★★★ 日本再生ネットワーク 厳選ニュース ★★★

sakura4987.exblog.jp
ブログトップ

◆松島悠佐 軍事のはなし(40)「女性防衛大臣の是非」




 久間防衛大臣の「原爆投下はしょうがない」発言の収拾策として、参議院選挙を目前に控えて急遽本人が辞任し、初の女性防衛大臣が誕生し話題になりました。



 参院選は自民党の惨敗で、安部政権の責任が問われ、閣僚人事の見直しも行われているようです。このこととはまったく別の問題ですが、私は女性の防衛大臣は適切ではないとの意見を持っています。それは、男性と女性の性の違いの問題からであり、小池大臣の個人的な資質とは一切関係のない話です。



 自衛隊に限らず列国の軍隊には女性の軍人・兵士がたくさんいます。種々の軍務に就いて、女性ならではの特性を発揮し活躍していますが、本当に過酷な戦闘職域、たとえば戦闘機パイロット、戦車搭乗員、あるいはゲリラ掃討の突撃部隊などには一般に女性の兵士は使用していません。それは、女性にはふさわしくない職域だからです。



 これは男女平等を推奨する人たちがしばしば主張する「男女差別」ではなく、性の違いからくる自然的な「男女区別」の問題です。男と女にはもともと持って生まれた性格があり、男性的・女性的という表現が自然に使われているとおりです。



 簡単に表現すれば、男性的とは「雄々しく頼もしい」ものであり、女性的とは「優しく淑やか」なものでしょう。それが子育や家庭教育においても父性愛・母性愛として役割の違いが生まれているのだと思います。



 そこで、防衛大臣とはどのような職務なのかをもう一度考えてみる必要があります。一つは、政府の閣僚の一人として防衛行政を司る大臣であり、これは他省の大臣と同様で、特に男だから女だからと考える必要はないと思います。



 もう一つの任務は、自衛隊の最高指揮官としての総理大臣の命を受け、陸海空自衛隊を直接指揮する立場であり、言わば防衛出動や治安出動などの事態において部隊に命令を下す指揮官です。このような事態に際し、統合作戦に当たっては統合幕僚長が、また陸海空の作戦においてはそれぞれの幕僚長が補佐しますが、あくまでそれは補佐であり、指揮官は大臣です。



 この分野には極めて過酷な事態も予測されます。たとえば、相当の損害を伴う危険があったとしても、あえて作戦遂行を命令しなければならないことも起こります。自衛隊には他省と同様に行政措置を命じる「一般命令」のほかに、防衛出動や治安出動を命じる「行動命令」があります。これがいわゆる軍事行動を命じる作戦命令です。



 軍歴を重ね指揮能力に長けた陸海空の軍司令官を直接指揮し、危急の事態に臨んで、時に過酷な判断を求められ命令を下さなければなりません。



 「雄々しく頼もしい」ことが特徴の男性であっても、相当の精神的鍛錬を積まなければ、誰にでもできることではありません。まして「優しく淑やか」な性格の女性にはさらに難しい問題だと思います。それは前述したような、女性にふさわしくない究極の戦闘の帰趨を判断し命令を下さなければならないからです。



 このような特質から、各国とも国防大臣に女性を起用することはほとんどなく、「雄々しく頼もしい」決断ができるような男性を大臣に任用するのが一般的になっています。過酷な状況の中で、このような究極の命令を下すためには、母性的よりも父性的な性格が適していると考えているからでしょう。



 女性防衛大臣の是非は、そのような観点からしっかり考えなければならないことですが、今回の小池大臣の起用は久間防衛大臣の辞任表明を受けて、短時日の間に判断したことですから、このような本質的な検討が行われたかどうか疑問です。



 総理就任以来4人もの大臣が交代するピンチに立たされている安部政権に追い討ちをかけるのは気の毒ですが、この問題は事務所経費の不鮮明などとは違う本質的問題です。早い時期にしっかり考えて是正してほしいものです。  (07・8・3記)



●松島悠佐(まつしま ゆうすけ);

 元陸上自衛隊中部方面総監

 防衛大学卒業後、自衛隊入隊陸上幕僚監部・防衛部長、第8師団長(熊本)等の要職を経る。

 平成7年阪神大震災時、中部方面総監として活躍。

 同年中部方面総監で退官。著書に「阪神大震災・自衛隊かく戦えり」(時事通信社刊)がある。 現在、危機管理などの講演を精力的に行う。
[PR]
by sakura4987 | 2007-08-14 12:50

毎日の様々なニュースの中から「これは!」というものを保存していきます。


by sakura4987