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◆「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 (07/7/31)




(読者の声3)


 貴著『世界新資源戦争』(阪急コミュニケーションズ刊)の掉尾に近い、レアメタルについての次のくだりに注目しました。


(引用開始)


 「レアメタルを使うハイテク製品は全世界需要の30%が日本。それほどのハイテク大国である日本。しかしレアメタル資源はアフリカ諸国に集中している。中国にはタングステン、インジウム、アンチモン、レアアースが偏在しており、ロシアがチタンを戦略物資として国家管理しているように、いずれ日本いじめの材料にレアメタル供給ストップなど陰湿な手段を講じてくるだろう。


 なぜなら中国のレアアース生産は世界の93%を占めているばかりか、日本はこの危険な国・中国にその供給源の92%を依拠している。


 レアアース金属はハイブリッド・カー、触媒など自動車産業とエレクトロニクス業界にとって死活的な材料だ。プラスチック、合成繊維に使われるアンチモンも中国が世界生産の94%、日本の依存度は82%。 アナジウムの埋蔵もロシア、中国、南アの三ヵ国だけに偏在しており、ハイテク米国、日本、ドイツにはないというレアメタル、こうなると戦略物資である。


 日本が打つ手は戦略物資備蓄体制の強化である。


 筆者は1982年に 『もうひとつの資源戦争』 を書いて戦略備蓄とくにレアメタルの国家備蓄を提唱した。そのとき、じつは日本は戦略的国家備蓄をしておらず、民間の流通在庫が30日間分前後しかなかった。 政府が四品目の備蓄を始めたのは翌83年から、しかし、今でも対象は数品目だけで、備蓄も20日から40日分しかない。石油とは比べものにならない。廃品回収、再利用だけではとても間に合わないのである。

 
(引用止め)


 タングステンは切削工具や半導体を作るときに超硬工具として使われ、8割は中国から供給されています。インジウムは液晶やプラズマの電極に使われます。日本政府は備蓄しているレアメタルを、2004年に5回、国内企業に売却しましたが、その背景を探るとモリブデンについては、2003年の中国遼寧省での鉱山事故による生産休止。バナジウムは2003年12月南アフリカの通貨の高騰による生産減が誘因。


 しかし最大の要因は中国の急速な経済成長にあるようでニッケルは、2005年の消費量が1999年と比較して4.2倍となり、2000年から輸入国になりました。タングステンも1.9倍とレアメタルの消費が拡大しています。


 さらに注目しなければならないのが、中国が主要鉱物資源の戦略的備蓄制度を打ち出したことです。


 鉄、銅、ボーキサイト、マンガン、クロム、タングステン、ウラニウム、石炭が対象資源。中国は世界有数の地下資源大国で、レアメタルの輸出量も世界一、二を争いますが、急速な経済成長で、国内でもレアメタルが必要となり、出し惜しみを始めたのです。


 北朝鮮はレアメタルの宝庫という観測が強まっています。石炭や鉄鉱石以外に資源がないとみられがちですが、実は、欧米各国はその地下資源に狙いを付けています。アメリカが資源探査衛星で確認した所、軍需産業に欠かせないタングステンは世界の埋蔵量の半分が眠っているといわれ、アルミニウム、モリブデン、マグネサイトなども相当にあるようです。


 希土類において中国は、世界の9割を産出していますが、6月から中国政府は希土類に輸出税を課し始め、ネオジウムが高騰しています。ネオジウムは主に磁石に使うため、モータのコストアップ要因になります。身近ではパソコンのハードディスク、将来的には燃料電池車や電気自動車で使う自動車用のモータが直撃を受けるでしょう。


 中国進出にあれだけ慎重だったトヨタが脱兎の如く、中国(ロシアも)というカントリー・リスクを踏み出しました。侍大将のトヨタが中国大陸に出城を築くということは、家来・近習・職人たちも挙ってそこに出てゆかなくてはなりません。トヨタの中国進出は単に生産基地として安価な労働力を得ようとするものでなく、飽和した国内市場に代わって成長市場としての期待値も大きいでしょう。


 さらにそれ以外に、貴著を手にして、トヨタの中国・ロシア進出の密かな誘因にレアメタルの確保があるのだろうと思い至りました。財だけでなく”知”も危険に晒す泥濘の地なのに浅ましい所業です。


 信越化学・金川社長は以下のように述べています。


 「投資というのはどんな投資でもリスクはある。リスクは踏まざるを得ないリスクと、踏んではいけないリスクがある。踏んじゃいけないリスクはカントリー・リスクです。中国の場合はカントリー・リスクというと語弊があるかもしれないが、例えば我々の商品の基礎中の基礎の原料である石油とか電力を、政府が一番コントロールしている。
我々が下流、ダウンストリームでいくら努力して、事業を成功させても、上流で押さえられたらそれで一発で終わり。つまり我々の経営努力ではできないものがあるところではやってはいけない、というのが私の考え方。経営努力で克服できるものは経営努力で克服するが、できないものはやらない。」


 これこそ正眼の構えの経営姿勢であり、卓見であり、真っ当と云えます。

 貴著に「廃品回収、再利用だけではとても間に合わない」とありますが、レアメタル資源がない日本が出来ることは、まず資源のリサイクル、そして国家備蓄の積み増しです。積極的な国家戦略は望むべくもありません。
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by sakura4987 | 2007-08-01 10:47

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