon.jp/?url=http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h17/10_pdf/01_honpen/pdf/hm01-ho222.pdf&date=20070710051911
by sakura4987 | 2007-07-14 10:51

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