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◆【やばいぞ日本】第1部 見えない敵(8)米議員の足が遠のいている



 (産経 07/7/23)


 首脳同士の緊密さなどもあって、一般にはかつてないほど良好といわれる日米関係だが、日米交流に携わる人々の間ではその現状と将来を危ぶむ声が聞かれる。


 日本国際交流センター理事長の山本正さん(71)もその一人だ。日米民間対話の草分けともいえる下田会議を、米フォード財団や日本の経済界からの支援で1967年に立ち上げ、翌68年からは議員交流も始めるなど日米交流歴は長い。


 とくに議員交流は、政策決定に大きな役割を担う議員こそ相手国への理解を深め、また欧米間のように議員の個人的な信頼関係を築くためにも必要性を痛感してきた。


 13回も参加したフォーリー元下院議長はついに駐日大使となったし、ラムズフェルド前国防長官は第1回の参加者だ。


 ところがいま、その歴史ある議員交流がピンチだ。去年は、他のプログラムすべて合わせても10人来たか来ないかだった。


 山本さんは言う。


 「とにかく(日本へ)連れて来るのがひと苦労。昔と比べて議員たちが内向きになった上に、忙しすぎる。議会の日程が長くなり拘束日数も増えた。長期で外に出られない。3日ならと言う」


 物見遊山との批判の声も以前より強まった。その標的になったことのあるフォーリー氏は山本さんに、「どこが物見遊山か、日程を見せてやりたい」と嘆いたほどだ。


 だが問題は、そんな逆風下でも同じアジアの中国にはむしろ増えていることだ。国際交流センターによると、昨年は訪日(9人)の倍強の22人の議員が訪中している。議員スタッフはもっと深刻だ。2001年から5年の連邦予算拠出以外の事業による訪日は75%減ったのに同時期の訪中は2・7倍も増えた。


 さらに山本さんの懸念に拍車をかけるのが日米関係専門家のポストの減少だ。米中関係専門家の3分の1程度、このままでは先細りしやしないか。ワシントンのシンクタンクにおける日本プログラムも減少している。


 これに対して中国との共同研究や対話は、米国のほぼすべての外交関連シンクタンクで行われ、中国政策の専門家以外からも関心が集まる。


 米国人にとって中国は好奇心や経済的好機の対象と同時に、安全保障や脅威の対象でもある。つまり、いろいろな意味で知らなくてはいけない国が中国なのだ。結局、米国の財団、企業から資金は中国プログラムに流れ込む。


 「米国は新しいプライオリティー(優先)ができると、金を集中して注ぎ込む。常にプライオリティーは何かを考えている。予算レベルでしか考えない日本とは違う。米国は強いなと思います」と山本さん。


 いま山本さんの最大の仕事は金集め。良好な日米関係の水面下で日本の存在感の低下が静かに進行する。


 ■「日米」維持には特別な努力


 日本では交流予算が縮小している。例えば1991年に発足した日米センターの予算(事業費)は、90年代半ばに比べて約75%減だ。活動資金は政府出資金の500億円の運用益で賄う方式が取られたが、金利低下やバブル崩壊、財政再建などが追い打ちをかけた。


 もっとも予算の問題は氷山の一角かもしれない。前出の山本正さんは、日本における交流の在り方自体に疑問を投げかける。


 「文化交流が多く知的交流が少ない。例えば日本が東アジアの中で進もうとする方向について、それは米国との対比ではどうかとか、日本の政策決定のプロセスやキーマンは誰かなど、いま米国が日本について本当に知りたい課題に答えられる政策志向的な組織やシンクタンクが足りない」


 人材不足もある。この点は日米センターの沼田貞昭所長も同感だ。


 「ワシントンではセミナーやシンポジウムで、世界が直面するさまざまな課題を日々、しかも各所で議論している。その時に日本はこうだと発言する日本人をあまり見かけないというのです」


 つまり発信力が弱い。日本の立場を踏まえて理を尽くした議論のできる人が少ない。いても顔触れが決まっている。


 官庁も大学も企業も、そういう形で派遣する制度はない。国際会議を発信の場ととらえ、人材をどんどん送り込む中国と、ここでも差は明らかだ。どうしたらよいのか。


 外務報道官を務め、外務省きっての英語の使い手といわれた沼田さんはズバリ、場数だと言う。


 日本人は完璧(かんぺき)主義者が多いが、下手でも構わず発言する。場数を重ねる中で度胸もつくし、うまくもなっていく。


 「国会答弁ばかり書かされていて突如、発言しろといわれてもできません。魅力的にしゃべれる人が少ない。若い時から場数を踏むことです」


 米国が日本への関心を失ってしまったとは言い切れない。ワシントンでも日本人の議論への参加を期待する人は少なくないと言う。


 自由度も含めて中国との知的対話にはやはり限界がある。それに東アジアの議論が日本抜き、米中関係だけで進められては、正当な認識を著しく欠くことにもなる。


 山本さんはいまこそ議員交流も含め日米交流にあらためて取り組むべき時と考える。日米関係がなぜ重要か、深い理解を備えたキーパーソンを育てたい。そのためには米国の地方や他の機関とも協力して、と新たな想を練る。


 日米と欧米との決定的な違いは距離、資金、歴史の積み重ねだ。また日本からアジアへ行く人も、放っておいても増えるだろう。


 「日米関係の維持、向上には特別な努力が要るということです」。長い日米交流の経験を通じた山本さんの実感である。
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by sakura4987 | 2007-08-01 10:12

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