★★★ 日本再生ネットワーク 厳選ニュース ★★★

sakura4987.exblog.jp
ブログトップ

◆【やばいぞ日本】第2部 資源ウオーズ(5)電力危機招く「反原発」



 (産経 07/8/23)


 伝統狩猟マタギの里で知られる過疎の山村、秋田県上小阿仁(かみこあに)村が、ハチの巣をつついたような騒動に見舞われたのは、ついひと月ほど前の7月だった。


 「高レベル放射性廃棄物の最終処分地についても誘致の可能性を検討していきたい」


 初当選したばかりの小林宏晨(ひろあき)村長(70)のこのひと言がきっかけだった。


 新聞・テレビがセンセーショナルに報道した。真っ先に反応したのが寺田典城知事。「あまりに短絡的」と不快感をあらわにすれば、呼応して村議会も全会一致で「断固反対」を決議した。村役場には社民党などの関係者が押しかけた。抗議電話は全国から殺到し、村の業務は一時停止状態に追い込まれた。


 結局、1週間後に村長が自らが緊急会見して白紙撤回を表明、誘致話はあっけなくついえた。


 「村の再建には村民一丸が不可欠。断念はやむを得なかった。だが処分地はいずれどこかに必要だ。時間さえあれば、村中を回って、村民である前に県民、国民であることも説明したかった」


 日大法学部教授から郷里の再建に挑んだ“学者村長”の表情には、いまなお無念さがにじむ。


 「核のゴミ」ともいわれる高レベル放射性廃棄物。核燃料を燃やす過程では必然的に生じる。原子力発電を行う国で最終処分地の確保は、避けて通れない課題である。


 それゆえ、誘致した自治体には国が長期にわたり毎年10億円程度の交付金を支給、電力事業者団体も有形無形の経済支援を約束している。


 ところが、日本では安全性や必要性の議論以前に感情的な反発が先行しがちだ。経済支援についても「カネで危険を押し付ける」との批判がつきまとう。自治体が候補地として名乗りを上げることすらままならないのが日本の実情だ。


 最近も、高知県の東洋町が誘致に名乗りを上げたが、民意を問う4月の出直し町長選で推進派の現職町長が落選、計画は頓挫している。


 これは最終処分地に限らない。原子力発電の議論全般についていえることだ。資源小国のエネルギー問題をどう解決するのか、冷静な国民的議論は忘れられがちだ。


 上の図は日本の原子力発電所の所在位置を示している。現在運転中が55基、ほかに計13基が建設中もしくは着工準備中。共通するのは、用地選びから建設まで、いずれも20、30年を要していることだ。地元の理解を得るための調整に膨大な時間とコストがかかることが最大の理由である。


 唯一の被爆国ゆえの核アレルギー。さらに地震大国としての不安。諸外国に比べても根深い日本の反原発感情をそこに求める見方がある。同時に、日本原子力文化振興財団の理事長、秋元勇巳氏は「問題の根源は原子力政策における政治の不在」と指摘する。


 処分場の確保にせよ、多くは民間任せ。国が責任を負う姿勢はなかなか見えてこない。政治家も票にならないから腰が引ける。2、3年で担当が代わる官僚は長期的視点に立った責任ある政策は先送りしがちだ。いずれ事業者が原発事業に嫌気をさし始めたら、日本は原子力先進国どころか後進国になりかねない。秋元氏はそう警鐘を鳴らす。

                  ◇

 ■異常に低い原発稼働率


 「問題は政治の不在」という秋元氏の懸念は、日本の原子力研究者の多くの思いも代弁する。一昨年夏、経産相の諮問により、国への提言「原子力立国計画」を座長役としてまとめた東大大学院の田中知教授も危機感を共有する。


 田中氏によれば、日本は、基数、出力ともに米国、フランスに次ぐ原発先進国。世界の主要原子炉メーカー5社のうち3社は東芝、日立製作所、三菱重工業の日本勢である。


 ところが、その日本の原発設備の稼働率は70%前後だ。90%台の欧米諸国に対して異常に低い。問題が生じる度、長期の運転停止を余儀なくされるからだ。7月の新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原発の運転停止も長期化する見通しで、酷暑の今夏の電力供給は綱渡りを強いられている。


 だが、日本人の危機感は乏しい。ウランの燃焼効率を現在の約60倍にする高速増殖炉開発も停滞気味だ。


 いずれも、日本の原子力政策が長年にわたってブレ続けてきた結果だ。提言はそれを正すのが最大の狙いで、具体的には高速増殖炉を中心とする核燃料サイクルの達成、それを支える技術者の育成、国民向けの科学的見地からの啓蒙(けいもう)など、国の責任で取り組むことが重要だと田中氏は言う。


 外からも、日本の原子力政策にいや応なしに活を入れる環境変化が起き始めている。米スリーマイル島、旧ソ連のチェルノブイリと大事故が相次いだ結果、世界の原子力発電所建設は1980年代以降、停滞が続いてきた。それが今、ラッシュともいえる状況を現出している。


 中国では、現在10基800万キロワットの原子力発電を2030年までに15倍から20倍に拡大する計画が進む。100万キロワット級の原発が今後20年間で百数十基もできる計算だ。インドも電力を原発に求めようとしている。


 米国はスリーマイル島事故以来凍結されていた新規建設を、30基規模で再開すると表明。英国も建設再開を決定した。ドイツも脱原発宣言の見直しに動き始めた。原発の新規着工は世界規模で加速しそうだ。


 中国、インドなどで急増するエネルギー需要。その中で強まる中東諸国やロシアの資源支配。原油の安定需給に対する世界的懸念が高まっていることが背景だ。地球温暖化対策から発電で二酸化炭素を出さないクリーンエネルギー性が見直されていることも大きい。


 だが、この原発の先行きにも新たな不安材料が出てきた。左上図が示すようなウラン価格の異常ともいえる高騰ぶりだ。調達先や資源埋蔵量は不安なしとみられてきたが、この7年間で実に20倍近くも上昇している。


 日本も手をこまぬいているわけではない。世界第2の埋蔵量を誇るカザフスタンに懸命の資源外交攻勢をかけ始めたのも対策のひとつだ。それでも、同じエネルギー資源小国として原子力発電に力を注ぐフランスが、早くから各地の産地で採掘権を確保するなど安定供給体制を固めてきたことに比べれば、出遅れ感は否めない。


 すでに世界のウラン鉱山では、中国などの活発な買い付け工作も報じられている。日本がここでも後手に回るなら、安定供給の先行きは危うい。


 「日本はかつてエネルギーで戦争を起こし、エネルギーで負けた。それを教訓としなければならない」。秋元氏は危機感を深めている。
[PR]
by sakura4987 | 2007-08-25 15:25

毎日の様々なニュースの中から「これは!」というものを保存していきます。


by sakura4987