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◆「1億玉砕」の狙いは共産革命 (世界日報 07/8/16)



謀略暴いた近衛上奏文/日米共倒れへ愛国心を利用

外交評論家 井上 茂信


≪■戦争とは精緻を極めた謀略戦≫


 八月が来るといつも思い出すのは、敗戦を前にした一九四五年二月十四日に元首相の近衛文麿が天皇陛下へ提出した上奏文だ。その中で近衛は「一億玉砕を叫ぶ声次第に勢いを加えつつある。かかる主張をなす者はいわゆる右翼諸派なるも、いわゆる右翼は国体の衣を着けた共産主義者で、共産主義革命を狙っており、無知単純なる軍人はこれに躍らされている」と断じ、「勝利の見込みなき戦争をこれ以上継続することは、全く共産党の手に乗るもの」として早期終戦を進言した。



 筆者は第二次近衛内閣で首相の秘書官を務めた高村坂彦氏から、近衛上奏文のいきさつを詳しく述べたその著「眞実の上に立ちて」を贈呈された。戦争末期、右翼諸派のものたちが軍人たちを煽動して、本土決戦とか一億玉砕などと声高に叫ばせていたのは、米軍の上陸で国土を徹底的に破壊させ、敗戦での大混乱に乗じて一気に日本の共産革命を狙った共産分子の陰謀だったと知り、愕然とした。筆者は北海道で陸軍の幹部候補生として、米戦車への地雷を抱えての体当たりの自爆攻撃訓練を受けていたが、危うく“敗戦革命”の捨て石にされるところだった。



 当時の日本では東條首相の「生きて虜囚の辱めを受けることなかれ」(敵の捕虜となることは絶対許さない)との戦陣訓が生きていた。このため米軍上陸作戦が行われた場合、各地で軍民の玉砕は必至で、その際の日本側の膨大な犠牲は反米意識の向上と共産革命の土壌として最適のものとなったと予想される。戦争は単純な愛国心だけでは戦えない。まさに思想戦であり、精緻を極めた謀略戦であることをわれわれは先の戦争の最大の教訓とすべきだ。



≪■“敗戦革命”工作した尾崎秀実≫


 高村氏はその著書の中で共産主義者が立てた世界革命の大戦略として、一九三五年(昭和十年)三月、モスクワの第七回コミンテルン大会で決定した「人民戦線戦術」をあげている。同戦術はナチス・ドイツと軍国日本の台頭という東西からの圧力に直面してあみ出された戦術で、「帝国主義国家どうしを相互に噛み合わせて共倒れにする」というレーニン戦略に基づき、同じ資本主義勢力である米英と日独伊とを徹底的に戦わせて共産革命を前進させるというもの。



 ソ連外交の柔軟性・謀略性・巧緻さについて、高村氏は「独ソ不可侵条約の締結によってソ連を標的とする軍事同盟を打ち破るとともに、ドイツをして、英米との衝突に導き、後には、日ソ中立条約を結んで、日本の南進の決意を容易たらしめて、米英に激突させるという戦法」を一例としてあげている。



 ソ連の最終目標は米英資本主義の打倒である。コミンテルンの工作員としてゾルゲとともに日本の“敗戦革命”を工作した尾崎秀実は獄中手記の中で、「私の立場からいえば、日本なりドイツなりが簡単に崩れ去って英米の全勝に終わるのでは甚だ好ましくない」としている。日独がすぐ敗れては困る。長期戦にならなければ革命に必要な国土の徹底破壊はできないからだ。



 そこで米英に抑圧された南方諸民族の解放について「東亜新秩序」建設という戦争の長期目標を軍部に与えた。さらに戦争を長引かせるため、国内の不平不満を抑え、犠牲的愛国心を国民に強制することを尾崎は狙っていた。尾崎は、天皇制打倒のスローガンは国民の反感を買うので天皇制と社会主義は両立するとの理論を軍部や官僚に与えた。



 当時の軍部について近衛上奏文も「少壮軍人の多数はわが国体と共産主義は両立するものなりと信じ居るものの如く、(中略)これら軍部内一味の者の革新論の狙いは、必ずしも共産革命に非ずとするも、これを取り巻く一部官僚および民間有志は、意識的に共産革命にまで引きずらんとする意図を包蔵しており」と述べている。



≪■革命工作の陰謀覆した御聖断≫



 軍の若手将校の間には姉妹を娼妓に売るといった農村の疲弊から現状打破の反資本主義革命思想が広がっており、軍部内革新思想の指導的役割を果たした北一輝の思想内容はレーニンに学んだところが多かった。



 官界でも共産主義思想が浸透していた。一九四一年の企画院事件で逮捕された勝間田清一は尋問調書の中で、世界革命の本部としてのコミンテルン支持を表明するとともに、戦時の統制は次の共産主義社会機構の基礎体制を整備するのに役立つ、と述べている。反資本主義、反英米、反財閥で右翼、軍、官界、左翼の足並みはそろっていた。



 「陛下は蒸留水ばかり飲んでおられるようなもので、ご機嫌を損ずるかも知れないが、最後のご奉公のつもりで思い切って申し上げたいと思う」と上奏文について近衛が決意と心情を同氏に語ったと述べている。それにしても陛下の終戦の御聖断は多くの生命を救うとともにスターリンの“敗戦革命”の陰謀を覆す歴史的な快挙だった。
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by sakura4987 | 2007-08-25 15:41

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