◆皇居は「クールアイランド」 8月の猛暑日2日だけ
(産経 07/10/5)
都心最大の緑地である皇居は周辺に比べて8月の気温が平均1・8度低く、最高気温が35度以上の「猛暑日」も周辺は8日あったのに、皇居では2日だけだったことが、環境省と首都大学東京の三上岳彦教授の共同調査でわかった。同省は「ヒートアイランド現象を象徴する都心で、皇居はクールアイランドとなっていることが実証された」と話している。
宮内庁の許可を得て8月に皇居内6カ所と北側、西側の市街地33カ所などで気温を連続観測。その結果、一日の平均気温は皇居が周辺市街地より1・4度~2・2度低く、最大で4・1度の気温差があった。
周辺市街地では月間の45%にあたる337時間で30度を超えたが、皇居では28%の205時間。夜間気温が25度を下回らない熱帯夜の日数は、周辺市街地の24日に対して皇居は19日だった。また、東京湾からの風に乗って皇居の冷気が移動するため、北側市街地にあたる千代田区九段北では皇居から約350メートルの地点まで気温低下が観測された。
同省では、今後、皇居の冷気を活用したヒートアイランド改善策も検討するという。