◆アフガン:ケシ収穫量が世界の93%に 栽培面積も拡大
(毎日 07/8/28)
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アフガニスタンのケシの今年の収穫量が、世界の約9割を生産した昨年の6200トンを34%も上回り、8200トン(推計値)に上ったことが27日、国連薬物犯罪オフィス(UNODC)の調べで明らかになった。ケシ栽培は「旧支配勢力タリバンなどの資金源」とされ、日本など国際社会が対策に資金援助している。その一方で、アフガンの国境警備隊は毎日新聞に対し「パキスタン国境付近に約80のヘロイン精製所が新設され、アフガンはケシ輸出国から商品のヘロイン輸出国へと転換しつつある」と明らかにした。
UNODCは毎年、ケシの収穫が終わる7月からその年の収穫量を推計。栽培面積は過去最多だった昨年の16万5000ヘクタールから19万3000ヘクタールへ拡大し、特に南部ヘルマンド州では48%も広がった。
収穫量も今年は世界の93%に達する見込みだ。
アフガン政府によると、主な生産地はヘルマンド州や東部ジャララバード付近で、タリバンや関連する武装勢力が勢力を伸ばしている地域。米国は昨年、ケシ対策に植物を枯らす特殊薬剤の空中散布をアフガン政府に提案したが、カルザイ大統領は「市民の健康などに悪影響を及ぼす」と拒否し、抜本的な対策は打つ手なしの状態だ。
一方で近年、麻薬の「原料輸出国」だったアフガンが、ヘロインの「生産国」へと変化しているという。
薬物の密輸を空港や国境で取り締まっているアフガン国境警備隊幹部によると、2年前からパキスタン国境付近を中心にケシからヘロインに加工する秘密工場が増え始めた。その数は確認されただけでも約80と言い、「実際はその何倍もの工場が乱立している可能性が高い」と指摘した。
幹部によると、ヘロインの主な密輸ルートは国境を接するイランやパキスタン、中央アジアへの陸路だが、国際空路の相次ぐ開設で空からの密輸も増加。特にインド、アフリカ、中国への便の搭乗者の摘発が多い。アーモンドの中やじゅうたんの編み込みの間、靴底、体の中に隠し持つケースが目立っている。
麻薬がタリバンの資金源になっているとの批判が強いが、タリバンのアフマディ報道官は毎日新聞の電話取材に対し、「麻薬ビジネスは政府や州政府幹部こそが手を染めている。彼らの関与なくして麻薬は国境を越えられない」と反論している。